昨秋、日本金型工業会は6年ぶりに改訂した「令和時代の金型産業ビジョン」で、金型メーカーはこれまでのように単に言われたものを作るだけの「工場」から、顧客に価値提供する「企業」への変革が必要だと指摘した。これまで続けてきた…
ヴェロソフトウェア マークフリーブリー氏に聞く
一気通貫のソリューション 技能者に依存しないソフト開発
この人に聞く 2018

金型設計製造向けCAD/CAMシステム「VISI」などを手掛けるヴェロソフトウェア。創業からM&A(合併と買収)などによって製品ラインアップを拡大し、最近では「WorkNC」や「Edgecam」を追加するなど、10ブランド以上のソフトウェアを提供している。2014年にはスウェーデンの測定機器メーカー、ヘキサゴンの傘下に入ったことで、見積もりから設計、加工、検査まで一気通貫でのソリューション提案が可能になった。グローバルマーケティングディレクターのマークフリーブリー氏に同社の戦略や今後の展開などを聞いた。
ー日本市場をどうみているか。
日本は当社における全世界の売上の約7%を占め、アメリカ、ドイツ、イギリスに次いで4番目に大きい。日本の金型メーカーは世界トップレベルの高い技術力をもっており、非常に重要な市場だと捉えている。
ーヴェロソフトウェアの強みは。
豊富な製品ラインアップから各製品の良い機能を抽出し、他製品に反映させられることが大きな強みだと考えている。例えば、荒取り加工用パス「Waveform」は、元は「Edgecam」の機能だったが、「VISI」や「WorkNC」にも搭載し、機能を強化させた。こうした一体となった開発によって開発スピードが早まり、より迅速にユーザーのニーズに応えることができる。
また、ある調査会社によると昨年の当社のライセンスインストール数は30万以上で世界トップだった。世界中で集約したあらゆる知識を各国に提供できることも強みのひとつだ。
ーヘキサゴンとのシナジー効果は。
ヘキサゴンの傘下に入ったことで、見積もりから設計、加工、解析、測定まで製造工程全体に対して一気通貫でソリューション提案ができるようになった。三次元測定機で測った結果をCADデータにフィードバックして製作期間を大幅に短縮するなど、提案できるソリューションの幅は大きく広がった。
また、2021年までにはヘキサゴンと共同で中国に約100億円をかけて新しい研究施設を設立する予定だ。新技術をテストして実際に使えるようにつくり上げていくことで、新しいソリューションをユーザーに提供していきたい。
ー今後の開発の方向性は。
人材不足が課題となるなか、どんな作業者でも作業できるようにするために技能者の専門的な知識をいかにソフトウェアに反映させるかが大きなテーマになるだろう。当社でもフローチャート形式で簡単にプログラム作成できる機能「Strategy Manager」や加工プログラムをテンプレート化できる「Designer」という製品などを開発している。今後も熟練技能者に依存せずにものづくりが可能なソフトウェアの開発に注力したい。
金型新聞 平成30年(2018年)10月10日号
関連記事
鋼に命を吹き込む技術 『鋼に命を吹き込む』を合言葉に、プレス金型やプラスチック金型、ダイカスト金型ほか、半導体向け金型など幅広い型種の長寿命化に貢献する技術集団がリヒト精光(京都市南区、075-692-1122)だ。同社…
今年4月、切削工具メーカーのMOLDINO(モルディノ)の社長に就任した金子善昭氏。親会社の三菱マテリアルで国内の営業企画や米国のマーケティング担当を務めた他、戦略部長や営業本部長を歴任した。金型加工に適した工具を多くそ…
令和元年に新社長に就任したオークマ・家城淳社長。市場が不透明化している中、「機電情知一体」「日本で作って世界で勝つ」を掲げるオークマの今後について家城社長の思いを聞いた。 家城淳社長愛知県出身。85年大隈鉄工所(現オ…
パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎える。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」をテーマにした特殊品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・…


