金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

27

新聞購読のお申込み

情報はウェブで集める時代
JIMTOF/IPFがウェブ開催

 パソコン、スマホ、タブレット。これらのツールは、いまや我々の生活に欠かせないものとなった。ニュースやSNSのチェックはもちろん、取引先の企業情報や現場の困りごとの解決方法といった金型現場で必要な調べごとにもウェブを活用する金型メーカーは多いはず。新型コロナウイルスの感染拡大によって、あらゆるイベントが中止や延期となる中、最先端の機械や工具が集う展示会も開催の場をウェブに移した。あらゆる情報をウェブで集める時代。上手く活用し、次の一手につなげたい。

 2年に一度、東京ビッグサイトで開催される国内最大の工作機械見本市「JIMTOF(日本国際工作機械見本市)」。毎回、最新鋭の工作機械や周辺機器などが集結し、金型関連技術も多く披露されるため、金型業界でも注目度は高い。今年は12月に開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で、中止となっていた。

JIMTOF2020  Onlineチャット画面

 しかし、新製品発表の場や商談の機会を望むメーカーやユーザーのニーズに応え、史上初めてウェブで開催する。特設サイト「JIMTOF2020 Online」を開設し、11月16日から27日まで開く。機械や周辺機器メーカー各社が個別のページで最新製品・技術を紹介するほか、会期中はオンラインセミナーも開催される。チャット機能なども備え、よりリアル展に近い商談も行うことができる。

 また、同時期にはプラスチックとゴムの専門展「IPF(国際プラスチックフェア)」もウェブで開催される。11月18日~20日の3日間で開らかれ、素材や成形機、金型などの最新製品・技術が披露される予定だ。

 こうした主要展示会の動きを受けて、機械や工具メーカー各社も自社で独自のウェブ展示会を開催する動きが広がっている。

 DMG森精機は、「JIMTOF2020 Online」と同時期にデジタルツインショールームを活用した「DMG MORIオンラインテクノロジーデイズ」を開催。新機種など85台30システムを展示し、「5軸化・複合化/自動化/デジタル化」をテーマにしたオンラインセミナーも開く。

DMG森精機が開催するウェブ展示会

 牧野フライス製作所も独自のウェブ展示会「MAKINO MEET NEXT 2020」を開催する。同社はコロナ以前からデジタルマーケティングを強化しており、ユーザーによりいち早く最新の情報を届けることを目的として、オンラインセミナーの開催などに力を入れている。

 切削工具メーカーでは、今春に三菱日立ツールから社名変更したMOLDINO(モルディノ)が「MOLDINO WEB EXPO」を開催。金型に特化した最新加工技術や事例を動画や資料を通じて紹介する。

 こうしたウェブ展示会に金型メーカーでも期待する声は多い。日本金型工業会の小出悟会長(小出製作所社長)は「時間や場所の制約がないのは大きな利点。目的意識を持って見れば良い情報が集められる」と話す。また、同工業会技術委員長の平林巧造氏(サイベックコーポレーション社長)は「ウェブの難しさもあるが、上手く活用できれば、今後浸透していき、ウェブ開催が当たり前になる可能性もある」とみる。

 現物が見られたり、濃密な情報交換ができたり、リアル展にしかない魅力があるのも確かだ。しかし、ウェブ展示会というこれまでにない新しいものが登場したことで、より効率的に情報収集できる可能性も広がった。金型メーカー各社には、この新時代に上手く順応し、次の一手に向けた活動が求められる。

金型新聞 2020年11月10日

関連記事

自社展で新製品や実演加工を披露
エヌティーツール

 ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は11月、同社初となるプライベートショー2020を開き、ユーザーに新製品やホルダを活用した実演加工を披露したほか、協賛メーカーと共に、工作機…

インターモールド2022大阪 総集編

次代の金型加工支える最新技術一堂に 次世代自動車の台頭や、カーボンニュートラルへの対応など、金型業界を取り巻く変化は加速度を増している。そんな状況下で、4年ぶりに大阪で開催された「インターモールド2022」。こうした変化…

金型づくりの課題解決<br>−ヴァーチャル技術提案−

金型づくりの課題解決
−ヴァーチャル技術提案−

 金型メーカーの競争力強化に向けた積極姿勢は衰えることがない。今、新コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、インターモールドをはじめ様々な展示会・イベントが中止されているが、一方で、自動車の電動化や5G、IoT、働き方改革…

MECT2023開催 DX、自動化などの最新技術が集結

今年国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン2023(MECT2023)」が10月18〜21日の4日間、ポートメッセ名古屋(名古屋市港区)で開かれる。出展者数、開催規模ともに過去最高となる492社・団体が210…

MF ‐ TOKYO 出展者募集開始

日本鍛圧機械工業会が来年7月開催 日本鍛圧機械工業会(北野司会長、アイダエンジニアリング常務)は、7月1日から「MF-TOKYO2023第7 回プレス・板金・フォーミング展」の出展募集を開始した。日刊工業新聞社と共催。2…

関連サイト