金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

03

新聞購読のお申込み

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に

製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷精密工業と協業し、開発。3Dプリンターによる型製造のラインアップに加えた。

「デジタルモールド」は、量産品と同じ材料を使用した試作品を速く生産できるため、設計段階から量産を最適化することが可能だ。橋爪良博社長は「数個程度の小量生産であれば、型製造は不要。しかし、それ以上生産する場合は、3Dプリンターで型を作って、射出成形したほうが安くて速い」と話す。

金属AMで製造した金型「アディティブモールド」

「デジタルモールド」を含む簡易金型を活用することで、最大3000個程度の部品生産に対応できるが、さらなる量産を求める要望も増えていた。そのため、同社は金属3Dプリンターを活用した耐久性の高い型製造に着手した。

しかし、同社が手掛ける製品は樹脂などが中心となるため、金属の知識や加工ノウハウがない。そこで考えたのが金属に詳しく、金属3Dプリンターも所有する岡谷精密工業との協業だ。

スワニーが設計したデータを基に、岡谷精密工業が金属AMを活用した金型「アディティブモールド」を製造する。これにより、5万個程度の部品生産に対応できるようになった。

協業する岡谷精密工業が所有する金属3Dプリンター

現状では「アディティブモールド」の課題は少なくない。「金属3Dプリンター専用の材料費が高いことに加え、切削加工が必要な部分は残るため、製造に時間を要する。金属特有の造形時の反りやひずみも課題だ」(橋爪社長)。

また、重視している点は3Dプリンターの活用ではなく、顧客が求める技術を提供することだ。同社は最新のデジタルツールを活用し、設計から試作、生産を短期間に繰り返し体験できる「デザインファクトリー」システムを提唱する。省スペースで、設計者のアイデアをすぐにその場で形にできるスマートファクトリーだ。

「3Dプリンターを活用した取り組みはデザインファクトリーが実現できるサービスの一部。市場や生産現場のニーズに合った標準化されたサービスを提供することが重要だ」(橋爪社長)。

今後について、橋爪社長は「多品種、大量、高速生産が顧客の要望。それを実現できる可能性を持つ技術の一つがアディティブモールドだと考えている。安価で速く製造できるように今後も改善を続けたい」と話した。

金型新聞 2023年11月10日

関連記事

MOLDINO ギガキャスト、燃料電池の金型向け切削工具を販売開始

大型化、難削化、微細化に対応 切削工具メーカーのMOLDINO(東京都墨田区、03・6890・5101)は2月17日、ギガキャストや燃料電池の金型加工に適した新製品を販売すると発表した。今年1~2月にかけて3製品を販売開…

イワタツール トグロンハードドリルの挑戦<br>焼入れ鋼に穴があく

イワタツール トグロンハードドリルの挑戦
焼入れ鋼に穴があく

金型製作工程を短縮 設備強化で需要に対応  イワタツール(名古屋市守山区、岩田昌尚社長)が2010年に発売したトグロンハードドリルは焼入れ鋼用穴加工ドリルとして、ここ数年需要が急増し供給が追いついていない状況だ。同社の岩…

この人に聞く
MACHICOCO 戸屋加代 代表

 製造業のネット活用は新規顧客や新分野の開拓、知名度向上など様々な方面で大きな効果を上げている。金型メーカーにとっても例外ではない。ただ、その効果は限定的で、ホームページ(HP)を作っても大きな効果を得られていない企業も…

【新春特別インタビュー②】大垣精工会長・上田 勝弘氏「他社よりも一歩先へ、好循環生まれる体制を」

勝負は中身だ 他社よりも一歩先へ 好循環生まれる体制を 〜技術開発の必要性〜  1939年生まれ、滋賀県出身。立命館大学法学部卒、61年に大垣市内にある会社に就職したのち、68年に同社(大垣精工)を創業。超精密プレス金型…

【金型応援隊】日本精密機械工作 プロに喜ばれるツールを

「徹底したプロ志向を目指した」と語るのは、日本精密機械工作の伊藤俊介社長。このほどハンドグラインダー、「リューターフレックス極 LF‐300」を発売した。 「LF‐300」は、同社の過去の人気商品「リューターフレックス」…

トピックス

関連サイト