金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

18

新聞購読のお申込み

三光化成 エアと水のハイブリッド冷却【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

ラティス構造を採用し、材料費と造形時間を削減

自動車関連を中心に6000品目を超える樹脂成形部品を生産する三光化成。ソディックの金属3Dプリンタ「OPM350L」を活用し、水とエアを冷却媒体として活用する「ハイブリッドコンフォーマル冷却」や、金型にラティス構造を採用するなど新たな金型作りを進めている。

プリンタの導入後5年の知見を経て、現在製作するハイブリッドコンフォーマル冷却は設計の工夫や金属3Dプリンタならではの構造を盛り込んだ。まず入れ子部には冷却媒体として水を流す水管を配置した。

一方、「スライドコアにも熱がこもるが、レイアウト次第でスライドコアに冷却回路を配置する事自体が困難となる。エア冷却でも効果があるのではないか」(金型工場の橋本寿工場長)と考え、4分割したスライドコア部にはエア冷却を配置した。

エアと水の冷却を設けたハイブリッドコンフォーマル冷却金型とモックアップ

金型の一部にはラティス(格子状)構造を採用しているのも大きな特長だ。狙いは、高密度に材料を積層しないラティス構造による「高価な材料費の削減」と「造形時間の短縮」だ。「金型の強度さえ担保できるなら、内部が空洞だっていい」と割り切り、ラティス構造を採用。同じ理由で、ラティス部以外にも空洞を多く設けた結果「かなりの造形時間と材料が削減できた」という。

また、「保温効果」という副次的なメリットも生んだ。ラティス構造は造形部の表面積が大きくなるため、「『空気の壁』のような役割を果たし、余分な熱の伝達を防げている」。さらに、縦横斜めに造形するので、宙に浮く部分を造形するオーバーハング対策にもなっているという。

金型の一部にはラティス(格子状)構造を設けた(モックアップ)

こうして製作した金型の冷却効果は非常に高い。従来10ショット程度で132℃まで上昇していた型温が、約85℃で安定。また、金型のダウンサイジングにも成功した。従来の金型では、スライドコアに冷却回路を配置すると、入れ子同士の距離が必要となるため「2個取りが限界だった」。しかし、今回の金型では「4個取りが可能なうえ、金型サイズも相対的に小さくできる」と話す。 

金属3Dプリンタを積極的に活用する三光化成。だがこれで終わりではない。現在も「新たな構造を持った金型部品の製作に挑戦している」という。

自らの経験を踏まえ、橋本工場長は金属3Dプリンタでの金型活用についてこう話す。「従来の金型は『削りだす』ことが前提。しかし、金属3Dプリンタは『盛る』技術。そのため、これまでと異なる設計思想が必要だが、その分可能性も大きい」。

金型新聞 2023年11月10日

関連記事

【インターモールド名古屋】金型加工の最新技術

7月6~9日 ポートメッセなごや 294社が競演 金型加工技術に関する専門展「インターモールド名古屋」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が7月6日~9日まで、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催さ…

この人に聞く
東京鋲螺工機 高味寿光社長

国際競争に負けない型づくり  冷間鍛造金型メーカーの東京鋲螺工機(埼玉県新座市、048・478・5081)はこの10年間で、売上規模を倍増させた。リーマンショック後の急激な落ち込みから、超硬合金の直彫り加工技術の開発や顧…

小出製作所 海外企業との提携でギガに挑む【特集:ギガキャストの現在地】

ドイツ企業と業務提携、ギガ金型の技術を学ぶ まだ日本国内では、ギガキャスト向けの金型を設計製作した金型メーカーはいない。そこで、ギガ向けの金型で先行する海外企業のノウハウを取り込み、参入を狙うのが小出製作所だ。7月にはド…

【金型応援隊】太陽テクニカ ダメ元でも相談を

一桁ミクロンの加工精度 「マシニングで出せない精度の穴加工は、是非任せてほしい」と語るのは、長年ジグボーラー加工やジグ研削加工に携わってきた、太陽テクニカの大畠正陽社長。同社は、航空・宇宙産業の部品から工作機械の主要精密…

ボディ部品向け金型開拓へ 進恵技研が新工場設立で挑むこと[金型の底力]

自動車部品向けプレス金型メーカーの進恵技研は今年4月、本社工場に隣接する西工場に新棟を設立し、第7工場として稼働を開始した。門形マシニングセンタ(MC)5台や、40tクレーンなどを設備し、より大物加工に対応できる体制を構…

トピックス

関連サイト