金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

12

新聞購読のお申込み

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に

製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷精密工業と協業し、開発。3Dプリンターによる型製造のラインアップに加えた。

「デジタルモールド」は、量産品と同じ材料を使用した試作品を速く生産できるため、設計段階から量産を最適化することが可能だ。橋爪良博社長は「数個程度の小量生産であれば、型製造は不要。しかし、それ以上生産する場合は、3Dプリンターで型を作って、射出成形したほうが安くて速い」と話す。

金属AMで製造した金型「アディティブモールド」

「デジタルモールド」を含む簡易金型を活用することで、最大3000個程度の部品生産に対応できるが、さらなる量産を求める要望も増えていた。そのため、同社は金属3Dプリンターを活用した耐久性の高い型製造に着手した。

しかし、同社が手掛ける製品は樹脂などが中心となるため、金属の知識や加工ノウハウがない。そこで考えたのが金属に詳しく、金属3Dプリンターも所有する岡谷精密工業との協業だ。

スワニーが設計したデータを基に、岡谷精密工業が金属AMを活用した金型「アディティブモールド」を製造する。これにより、5万個程度の部品生産に対応できるようになった。

協業する岡谷精密工業が所有する金属3Dプリンター

現状では「アディティブモールド」の課題は少なくない。「金属3Dプリンター専用の材料費が高いことに加え、切削加工が必要な部分は残るため、製造に時間を要する。金属特有の造形時の反りやひずみも課題だ」(橋爪社長)。

また、重視している点は3Dプリンターの活用ではなく、顧客が求める技術を提供することだ。同社は最新のデジタルツールを活用し、設計から試作、生産を短期間に繰り返し体験できる「デザインファクトリー」システムを提唱する。省スペースで、設計者のアイデアをすぐにその場で形にできるスマートファクトリーだ。

「3Dプリンターを活用した取り組みはデザインファクトリーが実現できるサービスの一部。市場や生産現場のニーズに合った標準化されたサービスを提供することが重要だ」(橋爪社長)。

今後について、橋爪社長は「多品種、大量、高速生産が顧客の要望。それを実現できる可能性を持つ技術の一つがアディティブモールドだと考えている。安価で速く製造できるように今後も改善を続けたい」と話した。

金型新聞 2023年11月10日

関連記事

「品質の安定化を図る」阪村エンジニアリング社長・松井大介氏

EV化への対応加速 まつい・だいすけ1975年生まれ。大阪府出身。2000年龍谷大学国際学部卒。1999年同社入社(在学中にアルバイト入社)、2009年取締役製造部長、21年代表取締役に就任。座右の銘は「意志あるところに…

〜精度よく、早く、安く・作る〜特集

〜精度よく、早く、安く・作る〜特集

高難度型を早く安く 自動化活用し品質安定  難易度の高い金型や、オンリーワン技術に高い付加価値があるのは当然。しかし、全てがそんな金型ばかりではない。大半の金型は、高精度は当然ながら「早く、安く」作ることが求められている…

この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

 冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第一部ー

変貌する経営環境 順応の精神がカギ 座談会出席者(50音順) エムアイモルデ 宮城島 俊之社長  ヘッドライトなど自動車関連が主力のプラスチック金型メーカー。従業員は5人。本社は静岡県富士市だが工場は中国蘇州にあり、日本…

【この人に聞く】三井精機工業社長・加藤欣一氏「”高精度”生かし、金型加工に適した機械を提供」

三井精機工業(埼玉県川島町、049-297-5555)が、金型分野に注力している。今春、新型の微細加工機と、ジグ研削盤を発売。今後需要の拡大が期待される電気自動車(EV)や電子部品関連の金型加工向けを中心に売り込んでいく…

トピックス

関連サイト