金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

20

新聞購読のお申込み

沖電線が国内製造拠点集約

電極線事業40周年

高速加工ワイヤ「OS-UZ」

高速加工ワイヤ「OS-UZ」

 沖電線は昨年、ワイヤ放電加工機用電極線の発売開始から40周年を迎えた。これまでに開発や改良を繰り返し、付加価値の高い製品を提供してきた。昨春には製造拠点を岡谷工場(長野県諏訪市)に集約。「メイド・イン・ジャパン」にこだわった高品質な生産体制を整え、「高速加工ワイヤ」など高機能製品の開発を追求していく。

 1976年に初めて放電加工用の銅線ワイヤを製造販売したのが、同社電極線事業部の始まり。その後、78年に硬材と軟材タイプ、93年に細径タイプ、2000年にはノンパラフィンタイプなどを開発。順調に製品ラインナップを拡大し、ユーザーの多様なニーズに対応していった。

高速・高精度を追求

木内事業部長

木内事業部長

 そうした中で、01年に品質問題が多発。品質管理や設計体制を全面的に見直した。ただ木内稔事業部長は、「この出来事によって、今の品質にこだわった生産体制が作り上げられた」。真直性、引っ張り強度、外径などの検査工程を徹底するほか、ワイヤ伸線に不可欠なダイスの検査、補修を全て社内で行うことで、安定した品質を実現している。また、製造拠点を岡谷工場に集約したり、材料、生産設備を日本製で統一するなど「メイド・イン・ジャパン」にこだわった高品質なものづくりに取り組んでいる。現在は、月産約200tの生産量を誇る。

 14年からは亜鉛コーティングを施した高速加工ワイヤ「OS-UZ」に力を入れる。木内事業部長は「今までは製品単価が高く実用的ではなかった。独自技術によって製造コストを低減できた」。既存の黄銅ワイヤに比べ、加工速度が30~50%向上し、生産能力改善、ランニングコスト削減など、競争力の高い加工が可能となる。しかし、高速加工ワイヤは、国内市場ではまだ浸透していないのが現状。同社では、セールスエンジニアリングを強化し、加工条件設定の支援などサポート体制を整えている。

 「高速」と「高精度」がキーワードになると話す木内事業部長。「当社では、この2つの領域を追求した高機能製品の開発に力を入れていき、今後もワイヤ放電加工の新しい領域に挑戦していきたい」。

金型新聞 平成29年(2017年)3月10日号

関連記事

ササヤマ 新本社工場が稼働

ササヤマ 新本社工場が稼働

大型金型の需要に対応 自動車や家電製品のプレス金型を手掛けるササヤマ(鳥取市、0858・85・3380)は、鳥取市河原町に本社工場を新設した。大型の精密加工機や大型プレス機、精密加工機を導入したほか、組立、設計の部門を一…

小林機械 中古機械の簡易審査リース開始

100〜500万円の機械が対象 小林機械(群馬県館林市、0276・74・4406)はこのほど、みずほリース(東京都港区)と提携し、簡易審査による中古機械のリースを開始した。動産総合保険を付与し、割賦販売にも対応する。現金…

不二精機 鈴鹿に成形工場

EV部品を研究開発 不二精機(大阪市中央区、06-7166-6820)は、三重県鈴鹿市に成形工場を新設する。自動車部品を手掛けるティア1と協業し、電気自動車(EV)向け部品を研究開発する。2022年4月にも開設する。 新…

黒田製作所 会長 (岐阜県金型工業組合 理事長)黒田 隆氏
〜鳥瞰蟻瞰〜

若者の興味を引け 金型はものづくりの喜びがある広く知られる業界へ  若手を育てることは、金型メーカーにとって技術の伝承はもちろん、業界の活性化という点でも大切なことです。量産のものづくりがある限り、マザーツールである金型…

金型ビジョン軸に事業推進<br>日本金型工業会第3回通常総会

金型ビジョン軸に事業推進
日本金型工業会第3回通常総会

営業、海外展開に力 技術研究や連携も  日本金型工業会(牧野俊清会長、長津製作所会長)は6月5日、名古屋市のANAクラウンプラザホテルグランコートで第3回の通常総会を開く。 昨年は新金型産業ビジョンを策定し、日本の金型業…

トピックス

関連サイト