エンジンやステアリング部品など鋳造800~1250tクラス(最大2500tまで)を得意とするダイカスト金型メーカーの寿原テクノスはダイカストの課題を解決する新たな金型技術を次々に発表し、ダイカスト製品の高品質化やサイクル…
低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。
金型を強化する
ダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は独自の型構造や材料を採用し、成形ロット数に合わせて価格を安くする「低廉化金型」を開発した。足元では、低廉化金型などで使った部品のリサイクルから金型の廃棄までをサポートするサプライチェーンの構築も進めている。

低廉化金型を開発したのは、日本の金型業界を冷静に分析した結果です。電動車で部品の共通化が進み、生産数の増える部品もある。しかし、全体としては、大量生産は減り、少量生産が増えるのは確実です。
こうした変化にどう対応すべきか。共通化で増える部品は長寿命化などこれまでの金型技術を磨けばいい。少量生産でも利益を出すには「低廉化金型」は必要でした。品質を絞るので、金型の性能を担保する難しさはありますが、継続して開発に取り組んでいます。
今後は脱炭素など環境問題が加速すると「無駄を減らそう」という流れが強まるのは必至です。「少ロットだから安く」というだけでなく、サプライチェーン全体でどう無駄を減らすかが重要になると思います。
そこで販売した金型をお客様から買い取り、金型部品や材料を再利用できるネットワークの構築を進めています。まずは、最も金型で手間がかかる設計時間を減らすために、金型づくりの標準化などが欠かせません。
この仕組みが構築できれば、お客様も型保管の手間は省けるし、金型のコストダウン、部品の廃棄ロス、ひいては二酸化炭素削減にもつながります。設計から生産、廃棄までのサプライチェーン全体を一方通行ではなく、循環させることで、金型の価値を向上させていければと思います。
他の特集記事は以下から
- 金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
- 金型製作の効率化を追求 笹山勝氏(ササヤマ社長)【金型を強化する】
- 微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【派生技術を伸ばす】
- メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【成形へと拡大する】
- ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【成形へと拡大する】
- 自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【自社商品を創る】
- BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【自社商品を創る】
金型新聞 2023年1月10日
関連記事
自動車の電動化(EV化)に伴い、ものづくりも大きな変革期を迎えている。従来のエンジン車には搭載されなかった電動化部品の需要が高まり、新規需要の取り込みが部品メーカー各社の大きな課題となっている。その中、ハイテン材加工の車…
自社商品の生産性アップ 大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。…
〝知能〟と〝智能〟を区別 金型メーカーなりの自動化 前号では、「次世代自動車の登場で金型がどう変わるか―2030年の金型業界―」について、現状の課題や見通し、考え方などいろいろな意見が出された。2回目の今月号は、そう…
自動車のEVシフトが加速している。ある調査会社によると、2022年のバッテリー式EV(BEV)の世界販売台数は約780万台で、自動車販売全体の10%に達したという。自動車メーカー各社もEV関連の開発に注力する中、影響を受…


