くまがい・ゆうすけ1985年大東文化大学経済学部卒、同年共和工業入社。2013年海外営業部長、20年常務執行役員社長補佐、新潟県三条市出身、58歳。 大型の樹脂型を手掛ける地元三条市の共和工業に入社したのは1985年。以…
金型ビジョン軸に事業推進
日本金型工業会第3回通常総会
日本金型工業会(牧野俊清会長、長津製作所会長)は6月5日、名古屋市のANAクラウンプラザホテルグランコートで第3回の通常総会を開く。
昨年は新金型産業ビジョンを策定し、日本の金型業界の指針を示した。今年度もそれに基づいた事業計画や予算が議論される見通し。
円安などで金型の国内回帰も出始めており、その動きへの対応も議論する予定だ。日本の金型をPRすべくピンバッジも作成したばかりで、総会を機に金型業界の取り組みなどユーザー業界などに発信していく。
昨年策定した新金型産業ビジョンでは、小規模企業が対応できることを主眼に、
- 営業力
- 海外展開
- 周辺分野への事業展開
- 人事育成
- 技術研究開発
- 連携・提携の推進―を掲げた。
今年度は同ビジョンに基づいた事業を進めていく予定だ。
さらに、円安の効果で、日本への金型回帰の動きも活発化しており、それへの対応も課題のひとつになっている。「海外に出て行った大手からの見積もり依頼が増えた」や「海外と価格差がないので国内の金型メーカーに仕事を出したい」といった声も聞かれる。こういった以前とは異なる国内回帰の動きへの対応も議論する。
こうした追い風もあり、足元の景況も好転している。機械統計によると金型生産は1月以降好調を維持しており、3月には385億円を記録。2014年度は前年度比で7・2%増加した。
インターモールドでの金型展の活況ぶりもそれを裏付ける。牧野会長も「今年は71社と過去最多の出展もあり、ユーザーの来場も非常に多かった」とし、「風向きが変わりつつある」。
しかしながら、リーマンショック前と比較しても7割程度で、グローバル化やユーザー企業の動向を踏まえると、課題は山積している。総会では、金型ビジョンに基づき、国内回帰などについて、3支部の会員企業らが集まり、議論される予定で、事業の骨子や予算が決定する。
また、恒例の講演会では、トヨタ自動車の車両品質生技部の安松智主査が「日本のものづくり革新とグローバル展開」をテーマに話をする。
工業会では日本の金型をPRするために、桜を模したピンバッジを作成したばかり。牧野会長は「ジャパンブランド事業のシンボルとして作った。会員以外の方にも配布し、金型応援団になって頂けるようにしたい」とし、総会を機に日本ブランドや工業会の取り組みを多方面に発信していく。
日時:6月5日(金)
会場:ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋
総会:13:30~15:00
講演会:15:00~16:30
テーマ「日本のものづくり革新とグローバル展開」
~トヨタの造型における取り組み~
トヨタ自動車株式会社 車両品質生技部 主査 安松 智 氏
懇親会:17:00~19:00

本日は、一般社団法人日本金型工業会として第3回、創立以来だと第58回総会となります。
正会員ならびに賛助会員の皆様には御多用中にもかかわらず多数の御出席を賜り御礼申し上げます。平素より当工業会の運営と活動に多大な御協力をいただき併せて御礼を申し述べます。
2014年度(~3月)の金型生産金額は機械統計によれば、前年度より7.2%の上昇、リーマンショック直後の2009年度の121%を得ました。型種別では変動があり、プレス用110%、鍛造用203%、鋳造用111%、プラスチック用112%、ダイカスト用185%、ガラス用76%、ゴム用100%、粉末冶金用135%です。
しかしながら、リーマンショック前である7年前の76%に過ぎません。最近の1月~3月の前年比は金型全体で113%(型種別では90%~159%)と上昇しており、アベノミクス・円安の追い風の中で、早い回復が望まれます。
本年4月に、有明の東京ビッグサイトで行われた「インターモールド」では、正会員71社が出展されました。5社に1社が出展されたことになります。昨年、「新金型産業ビジョン」を発行いたしましたが、小規模企業が対応できることをモットーに、①営業力(提案力)②海外展開 ③金型技術を活かした周辺分野への事業展開 ④人材確保・人材育成 ⑤技術研究開発 ⑥サプライチェーンを有効なものとするための連携・提携の推進をキーワードとして、まとめており、その実践の場として会員皆様にインターモールドをご利用頂いたものです。
来年は大阪開催です。さらに多くのご参加を期待しておりますとともに、インターモールド開催を支えて頂いております賛助会員皆様のご出展厚く御礼申し上げます。
また、既に会員皆様お付け頂いております金型バッチ、平成27年度より「日本の金型PR」事業のシンボルとして経済産業省推進のJAPAN ブランド事業のシンボルマークをベースとして作成したものです。“JAPAN QUALITYを支えるのは日本KANAGATA”の精神で作成いたしました。会員以外の方も、金型応援団としてご着用いただけたら幸いです。
世界のものづくりは、ドイツのインダストリー4.0にみられるように、グローバルで大競争の時代に入っています。新時代のものづくりにかかせない金型産業のため、日本金型工業会への更なる御支援、御協力をお願い申し上げます。
金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号
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