金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

28

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
積水工機製作所 海田 拓洋 社長

3ヵ年計画で生産性1.5倍に
継続的な設備投資で生産性向上
★工場内風景_R

「3ヵ年計画で金型工場を2012年対比で生産性を1.5倍に引き上げる」と目標を語る海田社長。
同社はインパネ、バンパーなど自動車の大型プラスチック成形用金型を得意とし、100~3000㌧まで金型製造ができる。近年は金型の生産性を引き上げていくために機械更新を進めている。今年は門型5面加工機、複合加工機の導入を進めるほか、段取り時間を削減するために機械稼働率の分析・作業内容の見直し、改良を行ってきた。15年下期までの目標に対し、海田社長は「内製金型の売上は1.5倍の伸びを達成しているが、型数では1.5倍にまだ達成していない。まだまだ課題が残ると、今後も継続的に機械設備の投資を続ける方針だ。

「当社は他社金型メーカーに比べ営業力が勝っている」と自社営業力に自信をのぞかせる。その理由は自社開発商品である「バルブゲートシステム」の販売だ。大型用から小型用まで数種類の自社製バルブゲートシステムを持ち、モータでバルブピンを制御させることで、樹脂の流れをコントロールし、成形圧力・樹脂の流動性を向上させる。成形時の不良をなくす取り組みで、自動車メーカーを中心に提案し、金型製作とともに受注につなげている。海田社長は「営業力=提案力だと思う。技術営業を基本にバルブゲートシステムを提案力として捉え活用している」と語った。

多能工と技術伝承を目指す
★展示品写真_R

「毎年新卒・中途を含めて3~5人を採用し、多能工と技術伝承を目指す」のが教育方針である。社員約140人の教育の要はOJTだ。新卒は最初に仕上げ(磨き・組立)を経験し、機械加工、設計分野などローテンションさせながら多能工に育てていき、1人で数台の機械を管理する体制を整えていく。海田社長は今後課題となるのは設計だという。要求度の高い金型を製作していくには設計技量が重要で、インパネのような複雑形状で無数の穴加工を必要とする金型加工を最適化できる1人前の設計者にするには最低10年の月日が必要という。

同社は今年大きな決断を図った。中・小型の樹脂部品成形(型は内製)を得意とする三光合成のグループ会社になり、相互連携を深めながら、両社の技術を融合した金型開発や海外市場の取り込みを目指す。連携による4つの強みも指摘。三光合成の10ヵ国16の拠点や同社のメンテ拠点(20ヵ国46拠点)を駆使して、海外への金型販売や欧米自動車メーカーへの新規開拓、受注増加による収益性向上、成形品受注の拡大を見込むほか、「生産立ち上げ時も現地の会社に任せることができ、効率化を図れる」とも話す。

新しい市場開拓も重要だ。同社も注射器や採血管など小型精密金型による医療機器に進出。多数個取りの金型で精密性も必要なだけに、三光合成との協力体制による技術開発に一層注力し、高品質・高付加価値を生み出せる金型づくりを追求していく。


会社メモ
★海田社長様_R

代表者=海田 拓洋社長
創立=1961年
事業内容=プラスチック成型用金型、その他各種金型の設計、製作
住所=大阪府枚方市野村中町62-1
電話=072・858・1121
FAX=072・858・9710
URL=http://www.sekisuikouki.co.jp
グループ企業=サンコー・セキスイ・JRG・ツーリング・インディア・プライベート・リミテッド、プラスチック工学研究所、ヒラセキ機工
主な設備=大型マシニングセンタ(牧野フライス製作所)、横形マシニングセンタ(牧野フライス製作所)、高速マシニングセンタ(牧野フライス製作所)、大型MCフライス盤(新日本工機)、大型放電加工機(牧野フライス製作所)、ワイヤーカット放電加工機(ソディック)、CAD/CAM/CAE(シーメンス、日本ユニシス、C&Gシステムズなど)、大型射出成形機3000㌧(東芝機械)、大型射出成形機1500㌧(宇部興産)など。


金型新聞 平成27年(2015年)12月10日号

関連記事

2023年1月金型生産実績 前年同月比 5.7%増の286億8,400万円

プレス用金型は4.5%増、プラ用金型は10.9%増 2023年1月の金型生産は、前年同月比5.7%増の286億8,400万円、前月比では14.2%の減少となった。数量は前年同月比43.4%増、前月比でも21.1%増の4万…

【この人に聞く】ハスキー統括部長・千葉紀久氏「ホットランナの市場拡大を」

ホットランナの市場拡大を  今年、日本法人設立30周年を迎えたハスキー(東京都町田市、042-788-1190)。プリフォーム射出成形システムの世界最大手でありながら、ホットランナメーカーとしての側面も持つ。日本では20…

【新春特別インタビュー④】ツバメックス代表取締役・多田羅 晋由氏「緩やかな連携が進む、経営者は思考の変革を」

もっと広義な意味に 緩やかな連携が進む 経営者は思考の変革を 〜M&A・企業連携〜  1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、…

低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

日進精機 半導体部品分野に参入

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

トピックス

関連サイト