〝知能〟と〝智能〟を区別 金型メーカーなりの自動化 前号では、「次世代自動車の登場で金型がどう変わるか―2030年の金型業界―」について、現状の課題や見通し、考え方などいろいろな意見が出された。2回目の今月号は、そう…
スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】
5万個の部品生産可能に
製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷精密工業と協業し、開発。3Dプリンターによる型製造のラインアップに加えた。
「デジタルモールド」は、量産品と同じ材料を使用した試作品を速く生産できるため、設計段階から量産を最適化することが可能だ。橋爪良博社長は「数個程度の小量生産であれば、型製造は不要。しかし、それ以上生産する場合は、3Dプリンターで型を作って、射出成形したほうが安くて速い」と話す。

「デジタルモールド」を含む簡易金型を活用することで、最大3000個程度の部品生産に対応できるが、さらなる量産を求める要望も増えていた。そのため、同社は金属3Dプリンターを活用した耐久性の高い型製造に着手した。
しかし、同社が手掛ける製品は樹脂などが中心となるため、金属の知識や加工ノウハウがない。そこで考えたのが金属に詳しく、金属3Dプリンターも所有する岡谷精密工業との協業だ。
スワニーが設計したデータを基に、岡谷精密工業が金属AMを活用した金型「アディティブモールド」を製造する。これにより、5万個程度の部品生産に対応できるようになった。

現状では「アディティブモールド」の課題は少なくない。「金属3Dプリンター専用の材料費が高いことに加え、切削加工が必要な部分は残るため、製造に時間を要する。金属特有の造形時の反りやひずみも課題だ」(橋爪社長)。
また、重視している点は3Dプリンターの活用ではなく、顧客が求める技術を提供することだ。同社は最新のデジタルツールを活用し、設計から試作、生産を短期間に繰り返し体験できる「デザインファクトリー」システムを提唱する。省スペースで、設計者のアイデアをすぐにその場で形にできるスマートファクトリーだ。
「3Dプリンターを活用した取り組みはデザインファクトリーが実現できるサービスの一部。市場や生産現場のニーズに合った標準化されたサービスを提供することが重要だ」(橋爪社長)。
今後について、橋爪社長は「多品種、大量、高速生産が顧客の要望。それを実現できる可能性を持つ技術の一つがアディティブモールドだと考えている。安価で速く製造できるように今後も改善を続けたい」と話した。
金型新聞 2023年11月10日
関連記事
スマートシステム ナガセインテグレックスは、超精密化・省人化を実現する各種加工ソフト「スマートシステム」をオプションで提供している。「IGTARP DESIGN(イグタープデザイン)」をコンセプトに製作したSGDシリーズ…
DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 IoT×特許で価値創造 繁閑の波が激しい中で、いかに…
金型業界に特化した調査やコンサルティングを手掛けてきましたが、2018年にバイオ樹脂の一つである「ヘミセルロース」の開発や成形に乗り出しました。社名にある「革新」的なことを実現するには、コンサルティングだけでは限界がある…
技術者の教育には考えさせることが重要DXで一層必要になる 分かっているものに取り組んでいても技術者としての成長はありません。自らで調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦していくことこそが技術者の根幹であり、何よりも重要なこ…


