ヘラ棒と呼ばれる工具を回転する金属の板に押しあてて、滑らかな曲面や艶やかな平面に加工するヘラ絞り。品質の良い製品をつくるには、ヘラ棒を操る卓越した技術もさることながら、匠の技を受け止めることができる金型が必要だ。ヘラ絞り…
大野 和夫さん 金型作りは好きでないと続かない【ひと】

「金型作りは上手くいかないことがある。そんな時は、トイレの個室で考える。そうすると良いアイデアが浮かぶ瞬間が訪れる」と、アイデアが浮かぶ時や場所を見つけるのも技術者の役目と話す大野和夫さん(68歳)。金型製作歴40年以上の大ベテランだ。その功績が認められ、『現代の名工』と『黄綬褒章』を受賞し、現在は若手の育成に励む。
これまで製作した型数は8000型で、同社の強みである自社開発のロボットプレスライン構築にも関わり、ロボット工程や順送金型など数多くの難問な金型を製作した。「一番難しかったのは自動車部品のOCV(オイルコントロールバルヴ)用ヨーク。板厚0・6㎜で絞りも深く、順送型で絞り、後工程のロボット工程で形状にするなど複雑だった」と振り返る。
難解な金型を依頼された場合は「出来ないとは言えないので当時の久野会長へヒントをもらいに行っていた」と回想する。「金型の成功と失敗の別れ道はやり切れるかどうか。失敗もあるが、どうしたら出来るのかと考え続けること。その繰り返しだ」と説く。
そんな大野さんも若手の育成は難しいと頭を抱える。「金型作りは好きでないと続かないが、その分、難問な金型が出来た時の達成感、仕事の面白さ、やりがいがある。未来を担う若い金型技術者にも体感してもらいたい」と笑顔を見せた。
金型新聞 2023年7月10日
関連記事
パンチ工業(東京都品川区、03・6893・8007)は今年、2025年3月期までの中期経営計画を発表し、最重点施策として「国内事業の再整備」を掲げた。販売拠点の統廃合や、連結子会社の解散などによる経営合理化を図り、特注品…
プレス金型やウレタン発泡成形金型を手掛ける黒田機型製作所は今年4月、事業再構築補助金を活用し、金属3Dプリンタを導入した。高い冷却効果が求められるバイオ樹脂向けの金型開発に着手する。主力の自動車業界に加え、新たな事業の柱…
「六角パンチやピンの研削加工では多少寸法のズレが発生するため、補正するのが常ですが、狙い通りに寸法がハマッた瞬間はヨシッとガッツポーズします」と笑顔を見せるのは堀江亜衣奈さん(22)。精密鍛造金型や部品を手掛ける阪村エン…
マイクロヴェルトは4月にもレーザー式の回転工具外径測定機「マイクロヴェルトナノ9」を発売する。設置環境や技術者のスキルを問わず、極めて短い時間で高精度に測定できる。 工具を独自のVブロックにセット。ボタンを押すと工具が回…
