培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…
【鍛造金型特集】鍛造型、好調を持続
その背景や今後は
自動車生産台数の増加 EV化への対応も必要
鍛造金型が好調を持続している。経済産業省の機械統計によると、2016年の鍛造金型の生産金額は307億円とリーマンショック前の200億円を大幅に上回る。数量では減少傾向にあることから、1型当たりの付加価値は向上しているともみて取れる(表1)。
一方、ユーザーである鍛造品の動向はどうか。同じく、経済産業省の生産動態統計によると、鍛工品の17年の生産実績は243万tで、05年以来240万t超えを記録した。金額ベースでも、6340億円とこちらも過去2番目の高い水準となっている(表2)。
背景にあるのは、自動車業界の伸びだ。16年の世界の自動車生産台数は9400万台を超え、右肩上がりが続いている。日本鍛造協会によると、鍛造品の約75%が自動車業界向けであることから、生産台数の拡大は鍛造品の増加に直結する。
では、熱間、冷間部品の内訳はどうか。17年の熱間品の生産重量は約230万t、冷間品が約12万tと95%が熱間品だ。熱間品のほうが大型サイズのものが多いことも背景にはある。
一方、金型では分類がないので、詳細は分からないが「熱間の9割近くが内製」(日本鍛造協会の八木議廣会長)という構図となっている。このため、鍛造型メーカーは熱間専業が少なく、冷間鍛造金型を専業とするメーカーが多い。
いずれにせよ、好調が続く鍛造業界だが、今年の見通しについて、八木会長は「17年の高水準は18年も続く」と話すなど、足元の景気は良好だ。だが、鍛造品はエンジン回りなどの部品が多いことから、電気自動車(EV)の登場で鍛造部品の減少を懸念する声も少なくない。このため、鍛造型メーカー各社は新分野に進出したり、新たな価値を高めたり、様々な取り組みを進めている。
【関連記事:日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く 熱間鍛造の動向】
金型新聞 平成30年(2018年)3月10日号
関連記事
協力企業との連携推進 時期によって業務の量に差が生じることは少なくない。特に金型業界では、製品のモデルチェンジや更新のタイミングなどに受注が集中するため、繁忙期と閑散期で現場の稼働状況は大きく異なる。繁忙期には残業や休日…
7月6~9日 ポートメッセなごや 294社が競演 金型加工技術に関する専門展「インターモールド名古屋」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が7月6日~9日まで、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催さ…
自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデー…
事業再構築補助金を活用 金型メーカーの新分野展開、業態転換が加速している。コロナ禍や、自動車の電動化などによって事業環境が大きく変化する金型業界。多くの金型メーカーが2021年からスタートした「事業再構築補助金」を活用し…




