自らの強みを活かし、他分野に事業を広げていくことは経営においては常套(じょうとう)手段だ。シブヤハイテクノは創業以来、磨き続けてきた放電技術を武器に、この戦略を地で行く。形彫りやワイヤ放電の受託加工から始め、電極や、金…
がんばれ!日本の金型産業特集
M・K・G 霜鳥 健一 社長
スピードとコストを追求
自動化とオール3次元化
品質の良い金型をいかに安く、早く作るか―。このテーマに挑むのが、プラスチック金型を手掛けるM・K・Gだ。「今や精密は当たり前。価格と納期でメリットが出せなければ、競争力は生まれない」と話す霜鳥健一社長。自動化と3次元データをフル活用し、金型部門6人で月産約30型を実現する高効率な生産システムを構築している。
昨年と一昨年に、最大60本のワークが搭載できるAWC(自動ワーク交換装置)を搭載した最新の高速マシニングセンタ(MC)と形彫り放電加工機を導入。段取り工程を自動化し、1日24時間生産できる体制を構築した。コスト低減に加え、人的なミスが減り、より安定した品質の金型が製作できるようになった。
「図面レス」、「ペーパーレス化」を徹底。2次元図面を使わず、すべて3次元でデータのやり取りを行っている。加えて、霜鳥社長は「詳しくは語れない」というが、CAMデータも効率的に供給できる体制を整え、設計・製作のスピードが大幅に向上。30日だったのが、15日で仕上げられるようになるなど、「試作型でも量産型並みに作り込めたり、急な飛び込み案件も受注可能になった」。
「金型は、昔は“金型様”という感じだったが、今はそうではない。ユーザーが必要なときに素早く供給できることが重要。そのために、部品加工と同じような感覚で金型を作っている」とコストとスピードを徹底的に追求し、圧倒的な競争力を持つ金型メーカーを目指す。
従来の金型メーカー像を覆す会社づくり
M・K・Gは、1998年創業という金型メーカーとしては非常に若い会社だ。同じ金型メーカーに勤めていた霜鳥稔会長と霜鳥社長の2人で独立し、当初は1台のマシニングセンタとCAD/CAMで金型部品の加工から始まった。その後、高い加工技術力が認められ、徐々に金型も手掛けるようになり、現在では金型の設計・製作だけでなく、成形から組立加工まですべて自社内で一貫生産できるまでに事業を拡大してきた。
そんな同社が目指すのは、「今までの金型メーカーのイメージを覆す会社づくり」だ。「今までの金型業界のイメージや働く環境を変えていかないと、人は集まってこない」と時代に合わせた考えで人材育成、採用に取り組んでいる。そのひとつが、ITの活用だ。同社のほとんどの社員が設計や加工プログラムのデータ作りを主な業務としている。「職人技術を磨くことももちろん重要だが、それだけでは今の若い人たちは付いてこない。もっと若い人が馴染みやすいように工夫することで、人も会社も成長していくはず」と霜鳥社長は話す。
また、人材採用は海外にまで及ぶ。「国内だけでの人材雇用は、将来的に必ず限界がくる」と霜鳥社長は見る。とくに「CAD/CAMの技術に優れた人材は日本よりも海外の方が豊富」と人材発掘のために海外拠点の設立を計画している。
これまでに確立した自動化やオール3次元化の仕組みを海外でも展開し、グローバルで日本と同レベルの高品質な金型を提供していく。
会社メモ
代表者=霜鳥 健一氏
創業=1998年
所在地=神奈川県横浜市旭区川井本町51-5
資本金=1,000万円
TEL=045・952・7500
FAX=045・952・7501
URL=http://www.m-k-g.co.jp
従業員数=25人
事業内容=プラスチック試作・量産金型製作・設計、ホットメルトモールディング試作・量産金型製作・設計、プラスチック射出成形
主な設備=高速MC「V22(4万回転)」AWC60本(牧野フライス製作所)1台、精密NC放電加工機「EDGE2」AWC60本PALLET4枚(同)1台、高速MC「V33i(3万回転)」(同)2台、高速MC「V55(1万4000回転)」(同)1台、高速MC「V22(4万回転)」(同)1台、精密NC放電加工機「EDGE2」(同)1台、高速ワイヤー放電加工機「U32i」(同)1台、CAD/CAM(C&Gシステムズなど)16台、射出成形機(日精樹脂工業)7台など、その他多数。
金型新聞 平成28年(2016年)8月10日号
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