未来拓く技術を提案 JIMTOF2016で注目を集めた金型や精密部品に関連する最新の加工技術が一堂に集まるUMモールドフェア。今回は新型の5軸加工機や金属3Dプリンタをはじめ、IoT(モノのインターネット)の活用技術が…
この人に聞く2016
C&Gシステムズ 塩田 聖一社長
開発やサポートを強化金型業界を支え続ける存在に
塩田聖一社長

金型用CAD/CAMメーカー、C&Gシステムズの業績が回復を続けている。グラフィックプロダクツとコンピュータエンジニアリングが合併してから6年間の年平均成長率が9%を超える。「金型は成長産業」が持論で、「金型向けCAD/CAMのグローバルニッチトップを目指す」と話す、塩田聖一社長に今後の方針などを聞いた。
―業績回復の理由は。
「日本で作るもしくは回帰している金型は難易度の高いものが多くなり、ソフトも高度化している。こうしたニーズに応えるため、金型から逃げずに、開発やサポートを強化し続けてきたことが奏功していると思う。しかし、リーマンショック後のリバウンド成長の側面は否めない。今後は自律的な成長を目指す」。
―成長の骨子となる中期計画のポイントは。
「金型に特化することは変わらない。保守更新は9割を超えているが、開発や継続的なサービスを認知頂いているからだと思う。開発やサポートはさらに強化していく」。
「もう一つの柱となるのが海外だ。製造業の現地化は進んでおり、日系、ローカルに限らず、現地で細やかなサポートを受けたいという声も多い。これに対応するため、現地代理店の技術力を向上させ、独自のフランチャイズ網を構築する。将来は現地でカスタマイズ対応も行いたい。例えば自動化のニーズ一つとっても国によって異なる。現地のニーズをくみ上げ、現地で完結できる力が必要になる。すでにインフラ作りも進めている」。
―金型市場をどう見る。
「金型は成長産業だ。新興国が文化的生活になればなるほど、多くのものが必要になり、量産技術が必要になる。グローバルでは金型需要はもっと増える。そして、厳しい時代を乗り越えた日本の金型メーカーはすでに競争力もあり、グローバルで戦える力もある。我々はそれを支え続けられる、金型業界用CAD/CAMのグローバルニッチトップを目指す」。
金型新聞 平成28年(2016年)10月10日号
関連記事
くまがい・ゆうすけ1985年大東文化大学経済学部卒、同年共和工業入社。2013年海外営業部長、20年常務執行役員社長補佐、新潟県三条市出身、58歳。 大型の樹脂型を手掛ける地元三条市の共和工業に入社したのは1985年。以…
経済産業省は3月28日、金型を始めとした日本の素形材産業が今後進むべき方向性についてまとめた「素形材産業ビジョン」を12年ぶりに公表した。3代目となる2025年版ビジョンでは、日本の素形材産業の現状や課題をまとめ、204…
金型メーカーから技術を発信 粉末やレーザーなど、多くの要素を最適に制御しなければいけないため、金属3Dプリンタによる金型づくりは簡単ではありません。また、何でも作れる魔法の杖でもありません。それでも参入したのは、切削加工…
徹底して顧客の声を聞く 高温の射出成形用金型を得意とするケイ・エス・エムは医療機器分野への参入やロボット販売など事業の多角化を進めている。新事業の立ち上げで苦労する企業が多い中、成功しているのは「金型技術をコアにものづく…


