金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

30

新聞購読のお申込み

ユーザーとの距離近づけ 高付加価値化を提案
岡本工作機械製作所 石井常路社長

 研削盤メーカーの岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027-385-5800)は今年5月、新たに3カ年の中期経営計画を発表した。新中期経営計画の達成に向けた基本戦略の一つとして「顧客付加価値強化」を挙げる。「今まで以上に顧客との距離を近づけ、付加価値の高い提案で困りごとを解決していきたい」と話す石井常路社長に今後の方向性や金型業界に対する考えなどを聞いた。

サービス体制の充実図る

 1956年生まれ、神奈川県出身。79年成蹊大学経済学部卒業後、岡本工作機械製作所入社。2003年オカモト・タイ社長、05年オカモト・タイ及びオカモト・シンガポール社長、14年岡本工作機械製作所社長、現在に至る。

基本戦略で掲げる「顧客付加価値強化」とは。

 近年、機械メーカーには機械単体でなく、システム全体での提案が求められている。最終工程を担う研削盤では以前からこういった傾向が強く、「このワークをこの精度、この時間で加工したい」という要望からシステム全体を取りまとめることが多かった。最近はさらにこうした案件が増えている。そうした中、「BtoBからBwithBへ」というスローガンを掲げ、顧客の視点からあらゆる取り組みを見直し、高い付加価値を提供していきたい。

具体的にどんなことに取り組むか。

 顧客の困りごとを解決できる提案に注力していく。最近はIoTや機上測定、ロボットといった技術によって、機械の稼働状態が監視できたり、自動で1μmの加工を追い込めたりと今までにない新しい提案が可能になっている。顧客の困りごとを聞き出し、人手不足の解消や生産性の向上といった課題に対して、適格に対応できる体制をつくっていく。

そのためには。

 こうした提案営業を展開していくためには、サービス体制の充実が欠かせない。そこでアフターサービスの強化に取り組む。まずは今まで製造部門の中にあったサポート部隊を独立させ、「カスタマーサービス本部」として立ち上げた。また、パーツセンターを充実させ、アフターパーツの即納体制を確立していく。付加価値の高い機械やシステムを販売するだけでなく、サービス面でも高付加価値化を追求し、顧客満足につなげていく。

海外展開はどうか。

 「グローバル戦線拡充」も基本戦略の一つに掲げている。現状の海外比率は約4割。今後さらに引き上げたいと考えている。国や地域ごとに適した機種の販売強化に加え、今まで日本のみだった超高精度機種などを海外でも展開していく。

 「ものづくり改革」も進める。特に技能伝承に取り組む。デジタル化を進めたり、熟練者の作業をビデオで撮影し技能教育に活用したり技能者の育成に注力する。将来的にはどこで作っても同じ品質の機械を提供できるようにしたい。

今後の金型業界をどうみるか。

 自動車の電動化や次世代通信規格「5G」などによって電子部品や半導体部品などの精密部品の需要が増えるとみている。そうなると金型には、繰り返し同じ部品を量産する強みを活かし、「より多くの部品」「より小さく」「より細かく」といったことが求められるはずだ。精密加工の領域で研削加工が貢献できる範囲は広い。金型メーカーと一緒になって取り組み、金型づくりをさらに発展させていきたい。

金型しんぶん 2019年12月10日

関連記事

不二精工 淡路島で新工場を稼働し、大型化対応や研究開発を強化【金型の底力】

同社は1920年の創業で、接点などの電子機器向けのプレス部品を強みに業容を拡大してきた。近年は、車載部品での採用も進んでおり、その精密な金型とプレス技術は世界中で認められている。 例えばスマートウォッチに搭載された気圧セ…

【新春特別インタビュー①】日本金型工業会会長・小出 悟氏(小出製作所社長)「旧態依然の手法通用せず、今こそ変わるべき時」

旧態依然の手法通用せず 今こそ変わるべき時 〜金型産業ビジョン〜  1955年静岡県生まれ。78年に工学院大学機械工学科を卒業後、名古屋の金型メーカー高橋精機工業所に入社し、金型づくりを学ぶ。81年にアルミダイカスト金型…

マーポス 切削、プレス加工の監視システム<br>金型分野で事業領域拡大

マーポス 切削、プレス加工の監視システム
金型分野で事業領域拡大

 マーポスは1952年にイタリアで設立され、70年に日本に進出。自動車部品の計測装置や研削盤の定寸装置を始め工作機械の制御・計測装置などを手掛ける。特に金型分野ではタッチプローブでの工具やワーク計測によって金型の高精度加…

「微細加工分野に注力」GFマシニングソリューションズ社長・ローラン・キャステラ氏

放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛けるスイス・GFマシニングソリューションズ。今年1月、日本法人(東京都品川区、03-5769-5010)の社長にローラン・キャステラ氏が就任した。今後、金型メ…

AMや真空炉など積極投資 北田博治氏(アッサブジャパン社長)【この人に聞く】

ウッデホルムやボーラーブランドで知られる特殊鋼メーカーのアッサブジャパン。昨年には、日本進出70周年を迎え、金属3Dプリンタ(AM)事業の強化や、真空炉を設備投資するなど積極的に事業展開を進めている。世界中で販売するグロ…

トピックス

関連サイト