金型や製品を小型・長寿命化 ボルト、ナットの課題解決を提案するねじ商社の由良産商(大阪市西区、06-6532-1331)はプレス金型などの高強度ニーズに応え、強度クラス14.9の「超強度14.9六角穴付ボルト」を開発、販…
がんばれ!日本の金型産業特集
山崎工業 山﨑 徹 専務取締役

「他社で断られた図面を持ってきてほしい」―。
そんな無理難題を全国から集め、解決方法を提案しているのが、順送プレス金型の設計製作からプレス加工まで行う山崎工業だ。得意とするのはワークサイズで1㎜以下のシャーペンの芯ほどの超微細なものから、手のひらサイズまでの小型部品。現在は自動車関連部品が多いが、これまでOA機器、電子機器、医療機器など様々な実績を持つ。
「課題解決型企業」を志向する同社の強みは金型から量産まで一貫生産できること。金型づくりにもそれは反映されている。山﨑徹専務も「金型だけで考えることはない。メンテナンス性や耐久性などの量産性を常に意識する」と言う。その姿勢や実績があるから、顧客から無理難題を言われる関係であり続けられるのだろう。またその難題には全力で応える。
多くの課題解決の事例を持つが、特長的な一例が切削加工からの順送プレスへの工法転換だ。写真のワークもその一つ。切削加工していたワークをプレス加工に置き換えコストダウンに成功した。 板厚1.2mmのコイル材を使用しながら製品の最大高さを2.0mmまで押し上げ、歩留まりを向上させている。
このほかにも数多くの改善提案や工法転換の実績を持つが、「物理的に不可能でなければ仕事は断らない」「使い勝手を理解して、プレス加工を考慮した形状提案をしながら、最適な方法を探す」(山﨑専務)姿勢も、多くの課題を集め、事例を生む源泉になっている。

柏崎市の製造業は「大物加工が多い土地柄で、微細加工を得意とするところはあまりない」(山﨑専務)という。この同業者がいない状況が、多様な人材を採用し、じっくり育成するという同社の下地となっているのかもしれない。例えば採用。産業集積地では経験者を求める企業が多いが、同社は、ものづくり初心者も多く、多様な人材に門戸を開く。「社員の大半が柏崎市民で定着率が非常に高い」のも育成には必要な条件だ。さらに「基礎知識は外部講座なども活用するが、コア技術はOJT」という自ら育成する方針が根底にある。
そうした考えをベースに、現在進めているのが多能工化だ。そのやり方も同社ならでは。金型部門でワイヤ放電に最も長けた技術者であれば、近い加工の形彫り放電や研磨加工などの関連技術の習得を最低3つ以上推奨している。プレス加工の現場でも同じだ。プレス技術者は金型のメンテナンスを自分で行うし、自ら加工したワークの測定作業も当然のように行う。多能工化を進める目的の一つとして、山﨑専務は「加工技術が日々進歩しているなかで、人もその進化についていく必要がある。それには常に挑戦し続けなければダメだから」という。
今後について「機械加工をプレス加工に置き替えるコストダウン効果は計り知れない」と順送プレスの将来性をみる。だからこそ「これからも工法の見直しや、ユーザーの課題解決を通じて、順送プレスでできる領域を広げていく」とプレス技術を極めていく考えだ。

代表者=山﨑敏明社長
資本金=1,000万円
売上高=16億7,600万円(グループ企業含む)
創 業=1962年
従業員数=152人(グループ企業含む)
本 社=〒945-1351 新潟県柏崎市上田尻35691
安田工場=〒945-1352 新潟県柏崎市安田田尻
工業団地7578-4
電 話=0257・21・3311
Fax=0257・24・6768
H P=http://www.yamazakikogyo.co.jp/
E-mail=office@yamazakikogyo.co.jp
主な業務内容=精密順送プレス金型設計、製作、プレス量産加工
設備機械=サーボプレスなどプレス機59台(アマダ「SDE2025」など)、ワイヤカット放電加工機10台(ソディック「AP650L」など)、形彫り放電加工機4台(ソディック「AP3L」など)、マシニングセンタ3台(牧野フライス製作所「V77」など)、CAD/CAM15台(C&Gシステムズ「EXCESS-HYBRID」)など。
経営方針=「お客様に満足していただける製品造り」、「世界No.1の加工技術への挑戦」、「社員が安全で楽しく働けて豊かに成れる企業づくり」
金型新聞 平成27年(2015年)11月14日号
関連記事
素形材産業の人手不足は、業界共通の課題です。製造業全体の平均から見ても、求人倍率が高い傾向にあります。中途採用や外国人労働者に頼り、人手を確保している企業が多い。 しかし、人手を確保できれば誰でも良いわけではありません。…
前 年同月比 4.4%増の342億600万円 プレス型は9.1%減、プラ型は18.3%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年12月の金型生産実績をまとめた。それ…
来年10月に開始 岐阜県金型工業組合(加藤丈詞理事長・カトーメテック社長)は来年10月1日から導入される適格請求書等保存方式(インボイス制度)について、森靖税理士事務所の森靖氏を招き、「インボイス制度、ここが大事」をテー…
64チタンねじ金型を製品化 国内製造の利点生かす 冷間圧造工具で高いシェアを誇る三豊機工(舟橋佳孝社長、本社・愛知県春日井市)の生産拠点、鹿児島工場は、今年度も工作機械など最先端機械・装置の設備投資を継続し、技術革新に…
