金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

17

新聞購読のお申込み

この人に聞く
沖電線 電極線事業部 吉本雅一事業部長

 1992年室蘭工業大学卒業後、沖電線入社。2006年電極線事業部技術課課長、18年電極線事業部長、現在に至る。

 沖電線(川崎市中原区、044-766-3171)は今年5月、ワイヤ放電加工機用電極線製品を全面リニューアルした。電極線全製品の真円度を現行品の4分の1に抑え、高品質化。パッケージも一新した。電極線製品をリニューアルするのは1976年に発売開始して以来、初めて。「全製品を高品質化することで、放電加工の品質向上に貢献したい」と話す電極線事業部の吉本雅一事業部長に高品質化の理由や今後の展開などを聞いた。

電極線をリニューアル

 76年の販売開始以来、初めて電極線製品をリニューアルした。

 電極線全製品の真円度を現行品の4分の1の0・25μmまで抑え、高品質化を実現した。生産ラインを改良し、ロットごとのばらつきを抑える製造技術を確立したことで可能になった。また、ボビンの透明化や、ボビン巻き始めのワイヤ端末の固定をテープレス化するなど、使いやすさを追求し改良した。

 全製品を高品質化したことによって、製品価格も上がるのでは。

 価格は据え置きだ。確かに高品質化に伴い、設備投資や、より高度な品質管理が必要になり、コストアップしている部分もある。ただ、製造現場の努力によってコストダウンを図り、据え置き価格での提供を可能にした。全製品を高品質化することで、全てのユーザーの放電加工品質の向上に貢献したいと考えている。

ばらつき抑え、高品質化

 電極線のばらつきが低くなると、どんなメリットがあるか。

 放電加工面に生じる“スジ”が低減し加工面品質が向上する。今までは放電加工機の電源制御を調節し加工面品質を改善していたが、高品質な電極線に置き換えることによっても加工面品質の向上が期待できる。

 また、加工面品質が向上することで、放電加工後に行う磨き工程の短縮にもつながる。ある事例では、3μmだった研磨代が1~2μmまで削減できた。工程全体のコスト削減や加工時間短縮のほか、磨き工程が少なくなることで品質の安定化も図ることができる。

 どのように拡販していくか。

 当社の強みは、ユーザーの要求に対して柔軟に対応できる“サービス重視”の営業体制と考えている。放電加工に精通したセールスエンジニアと営業担当者を同行させて、ユーザーに合わせた商品説明や提案を行っていく。

 今後、放電加工はどう進化していくか。

 “速度”か“精度”を追い求めていくだろう。特に日本の金型メーカーでは、“精度”への要求が高まっている。当社としてもさらに精度アップを続け、常に進化した製品を提供していくつもりだ。今後は、面品質に加え、面粗さや寸法精度を向上させていく取り組みを進めていく。また、“速度”でいえば、当社には高速加工用ワイヤ「OS‐UZワイヤ」がある。こうした製品でも放電加工の進化に貢献したい。

 電極線事業部の今後の方向性は。

 このリニューアルにより、「OKI=高品質」というイメージを浸透させていく。精度面で業界ナンバー1を目指しシェアアップにつなげたい。2020年度には電極線事業部の売上高を30億円まで引き上げていく。

金型新聞 2020年5月14日

関連記事

電動車で変わるプレス機械のニーズ 高精度、大型化が加速する[プレス加工技術最前線]

高張力鋼板(ハイテン材)の増加や、自動車の電動化で必要となるプレス部品の精密化などにより、プレス金型は高度化している。金型はプレス機の精度や剛性に倣ってしまうため、これまで以上に金型とプレス機の両方の知見が重要になってい…

アイユーキ技研 独自の型開き制御装置を開発

アイユーキ技研は金型のロック、アンロック動作を安定して確実に行えるよう、機械式のプラスチック金型用の型開き制御装置を自社開発した。 従来のアンロック動作はスプリングに頼っており、スプリングが戻らずに爪部分が引っ掛かり、ア…

KMC 社長 佐藤 声喜氏
〜鳥瞰蟻瞰〜

IOTの狙いはスピード 現場の正しい情報捉え、瞬時に改善することが重要  金型メーカーが今より儲けるためには、受注を増やすか、製造原価を下げるかの2つ。では、どうやってそれを実現するか。私は「スピード」だと考えています。…

鈴木工業 デジタル技術を駆使し、スピード追求した金型づくり【金型の底力】

自動車用プレス金型を手掛ける鈴木工業は、スピードを追求した金型づくりを進める。これまでにシミュレーションソフトなどのデジタルツールを導入したほか、金型部品の分散加工などに取り組み、金型製作のスピードを向上させてきた。足元…

イワタツール トグロンハードドリルの挑戦<br>焼入れ鋼に穴があく

イワタツール トグロンハードドリルの挑戦
焼入れ鋼に穴があく

金型製作工程を短縮 設備強化で需要に対応  イワタツール(名古屋市守山区、岩田昌尚社長)が2010年に発売したトグロンハードドリルは焼入れ鋼用穴加工ドリルとして、ここ数年需要が急増し供給が追いついていない状況だ。同社の岩…

トピックス

関連サイト