マーポスは1952年にイタリアで設立され、70年に日本に進出。自動車部品の計測装置や研削盤の定寸装置を始め工作機械の制御・計測装置などを手掛ける。特に金型分野ではタッチプローブでの工具やワーク計測によって金型の高精度加…
スペシャリスト
超硬材料 共立合金製作所
自動車の電動化に商機
池田事業部長

「日本に残る分野に経営資源を投下していく」。そう話すのは「エバーロイ」ブランドで知られる、超硬材料メーカーの共立合金製作所の池田伸也超硬事業部長。同社が国内で伸びると判断するのは、①大型の超硬材料②それに伴う大型の加工技術③微細精密分野だ。超硬材料は、次世代自動車で増える部品が大型化しているためで、「手間のかかる面倒な微細精密分野」(池田事業部長)も日本に残るとみる。開発や投資もそれらの分野に集中し、昨秋には硬度と靭性を両立した新素材を発表。年末には大型ワイヤや微細放電加工機を相次いで導入し、4月には兵庫県丹波市の柏原工場の4期工事が完了するなど、供給能力も引き上げる計画だ。
大型化や微細・精密<br>日本に残る分野に力
同社は1938年に松本角造氏が合金メーカーとして創業し、戦中は海軍監督工場に指定されるなど順調に事業を拡大してきた。エポックとなったのは57年に開発したスプレーノズルだ。なかでも製鉄所などで使われる特殊な「デスケーリングノズル」でシェアを拡大した。高圧な噴射に耐えられるよう先端部に超硬合金が使われていたことから、超硬合金とノズルの開発に分けたのが今の事業の源流で、現在は加工事業を加えた3つが大きな柱だ。

大型の超硬材料開発を強化 
最近導入したピッチ精度1μm級の
ワイヤ放電加工機

複雑な加工に注力する 
精密分野では人の手による加工も欠かせない
90年代後半に半導体業界向けの金型で広く使われるようになった「KD20」は超硬材料での大きく飛躍する契機となった。「汎用性が高く、今でも材料事業の売上の多くを占める」(池田事業部長)ほど、ロングセラーとなっている。
そして現在注力するのは冒頭の日本に残る分野。その一つが自動車の電動化で増加する部品などで使われる大型の超硬材料の開発だ。象徴的な製品が昨年のJIMTOFで発表した耐食性に優れた「EWシリーズ」。耐食性はもちろん、高硬度と高靭性という相反する特性を両立させた。
大型化への対応については、12年に熊本工場に、大物用の設備投資を行い、これまでφ200㎜だったサイズを2倍となるφ400㎜での供給も可能にしている。
棒材でも大型化は進む。昨年は「ものづくり補助金」を取得し、これまで長さ1mだったものを、3mの超硬材料の供給も可能になったという。池田事業部長は「大型も強化していくが、鉄なのか、ステンレスなのか、被加工物に応じて、最適な組成の材料を提供できるのが強み」とし、今後も「顧客の被加工材にマッチングした材料を提供していく」方針だ。
加工事業でも材料同様、大型化にかじを切る。半製品での納入要望が増えているためだ。それには「ワイヤが不可欠」(池田事業部長)とし、昨年末にφ400㎜の加工ができ、ピッチ精度1μm級のソディックのワイヤ放電加工機「AL600P」を導入した。
加工でもう一つ力を入れるのが微細精密分野。池田事業部長は「加工事業では超硬にこだわらない。とにかく難しくて面倒なものを受注していく」と話す。平行度が1μmで、面粗度Ra0・1μmなどという小型の自動車関連の部品なども受注しており、精密加工に必要な設備も積極的に投資している。「10年前ではこうしたややこしい部品は断っていた」そうだが、「時間当たりの付加価値を上げ、収益を安定させるため」に積極的に受注する方向に切り替えた。それには同社の事業構造が大きく関係している。
超硬合金の主原料となるタングステンやコバルトの市況の波が大きく、収益が安定しづらい。例えば超硬材料の主原料となるタングステンの価格は過去3年で約2倍。バインダとして使われるコバルトも約2・5倍になった。「超硬材料事業ではこうした市況の乱高下の影響は避けられない。だから、それ以外のノズルと加工事業では安定的な利益確保が必要」。
今後について、池田事業部長は「自動車の電動化に関する大型部品は成長市場。加えて、大型化であろうが、微細精密加工であろうが、日本に残るのは付加価値の高い部分になる。そこに経営資源を投下していく」。
- 本 社:兵庫県西宮市今津山中町12‐16
- 代表者:藤原啓郎社長
- 従業員数:250人
- 主要設備(加工事業部のみ):精密ワイヤ放電加工機6台、立形マシニングセンタ2台、プロファイルグラインダー9台、円筒研削盤18台、形状測定機7台
- 事業内容:超硬工具の製造販売、スプレーノズルの製造販売など
金型新聞2019年02月10日号
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