「業界連携」、「市場拡大」、「魅力度」、「商品企画」—。日本金型工業会は昨年、これら4つを金型産業の稼ぐ力向上の推進軸として打ち出した。それぞれにワーキンググループ(WG)を立ち上げ、施策検討や事業活動を進めている。4つ…
スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】
5万個の部品生産可能に
製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷精密工業と協業し、開発。3Dプリンターによる型製造のラインアップに加えた。
「デジタルモールド」は、量産品と同じ材料を使用した試作品を速く生産できるため、設計段階から量産を最適化することが可能だ。橋爪良博社長は「数個程度の小量生産であれば、型製造は不要。しかし、それ以上生産する場合は、3Dプリンターで型を作って、射出成形したほうが安くて速い」と話す。

「デジタルモールド」を含む簡易金型を活用することで、最大3000個程度の部品生産に対応できるが、さらなる量産を求める要望も増えていた。そのため、同社は金属3Dプリンターを活用した耐久性の高い型製造に着手した。
しかし、同社が手掛ける製品は樹脂などが中心となるため、金属の知識や加工ノウハウがない。そこで考えたのが金属に詳しく、金属3Dプリンターも所有する岡谷精密工業との協業だ。
スワニーが設計したデータを基に、岡谷精密工業が金属AMを活用した金型「アディティブモールド」を製造する。これにより、5万個程度の部品生産に対応できるようになった。

現状では「アディティブモールド」の課題は少なくない。「金属3Dプリンター専用の材料費が高いことに加え、切削加工が必要な部分は残るため、製造に時間を要する。金属特有の造形時の反りやひずみも課題だ」(橋爪社長)。
また、重視している点は3Dプリンターの活用ではなく、顧客が求める技術を提供することだ。同社は最新のデジタルツールを活用し、設計から試作、生産を短期間に繰り返し体験できる「デザインファクトリー」システムを提唱する。省スペースで、設計者のアイデアをすぐにその場で形にできるスマートファクトリーだ。
「3Dプリンターを活用した取り組みはデザインファクトリーが実現できるサービスの一部。市場や生産現場のニーズに合った標準化されたサービスを提供することが重要だ」(橋爪社長)。
今後について、橋爪社長は「多品種、大量、高速生産が顧客の要望。それを実現できる可能性を持つ技術の一つがアディティブモールドだと考えている。安価で速く製造できるように今後も改善を続けたい」と話した。
金型新聞 2023年11月10日
関連記事
魅力ある組織でなければ人は集まってきません。東北金型工業会をより魅力ある団体にするために、会長就任後すぐに、3つの分科会を作りました。若手が中心となって積極的に参加してもらい、勉強会などを通じ、メリットや魅力を感じてもら…
工程短縮、精度安定に利点 超高張力鋼板やガラス繊維など成形材料が高度化していることから、HRC60を超える焼入れ鋼や超硬材を使うなど金型の高硬度化が進んでいる。こうしたニーズに合わせて、高硬度材料を効率よく高精度に加工…
ウッデホルムやボーラーブランドで知られる特殊鋼メーカーのアッサブジャパン。昨年には、日本進出70周年を迎え、金属3Dプリンタ(AM)事業の強化や、真空炉を設備投資するなど積極的に事業展開を進めている。世界中で販売するグロ…
同社は1920年の創業で、接点などの電子機器向けのプレス部品を強みに業容を拡大してきた。近年は、車載部品での採用も進んでおり、その精密な金型とプレス技術は世界中で認められている。 例えばスマートウォッチに搭載された気圧セ…


