金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

10

新聞購読のお申込み

デジタルとアナログ融合し、型づくりの構想力鍛える 八光技研【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

技術者育成、生産性向上に貢献

開発試作プレス部品の金型、プレス、レーザー加工まで一貫して手掛ける八光技研。アナログとデジタルを融合させる解析ソフトの活用術で、育成や大幅な生産性向上に役立てている。

同社はレーザー加工技術者だった安井けんじ社長が「プレスや金型も知り、他社にできない加工がしたい」との想いから2007年、26歳の若さで創業。その念願通り、現在はZAS材による試作金型の製作に加え、1500tプレス機を所有し、1・47Gpaのウルトラハイテンの部品を受注するまで成長した。

粘土と紙で実際の動きを確認

同社が初めてJSOLのプレス解析ソフト「JSTAMP」を導入したのは15年。きっかけは「教育のため」だった。安井社長は自ら「『プレスバカ』になりたい」と話すほど金型やプレスの構造を突き詰めたいタイプ。ただ、社長が描く型構想や頭の中は可視化しづらく、「教えても理解されないことが多かった」(安井社長)。解析を導入することで、しわの発生原因などを数字で説明するために導入した。合わせて、コンピュータにも積極投資。コア数を増やし、並列での計算速度は早めるほか、解析ノウハウの蓄積を進めている。

その成果は大きく、論理的に伝えられるようになり、技術者の能力も向上。型構想時間の短縮や削り残しがゼロになったことで、従来比で6割程度生産性が向上した。

近年はハイテン材が中心(1500tのプレス機)

また、同社の解析の活用方法はアナログ(現物)とデジタルの融合が特長で、決して画面上だけで終わらせない。ポンチ絵を書き、粘土で構造物を作り、紙を押し当て、どんなしわや割れが発生するかを確認する(写真)。 

画面だけだと「(金型から製品を見通す)構想設計力が育たない」ためだ。解析依存が高くなりがちだった時には「禁止令」も出したほど。そうするのは「ソフトや機械を使う単なるオペレーターではなく、本当の技術者になってほしい」からだ。

すでにプレスや金型、レーザー加工まで対応できるが、足元ではスポット溶接のロボットを導入し、組み立てにも挑んでいる。安井社長は「もっと色んなことに挑戦し、他社にできないことをしたい」と創業時と変わらず、モノづくりへの意欲は尽きない。

会社概要

  • 本社:滋賀県東近江市川合町1
  • 電話:0748・55・3181
  • 代表者:安井けんじ社長
  • 従業員数:12人
  • 事業内容:試作金型、プレス加工、レーザー加工および各種鈑金

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

不二精工 淡路島で新工場を稼働し、大型化対応や研究開発を強化【金型の底力】

同社は1920年の創業で、接点などの電子機器向けのプレス部品を強みに業容を拡大してきた。近年は、車載部品での採用も進んでおり、その精密な金型とプレス技術は世界中で認められている。 例えばスマートウォッチに搭載された気圧セ…

【金型応援隊】日本精密機械工作 プロに喜ばれるツールを

「徹底したプロ志向を目指した」と語るのは、日本精密機械工作の伊藤俊介社長。このほどハンドグラインダー、「リューターフレックス極 LF‐300」を発売した。 「LF‐300」は、同社の過去の人気商品「リューターフレックス」…

【検証】変わる金型基金 新たな船出5<br>次世代への投資を

【検証】変わる金型基金 新たな船出5
次世代への投資を

 前号では、日本金型工業厚生年金基金の制度移行に伴い、年金を退職金化することで得られるメリットなどを紹介した。では、そうした場合に加入者にはどの程度の負担や効果があるのか。より分かりやすく解説するために、モデルケースをも…

【特集:技能レス5大テーマ】1.加工プログラムの効率化

AIで自動作成 金型の加工プログラム作成は、熟練技能者の経験や知識に依存するケースが多い。金型づくりにおける長年の経験に基づくノウハウが必要とされる。しかしそれをAI(人工知能)で効率化し、経験の浅い技術者が経験者並みの…

現場の思いを尊重<br>天青会 野口 賢太郎 会長

現場の思いを尊重
天青会 野口 賢太郎 会長

企業見学会に注力  日本金型工業会東部支部の若手経営者らが集まる天青会の会長に今年5月、就任した。現場至上主義を自身のテーマとして掲げ、「今年は、工場見学会など現場に足を運ぶということをメインに活動していきたい」と意気込…

トピックス

関連サイト