金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

07

新聞購読のお申込み

新型コロナ
受注、生産への対策は

 コロナウイルスによる影響が広がる中で、金型メーカーはどう考え、どのような対策をとっているのか。新規開拓、他分野に進出、資金確保、働き方の見直しなど様々な手を打ち始めている。受注、生産面でそれぞれの対策と、今回のコロナ禍を機に、将来取り組むことについて聞いた。

資金確保や営業強化

 受注減への対策について、「新規開拓に注力する」という回答が多かった。「部品など他分野での受注を増やす」、「日用品や医療向けなどの受注を強化」と、新たな需要を開拓し受注減を補おうとする姿勢が見える。

 しかし「ユーザーへの訪問自体ままならない」(関東のプラスチック型メーカー)という声も多く、営業をしたくても「できない」状況も。このため新規や新型ではなく「補修事業を強化する」という企業もあった。

 収束が見えない中、資金繰り対策を急ぐ動きも目立つ。「雇用調整助成金の利用を検討する」、「無担保融資の利用」、「運転資金の積み増し」など、すでに長期化を見越した対策を立て始めている。

 生産活動への対策については、社内外で「テレビ電話などを使い情報共有や営業をする」とした意見が最も多い。一方、「製造現場では現実にテレワークは厳しい」という声も。また、「ユーザーがリモートワークへの対応が未整備でなかなか進まない」と製造業全体での対応が必要と指摘とする意見もあった。

 ユーザーへの訪問制限などで「金型製作が停滞している」ことに対しては「重要な打ち合わせだけは許可をもらっている」と例外的な対応を依頼していることが多い。

働き方や構造改革進める

 今回を機に将来取り組むべきことについては「無駄を洗い出し働き方改革に注力する」という意見が圧倒的。「ITツールを使った業務改革」や「サプライチェーン全体を見直す」など幅広い。

 また、自動車メーカーの操業停止などで、「半年後の受注減が必至」(関西のプラスチック型メーカー)、「いつまで続くか見えないが、長引けば廃業や倒産が増える」(関東のプレスメーカー)と長期化を不安視する声が多い。 このため「受注量の減少で価格競争が厳しくなる。全社挙げて改善活動に取り組む」や「内製比率を高める」など、多くの企業が構造的な改革を進める考えだ。

金型新聞 2020年4月10日

関連記事

2022年の鍛圧機械受注見通し 3840億円に上方修正

日本鍛圧機械工業会(北野司会長、アイダエンジニアリング常務)はこのほど、2022年の鍛圧機械受注額が前年比15.8%増の3840億円になると発表した。当初予想から440億円上方修正した。国内外ともにEV(電気自動車)関連…

2023年10月金型生産実績 前年同月比2.0%増の278億円

プレス用金型は7.4%増、 プラ用金型は9.7%減 2023年10月の金型生産は、前年同月比2.0%増の278億円と9カ月ぶりに前年を上回った。前月比では13.3%の増。数量は前年同月比2.8%減、前月比では18.4%の…

金型に押し寄せるCASE

 100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化…

9月の金型生産実績

9月の金型生産実績

前年同月比 0.4%減の345億3,500万円 プレス型は4.4%増、プラ型は6.3%減 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年9月の金型生産実績をまとめた。それによる…

2021年の金型生産額 20年比3.9%減の3443億7900万円

鍛造やダイカストは回復 経済産業省が発表した機械統計によると、2021年の金型生産額は3.9%減の3443億7900万円だった。4年連続で前年を下回った。 8型種のうち鍛造型やダイカスト型などの3型種で回復したが、プレス…

トピックス

関連サイト