金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

19

新聞購読のお申込み

デジタルとアナログ融合し、型づくりの構想力鍛える 八光技研【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

技術者育成、生産性向上に貢献

開発試作プレス部品の金型、プレス、レーザー加工まで一貫して手掛ける八光技研。アナログとデジタルを融合させる解析ソフトの活用術で、育成や大幅な生産性向上に役立てている。

同社はレーザー加工技術者だった安井けんじ社長が「プレスや金型も知り、他社にできない加工がしたい」との想いから2007年、26歳の若さで創業。その念願通り、現在はZAS材による試作金型の製作に加え、1500tプレス機を所有し、1・47Gpaのウルトラハイテンの部品を受注するまで成長した。

粘土と紙で実際の動きを確認

同社が初めてJSOLのプレス解析ソフト「JSTAMP」を導入したのは15年。きっかけは「教育のため」だった。安井社長は自ら「『プレスバカ』になりたい」と話すほど金型やプレスの構造を突き詰めたいタイプ。ただ、社長が描く型構想や頭の中は可視化しづらく、「教えても理解されないことが多かった」(安井社長)。解析を導入することで、しわの発生原因などを数字で説明するために導入した。合わせて、コンピュータにも積極投資。コア数を増やし、並列での計算速度は早めるほか、解析ノウハウの蓄積を進めている。

その成果は大きく、論理的に伝えられるようになり、技術者の能力も向上。型構想時間の短縮や削り残しがゼロになったことで、従来比で6割程度生産性が向上した。

近年はハイテン材が中心(1500tのプレス機)

また、同社の解析の活用方法はアナログ(現物)とデジタルの融合が特長で、決して画面上だけで終わらせない。ポンチ絵を書き、粘土で構造物を作り、紙を押し当て、どんなしわや割れが発生するかを確認する(写真)。 

画面だけだと「(金型から製品を見通す)構想設計力が育たない」ためだ。解析依存が高くなりがちだった時には「禁止令」も出したほど。そうするのは「ソフトや機械を使う単なるオペレーターではなく、本当の技術者になってほしい」からだ。

すでにプレスや金型、レーザー加工まで対応できるが、足元ではスポット溶接のロボットを導入し、組み立てにも挑んでいる。安井社長は「もっと色んなことに挑戦し、他社にできないことをしたい」と創業時と変わらず、モノづくりへの意欲は尽きない。

会社概要

  • 本社:滋賀県東近江市川合町1
  • 電話:0748・55・3181
  • 代表者:安井けんじ社長
  • 従業員数:12人
  • 事業内容:試作金型、プレス加工、レーザー加工および各種鈑金

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

「世界のオギハラ」再建<br>-長谷川 和夫社長に聞くー

「世界のオギハラ」再建
-長谷川 和夫社長に聞くー

米に工場、生産力強化  自動車ボディ向けプレス金型を手掛けるオギハラの社長が今年1月に交代した。新社長はアメリカ現地法人副社長の長谷川和夫氏。製造部門を経験し、長く海外畑を歩み、海外自動車メーカーの金型調達や開発にも携わ…

三洋技研 ワンチャックで穴と形状加工【特集:尖った技術を使いこなせ】

工程集約で短納期化 自動車や家電、住宅設備向け精密プラスチック金型を手掛ける三洋技研(名古屋市西区)は1987年に設立し、顧客の開発案件から金型設計・製作、トライ(30~150t)までの体制を確立。熱可塑性樹脂から熱硬化…

松村 浩史さん 鋳造技術で自動車づくり支える【ひと】

今春の勲章で旭日単光章を受章した。世界中で安定して内燃機関向けの金型やダイカスト部品を供給し、自動車産業を支えてきたことなどが認められた。 松村精型への入社は1978年。当時では珍しいCAD/CAMの導入や解析ソフトの開…

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く<br>世界で認知されるブランドに

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く
世界で認知されるブランドに

生産効率向上し、需要増に対応  耐摩耗工具メーカーとして国内トップシェアを誇る冨士ダイス。超硬合金製のダイスやロール、製缶用金型、ガラスレンズ成形用金型など耐摩耗工具に特化した事業を展開し、来年には創業70年を迎える。「…

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に 製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷…

トピックス

関連サイト