弱電部品やライフサイエンス部品、自動車部品など幅広い業種のプレス用金型を手掛ける永井製作所。ここ数年、積極的な設備投資を進め、生産体制の強化に取り組んでいる。昨年には事業再構築補助金を活用し、約1億円をかけてマシニングセ…
新会社設立で「meviy」の開発速度向上 吉田光伸氏(DTダイナミクス会長)【この人に聞く】
ミスミ(東京都文京区、03・5805・7050)は2022年9月、システム開発を手掛けるコアコンセプト・テクノロジー(東京都豊島区、以下CCT)との合弁会社「DTダイナミクス」を設立した。ミスミが提供するオンライン機械部品調達サービス「meviy(メビー)」の開発スピードを向上させ、グローバル展開の加速を狙う。DTダイナミクスの吉田光伸会長に今後の展開を聞いた。
グローバル展開を加速、世界中の「顧客の声」に対応
「DTダイナミクス」設立の理由は。
「meviy」の開発スピードを上げ、グローバル展開を加速させるためだ。「meviy」は機械部品の3Dデータをアップロードするだけで即時見積もり、最短1日での出荷を実現するオンライン機械部品調達サービス。これまで「VoC(顧客の声)」を重要視し、サービスを拡充させてきたが、グローバル展開を進めるに当たり、世界中の「VoC」に対応するには現状の体制だけでは限界があった。合弁会社の設立によって、ITエンジニアを確保し、開発体制を強化する。
なぜ、CCTなのか。
CCTは3Dデータの形状認識の技術などに強みを持ち、「meviy」開発当初から一部の機能で共同開発を進めてきた。同じ会社になることで、より一体となって開発に取り組むことができる。
また、もう一つの理由が、同社が提供するIT人材調達プラットフォーム「Ohgi(オウギ)」だ。約10万人(2023年1月時点)のITエンジニアデータベースで、必要なIT人材にアプローチすることができる。このシステムの利用が可能になることで、採用と調達で自在に人材を集め、よりスピーディーにシステムを開発できるようになると考えている。
「meviy」の現状は。
現在、ユーザー数は9万を超え、データアップロード数は1000万件を超えようとしている。機能も年々強化しており、昨年は長納期対応サービスや幾何公差設定機能などを追加したほか、丸物部品への対応も可能になった。また、グローバル展開については、21年12月に欧州、22年10月に北米での事業を開始した。今年度中に中国、アジアと一気に進めていくつもりだ。
DTダイナミクスでは今後どんな事業を展開していくか。
「meviy」の開発が主で、同サービスのグローバル展開を支えていくというのが一丁目一番地。当面の目標はグローバルナンバーワンのサービスへの成長だ。また、将来的には製造業全体に時間価値を提供していくことを目指したい。
具体的には。
「meviy」で開発した自動形状認識や、自動見積、3Dビューワーなどの技術はいろんな分野、領域で活用できると考えている。これらの技術を展開し、あらゆる産業の自動化に貢献していきたいと考えている。
金型新聞 2023年2月10日
関連記事
この人に聞く 金型の社会的価値訴え 「日本の金型業界にとって今は変化の時期だが、チャンスでもある」と話すのは、日本金型工業会の東部支部長に就いた鈴木の鈴木教義社長。好機なのは、金型の高度化が進み日本のメーカーしかできな…
インターモールド大阪では4月20日、女性雇用のメリットや現場の男女共同参画などを討論する特別イベントが開かれる。労働人口減少により製造業は女性の活躍が課題で、金型業界も働き方改革など取組みが始まっている。日本金型工業会で…
ラティス構造を採用し、材料費と造形時間を削減 自動車関連を中心に6000品目を超える樹脂成形部品を生産する三光化成。ソディックの金属3Dプリンタ「OPM350L」を活用し、水とエアを冷却媒体として活用する「ハイブリッドコ…
日本の金型の未来を担う人材。それは今、危機的状況を迎えています。少子化が進み、就職する学生の数が減り続けている。当社のある大阪府でも特に公立工業高校で定員割れが相次ぎ、数年後にも数校が廃校します。もの作りに興味を持つ高卒…