エンジンやステアリング部品など鋳造800~1250tクラス(最大2500tまで)を得意とするダイカスト金型メーカーの寿原テクノスはダイカストの課題を解決する新たな金型技術を次々に発表し、ダイカスト製品の高品質化やサイクル…
【検証】変わる金型基金 新たな船出4
退職金の一部を年金化
3回にわたり、日本金型工業厚生年金基金の制度移行の概要や、基金の課題をみてきた。様々な課題を解決すべく、有期年金化したり報酬比例としたりするなど、企業の負担を増やさず、支給期間を選べる柔軟な制度に変更する予定だ。では、基金は企業にとって具体的にどんな利点があるのか。最大のメリットは積み立てた金額を退職金の一部に充てることにある。
【検証】変わる金型基金 新たな船出 解散後、新制度に移行
【検証】変わる金型基金 新たな船出2 3つの大きな課題解決へ
【検証】変わる金型基金 新たな船出3 年金有期化で安定運用
そもそも、年金基金は「年金」という呼び名ではあるものの、退職金としての側面が強い。もちろん、公的年金に積み増す形で、長年にわたって年金として受け取ることもできるが、退職金規程に組み込んで一時金として渡せば退職金の一部にもなるからだ。
実際に企業年金を持つ大手企業では、驚くほどの金額を年金資産として退職金に組み込んでいる。2016年度の上場企業(2900社)の退職金給付は91兆円。そのうち75%以上の68兆円を年金資産で積んでいる。大企業がそうするのはメリットが大きいためで、年金基金を活用すれば同様の優遇が得られる。
まずは税制面。退職金を自社積み立てした場合、税控除は受けられないが、年金だと退職金の掛金は全額税控除を受けることができる。また、保険金を活用して自らの退職金を積む経営者も少なくないが、役員保険の税控除50%まで。つまり、年金基金を使うと節税効果が大きくなる。保全も魅力の一つ。年金は外部資産なので、倒産などの不測の事態でも積み立てた退職金は外部に保全される。
役員や経営者が加入できることも特徴の一つだ。中小企業での退職金の積み立てとしては、中小企業退職金共済(中退共)を活用している企業も少なくない。中退共も年金と同じように税額控除を受けられるが、加入できるのはあくまで社員だけ。金型年金基金は、経営者も恩恵は受けられる。
とはいえ、これらの優遇を受けるには、退職金規程に年金を退職金の一部として組み込む必要がある。そうしなければ、一時金として給付した場合、贈与税となる可能性さえあるという。次号では、具体的なモデルケースをもとに、どれだけの負担で、どれだけの効果があるのかをみていく。
金型新聞 平成30年(2018年)4月16日号
関連記事
製造業において、人手不足は深刻な問題となっている。困難な採用環境、熟練者の高齢化などに加え、働き方改革関連法の完全施行もあり、金型メーカー各社も対応に苦慮している。特に人手不足への対応は、生産性の向上はもとより、女性の…
「CASE」による自動車業界の大変革は金型メーカーに大きな変化を迫ってきた。そして昨年から続くコロナ禍。リモート環境への対応やデジタルツールの活用など、変化せざるを得ない状況はさらに加速している。こうした混迷の時代に合…
インターネットなどのネットワークを経由してソフトを提供する「SaaS(サース)」。ファイル共有サービスやビジネスチャットツールなど、さまざまなソフトで普及が進む中、金型設計などで活用するシミュレーションソフトでもクラウド…
生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

