金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

27

新聞購読のお申込み

金型企業の代弁者として情報を発信
日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

 人材の不足や育成、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアード・エレクトリック)に代表される自動車産業の変化による影響、台頭する新興国など、日本の金型産業は様々な課題を抱えている。これらに対してどう立ち向かっていくか。新しく日本金型工業会の会長に就任した小出悟氏(小出製作所社長)に業界団体として取り組むべきことや今後の方向性などを聞いた。

組織として存在感高める

ー日本の金型産業が抱える最大の課題とは。
 時代が大きく変わろうとしている中で、その変化にどう対応するかが最大の課題だ。金型の需要の大半を占める自動車産業では電動化や自動化などによって100年に1度の変革期にあると言われ、既存の大手メーカーでも主導権をとれるとは限らない。新興メーカーの台頭によって今まで顧客だったところが変わる可能性も大いにあり得る。こうした変化を乗り越えるには、“チームジャパン”で世界と対峙しないといけない。

ーそのためには。
 金型メーカーはもっと量産を意識するべきではないか。金型を量産の道具と捉えると、ユーザーのことを考えなければ本当の意味で良い金型はつくれない。一方で、ユーザーも新しい素材や形状を量産するとなれば、それに対応した金型が不可欠。川下から川上産業までが一体となり、今まで以上に強い協力関係を結ぶことで、競争力の高いものづくりができると考えている。

ー人材も課題と言われている。
 やはり産業を維持、発展させていくには人が欠かせない。外部環境の変化に対応できても、人手不足によって産業が瓦解しかねない。当工業会としては、海外人材の活用事例の発信や、金型の広報用DVDを作成して学生や一般向けの広報活動を積極的に進めたい。

ー昨年は次世代のリーダーを育てるための「金型マスター認定制度」を立ち上げた。
 これからの時代、今までのように腕が良いだけで良い人材とは言えなくなっている。特に中核を担っていく人材にはマーケティングやマネジメントといった能力が求められるし、海外の商習慣なども把握しておかないといけない。「金型マスター認定制度」は、今後も継続的にアカデミーを開催し、まずは昨年認定した71人をグレードアップさせていく。そして来年には第2回の募集をするつもりだ。

ーそのほかに取り組みたいことは。
 地域の活動を重視したい。全国の集まりなので、今までの型種別の活動だけでは全ての会員が参加するには限界がある。すでに静岡の浜松部会や北陸部会、九州地区会などがあるので、今後は中国や四国地区などにも活動を広げたい。

ー業界団体として今後の方向性は。
 会員が満足する活動を進めるのはもちろんだが、それだけではなく日本の全ての金型メーカーの代弁者として情報を発信していく。それには会員増強が不可欠。当工業会の組織率は全国の金型メーカー6535社(2015年工業統計)に対して、会員数は407社(8月現在)とまだ5%強だ。これを20~30%に引き上げることで、国や政府に対しても存在感を高めていきたい。

金型新聞 平成30年(2018年)8月10日号

関連記事

マイクロヴェルト 技能問わずどこでも使える測定機【金型応援隊】

マイクロヴェルトは4月にもレーザー式の回転工具外径測定機「マイクロヴェルトナノ9」を発売する。設置環境や技術者のスキルを問わず、極めて短い時間で高精度に測定できる。 工具を独自のVブロックにセット。ボタンを押すと工具が回…

【この人に聞く】ハスキー統括部長・千葉紀久氏「ホットランナの市場拡大を」

ホットランナの市場拡大を  今年、日本法人設立30周年を迎えたハスキー(東京都町田市、042-788-1190)。プリフォーム射出成形システムの世界最大手でありながら、ホットランナメーカーとしての側面も持つ。日本では20…

テラスレーザー 業務 広報チーム・稲葉  えいさん
女性技術者の魅力を発信する

レーザー溶接・金型補修機器メーカーのテラスレーザー(静岡県駿河区)に入社したのは2年前。企業の販路開拓支援などに携わっていた前職時代、製造業とも多く関わる中で「世の中は製造業がなければ成立しないということを肌で感じ、自分…

真のグローバル企業に 圷祐治氏(ソディック社長)【この人に聞く】

売上高1,000億円目指す 今年3月、ソディックは、圷祐次副社長が代表取締役CEO社長執行役員に就く人事を発表した。欧米経験が長い圷社長は自身のミッションを「ソディックを真のグルーバル企業にすること」と明言する。売上高は…

顧客の成功考え、最適な提案 小林貞人氏(GFマシニングソリューションズ社長)【この人に聞く】

GFマシニングソリューションズ(横浜市神奈川区、045・450・1625)は今年8月、AM事業部長の小林貞人氏が社長に就任した。放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛ける同社は今後、日本の金型業界…

トピックス

関連サイト