金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

08

新聞購読のお申込み

デジタルとアナログ融合し、型づくりの構想力鍛える 八光技研【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

技術者育成、生産性向上に貢献

開発試作プレス部品の金型、プレス、レーザー加工まで一貫して手掛ける八光技研。アナログとデジタルを融合させる解析ソフトの活用術で、育成や大幅な生産性向上に役立てている。

同社はレーザー加工技術者だった安井けんじ社長が「プレスや金型も知り、他社にできない加工がしたい」との想いから2007年、26歳の若さで創業。その念願通り、現在はZAS材による試作金型の製作に加え、1500tプレス機を所有し、1・47Gpaのウルトラハイテンの部品を受注するまで成長した。

粘土と紙で実際の動きを確認

同社が初めてJSOLのプレス解析ソフト「JSTAMP」を導入したのは15年。きっかけは「教育のため」だった。安井社長は自ら「『プレスバカ』になりたい」と話すほど金型やプレスの構造を突き詰めたいタイプ。ただ、社長が描く型構想や頭の中は可視化しづらく、「教えても理解されないことが多かった」(安井社長)。解析を導入することで、しわの発生原因などを数字で説明するために導入した。合わせて、コンピュータにも積極投資。コア数を増やし、並列での計算速度は早めるほか、解析ノウハウの蓄積を進めている。

その成果は大きく、論理的に伝えられるようになり、技術者の能力も向上。型構想時間の短縮や削り残しがゼロになったことで、従来比で6割程度生産性が向上した。

近年はハイテン材が中心(1500tのプレス機)

また、同社の解析の活用方法はアナログ(現物)とデジタルの融合が特長で、決して画面上だけで終わらせない。ポンチ絵を書き、粘土で構造物を作り、紙を押し当て、どんなしわや割れが発生するかを確認する(写真)。 

画面だけだと「(金型から製品を見通す)構想設計力が育たない」ためだ。解析依存が高くなりがちだった時には「禁止令」も出したほど。そうするのは「ソフトや機械を使う単なるオペレーターではなく、本当の技術者になってほしい」からだ。

すでにプレスや金型、レーザー加工まで対応できるが、足元ではスポット溶接のロボットを導入し、組み立てにも挑んでいる。安井社長は「もっと色んなことに挑戦し、他社にできないことをしたい」と創業時と変わらず、モノづくりへの意欲は尽きない。

会社概要

  • 本社:滋賀県東近江市川合町1
  • 電話:0748・55・3181
  • 代表者:安井けんじ社長
  • 従業員数:12人
  • 事業内容:試作金型、プレス加工、レーザー加工および各種鈑金

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

寿原テクノス ガス抜きや冷却技術開発【特集:ダイカスト最前線】

エンジンやステアリング部品など鋳造800~1250tクラス(最大2500tまで)を得意とするダイカスト金型メーカーの寿原テクノスはダイカストの課題を解決する新たな金型技術を次々に発表し、ダイカスト製品の高品質化やサイクル…

新栄ホールディングス 金型、プレス加工メーカーをグループ化【特集:連携・M&Aで乗り越える】

金型、プレス加工メーカー3社を傘下に置く新栄ホールディングス(東京都中央区、中村新一社長)。金属プレス加工メーカーの新栄工業(千葉市花見川区)がM&A(合併・買収)で取得したアポロ工業(埼玉県吉川市)と飯能精密工…

ルアーのプラスチックモデル作った金型メーカー社長【ひと】

マツキ 社長 鈴木 崇嗣さん(41) 昨年、初の自社商品としてルアーのプラスチックモデル「ルアープラモ」を発売した。クラウドファンディングサイトで目標金額の500%超を達成し、現在は全国のホビーショップや釣具店などで販売…

【金型の底力】日本精機 金属3Dプリンタの技術や知見を蓄積

ダイカスト金型メーカーの日本精機は金属3Dプリンタを活用した金型づくりに本格的に乗り出す。7月に金属3Dプリンタ2台を導入した。きっかけはSKD61相当材で造形が可能になり、金型への適用領域の可能性が広がってきたこと。ま…

進化する技能伝承【特集:技能伝承最前線】

金型メーカーやプレス部品メーカーがデジタル技術や暗黙知の定量化による技能伝承にチャレンジしている。MR(複合現実)によるマニュアルで新人が経験者並みの作業をできたり、トライ結果を蓄積し改善方法を導きやすくしたり。熟練技能…

トピックス

関連サイト