金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

20

新聞購読のお申込み

藤木孝弘専務に聞く 新中期計画のもう一つの目的 【ササヤマ challenge!Next50

「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。

藤木孝弘(ふじき・たかひろ)
1984年笹山工作所(現ササヤマ)に入社、2000年北米TMC(後にSSHに社名変更)に出向。2017年ササヤマの専務取締役に就任。2019年に帰国、現在に至る。

金型の魅力をもっと社員に知って欲しい

SAIMS247のもう一つの狙いは社員に金型の魅力をもっと知ってもらうこと。目標に向かい全社で協力しワンチームで取り組む。その中で金型を作り上げる喜びや、技能が高まる嬉しさ、社会における金型の大切さを感じてもらいたい。

そう思うのは私が金型に魅了された一人だから。大きなきっかけは米国での経験でした。2000年、米国に拠点を立ち上げるも予定していたプロジェクトが頓挫。ゼロスタートでなんとか日系プレス部品メーカーと取引が始まった頃でした。

部品メーカーの技術者は米国人。こちらが仕事を貰っているのに立場が対等。パートナーとして認め、指摘してくれる。互いの経験やスキルを活かし一つのプロジェクトに取り組む。ともに目標を達成する魅力を知りました。

新規開拓にも励みました。知らない土地で苦い経験もしましたが、諦めずに取り組んでいると少しずつ道が開ける。そして自ら手掛けた金型が自動車の部品を生み出し世界中の人に喜んでもらえる。それを肌で感じワクワクしました。

「金型の魅力」は人それぞれですが、社員にもっと感じてもらいたい。その活動の一つとして数年前にスタートしたのが「スキルマップ」です。これは各部門で必要な能力を体系化したもので、社員それぞれが自らの能力レベルを把握できる。

自らの能力がSAIMS247における改善活動や、業績に貢献していることを理解する。そして次なる課題に挑んでもらう。そうしてスキルアップし、社員が協力し合い、金型そして仕事の魅力を感じてもらいたい。

会社の成長を支えるのは人。人の成長なくして企業も成長できません。その人の成長の原動力は「金型の魅力を知ること」。SAIMS247は金型の競争力を高める一方で次の50年を担う社員育成の取り組みでもあるのです。

金型新聞 2023年4月10日

関連記事

齋藤俊明さん 金型若手経営者が集う「天青会」会長【ひと】

今年5月、日本金型工業会東部支部の若手経営者が集う『天青会』の第52代会長に就いた。会員が減少傾向にある中、「もう一度“にぎわい”を取り戻したい」。卒業したOBにもイベントへの参加を呼びかけ、交流の輪を広げる考えだ。 埼…

アクスモールディング 押出成形金型の設計簡易化【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

廃棄部分の再利用も可能に 高機能フィルムの製造に適した押出成形金型「Tダイ」などの設計を手掛けるアクスモールディング。同社は、今年の3月にソディックの金属3Dプリンター「LPM325S」を導入。押出成形金型の設計の簡易化…

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

掛け金率選択制に 税控除など利点大きく 社員の第2の人生豊かに 日本金型工業厚生年金基金は昨年11月2日、いったん解散し「日本金型工業企業年金基金」として生まれ変わった。高い予定利率などの旧制度の課題を解決するとともに、…

熟練の技生かし金型の修正を減らす方法【変わるトヨタの型づくり】

PART2:匠の技をデジタルに帰す 金型の修正ゼロへ 匠がデジタル技術を駆使すれば金型の修正を減らせないか—。モビリティツーリング部は、そんな取り組みにチャレンジしている。熟練の技を生かし、デジタルの金型モデルでトライと…

木谷電器 木谷健一郎社長に聞く 要望ヒントに金型開発

端子や太陽光発電関連機器を手掛ける木谷電器(大阪府枚方市、072・855・1492)は、取引先の要望をヒントに新たなプレス金型の研究開発に取り組む。時代のニーズに応えるプレス技術を開発し、未来を拓く新しい事業に発展させた…

トピックス

関連サイト