4月に本学にある、地域連携スマート金型技術研究センター内に「次世代3次元積層技術研究会」を立ち上げました。活動は金属3Dに関連した研究会と勉強会ですが、岐阜大が目指すのは金属3D積層技術を生かした金型づくりを社会実装する…
新日本テック 産学連携でネットワーク構築し、金型の課題解決【金型の底力】
超精密金型部品や機能性金型部品、金型製作(プレス・モールド)を手掛ける新日本テックは設備や配管内に溜まった水垢(スケール)を除去する金型用水あか防止洗浄液を開発した。射出成形金型の温調水を流す配管のスケール除去などに有効だ。同社はモノづくりの現場や金型に関連する課題を解決することをテーマに、新製品の開発や産学連携でネットワークを構築し、技術向上や人材育成など新たな可能性を追求している。

「これからはモノづくりの課題解決を目指さなければならない時代だ」と和泉康夫社長は語る。1953年にスライドファスナーメーカーとして創業し、ドイツ製プロファイル研削盤を導入するなど超硬合金の精密加工に取り組んできた。現在、平面研削盤など1級国家技能士が13人在籍し、精度2μm保証の超精密金型部品を柱に、独自のPCD(焼結ダイヤモンド)砥石による鏡面研削加工など他社では出来ない加工技術を強化するほか、現場の課題を解決する機能性金型部品(商標登録)の開発に力を入れる。
機能性金型部品とは現場の課題解決を図る製品の総称。代表例が超硬合金に比べ、50倍の長寿命を持つ『ダイヤモンド金型部品』、プレス加工の課題であるかす上がりを防止する『かす上がり防止レーザ加工(特許取得、ものづくり日本大賞受賞)』や射出成形時の糸引きを防ぐ『遮熱ハット(特許取得)』。かす上がり防止レーザ加工は金型ダイの切れ刃にレーザ加工で凹凸を付けることで、通気構や抜きかすを保持する機能を設け、かす上がりの発生率を大幅に軽減。遮熱ハットは成形ノズルと金型のスプルーブッシュとの間に挟みこみ、金型に伝わる熱を低減するなど、ユーザーのメンテナンス工数削減や不良率低減に貢献。和泉社長は「誰もが苦労し、対処療法的に解決していることを根本的な解決に導くのが課題解決型企業」とし、技術提案力を持つことで新規開拓につなげている。

「金型は技術開発の基礎」と和泉社長は説く。「なぜ、金型をやるのか、それは次のモノづくりの課題が見えてくるから」とし、技術開発を行う上で5現主義に基づき考察。「本来あるべき姿を追求する。厳しい公差や焼入れはなぜ必要か、生産性の向上が必要な時代に金型はどうあるべきか」と自問し、ユーザーのユーザーまで視野を広げ、見えないシーズを掘り起こす。その課題が自社技術で難しいなら、他の企業や大学、公設試験研究機関と連携し解決策を模索。2010年には大阪ケイネスを設立し、他の製造業と人材育成や技術開発で連携。「イノベーションとは深掘と探索。連携で知らないニーズや解決案を得ることができる。友達の友達など多様な力を集めれば、持続可能な成長につながる」。

こうした技術開発や産学連携も社内風土作りがなければ難しい。そこで30年前から社内の情報発信として新聞『TECニュース』を発刊し、会社の歴史や社員ブログ、技術用語集を掲載(WEB公開も)。専門用語が多いため、用語を解説し、誰でも理解できるように工夫。「言葉を分かりやすく、明確にすることは物事を伝える上で重要。新聞はコミュニケーションツールになる。これからも社員全員で挑戦を楽しみ、顧客に喜んでもらえる会社を目指す」。

会社の自己評価シート

顧客の課題解決につながる製品を開発する同社は「技術力」、「チーム力」、「設備力」などに高い評価。変化の激しい時代の中で、新たな設備投資も計画し、「変化に対応する力」、「未来に投資する力」も高い。次は発信力を高めたいと一手を検討。
会社概要
- 本社: 大阪市鶴見区浜2-2-81
- 電話: 06・6911・1183
- 代表者:和泉康夫社長
- 創業: 1953年
- 従業員: 73人
- 事業内容: 超精密金型部品、機能性金型部品、金型製作、自動機など。
金型新聞 2023年4月10日
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