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金型に大型化の波
車部品が軽量化<br>〜量産の技術革新が金型の進化を変える〜
金型の大型化が進んでいる。背景にあるのは自動車の軽量化ニーズの高まりだ。電気自動車(EV)の登場や環境規制などで、車を軽くするため、大型の部品をアルミや樹脂化する動きが増えている。プレスも超高張力鋼板の増加で順送型が大きくなる傾向もある。工程集約も理由の一つだ。異なる部品を1型で成形し、生産性の向上を図るためだ。一方で、大型金型は人の経験に依る部分も多く、大型を得意とする金型メーカーでは、解析を活用したり、自動化を進めたり、生産性を高める取り組みを進めている。

自動化、CAEで対応
「型締め力4000tクラスの要求も出始めている」と話すのは、大型のアルミダイカスト金型を手掛けるサンユー技研の梅本大輔社長。一部の自動車では、シャーシをアルミ化したり、EVなどでも大型のアルミ部品が増えたりしているためだ。こうしたクラスになると「対応できる大型の加工機が必要になる」。
樹脂でも大きな部品が増えている。大型の樹脂金型を手掛けるTMWの立松宏樹社長は「バックパネルなどに比べれば小さいが、フェンダーなどの一部の比較的大きな部品を樹脂化する動きも見られる」と話す。
プレス金型では部品を大きくすることは少ないようだが、順送プレス金型を手掛けるファベストの田島尚社長は「超ハイテン材は成形しづらいため、工程も増え、金型が大きくなっている」という。いずれのケースでも共通しているのは車を軽くしたいというニーズだ。ある自動車メーカー幹部は「EVの増加は読みづらいが、軽量化はどんな車でも必要。ハイテンはもとより、樹脂やアルミ化は進む」と話す。
工程集約も金型を大型化させる要因の一つだ。
競争力のカギに
田島社長は「1型で2つの部品をプレスしたいという要求もある」。プレス型の伊吹機械の伊吹宏一社長は「差別化する意味でも大型化、複雑化への対応は必要」という。
では大型金型は増えているのか。大型の定義は相対的で、統計でも明確にしづらい。ただ2017年と14年の機械統計を比べると、金型生産数量は14%減少しているのに対し、重量では8%増えている。型種や金型の構造によって異なるので、重い=大型とは言い切れないが、その傾向を示していると言える。
こうした状況のなか、大型を得意とする金型メーカーが取り組むのは、無人化や自動化、効率的な生産体制の強化だ。ファベストでは、解析やスキャナを活用し、鋳物加工を5日から24時間に短縮。サンユー技研の梅本社長は「設計でも人工知能(AI)活用し、無人化進める」と話す。
日本金型工業会で技術顧問を務める横田悦二郎氏は大型金型について「ひずみや温度変化など経験が必要な部分が多く、日本の金型メーカーの強みが発揮できる部分が多い」と話す。ただ、「設備投資の問題もあるので、供給を急に増やせるわけではない。増えているより需要が供給を上回っている状況ではないか」と分析。とはいえ、「世界中で大型金型の需要は強い。日本だけで市場を見るのではなく、グローバルな視野を持つこと必要だ」と指摘している。
金型新聞2019年02月10日号
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