金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

30

新聞購読のお申込み

中日金型 教育ツール『マナガタ』を発売

金型の内部を見える化

プラスチックやダイカストなど金型を手掛ける中日金型(愛知県春日井市、0568・27・6388)は従来、見えない金型の内部構造を見える化し、体験学習を可能にした教育ツール『マナガタ』を発売。アクリル材で再現した金型の模型と金型に使用されている部品名・機構を静止画や動画を見て、金型の知識を学べるアプリを用意し、これまでのOJTだけでなく、学ぶ環境を整え、金型ユーザーの知識向上や技術者不足に悩む企業向けに販売を強化する。

同ツール開発のきっかけは海外工場の人材育成。毛利満社長は「海外の人材育成の難しさや金型メンテナンスなど技術者の不足で困っているユーザーもあり、金型教育システムの必要性を感じた」と2年前から開発に着手。

金型の模型やアプリ

教育ツール『マナガタ』は3種類のコンテンツを用意しており、アクリル材の金型模型「GEM」はプラスチック金型の構造を忠実に再現。エジェクタ機能や3プレート、傾斜コアなどリアルに動き、透明なため、手で動かしながら動作や構造を体感でき、模型を分解・組付することも可能だ。

ナレッジプラットフォーム「STUDIO」は金型の知識を盛り込んだテキスト教材のアプリ。アクリル模型の分解手順書から各部品の名称・機能の解説、動作する様子(CGアニメーションと静止画)を用意。手順書や動画を見ながら模型を分解し、リアルとデジタル両面から金型の構造を学び、短時間で仕組みを理解できる。営業技術開発部の花井幸平氏は「丸暗記ではなく、楽しみながら金型構造を学べる」と自信を見せる。すでに導入した企業からは「製品設計者の知識不足や偏りを解消できる」や「設計スキルの底上げにつながる」など導入効果を期待する声は多い。

さらに、金型ユーザーが保有する金型メンテンナンスの手順書を、PDFやアニメーションで提供するオーダーメイド手順書「PRO」を立ち上げ、保全者向けのサービスを開始。技術者の減少や海外工場で使用する金型の保全で困っている企業向けに手順をビジュアル化し、誰でも分解、メンテナンスできる環境作りを訴求。言語も英語、スペイン語、中国語、タイ語に対応し、外国人材も活用できる。

販売について、「GEM」は販売、「STUDIO」年間契約のサブスクリプションサービスで提供。毛利社長は「現在はキャンペーンを展開し、活用の機会を探りながら様々なユーザーの声を集めている。将来的にはプレスなど他の型種にも展開したい」と意気込む。

同社は650tまでの中小型のプラスチック金型を主に、ダイカストやプレス金型を手掛け、国内のみならず、アメリカ、メキシコ、中国、タイに進出。「直近はヨーロッパへの進出も検討している」と毛利社長は新たな市場の開拓を視野に入れる。

金型新聞 2025年2月10日

関連記事

ダイジェット工業 高硬度材を高能率に加工

ソリッドラジアス    ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)は、熱の発生を抑える低抵抗な刃先と強靭な高硬度材用新材種を採用した4枚刃のソリッドラジアスエンドミル「ハード1ラジアス」を発売した。  荒…

プラスチック射出成形品の離型抵抗評価金型【金型テクノラボ】

プラスチック製品を射出成形金型から突き出す際に生じる離型抵抗は、製品に変形や破損を引き起こすため、様々な抑止方法が提案されている。この抑止方法を検討する際には離型抵抗の定量的な評価が重要となる。本稿では、離型抵抗を評価す…

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】1.大型加工

ギガキャストで需要広がる 大型ダイカストマシンで自動車の構造部品を一体鋳造する「ギガキャスト」が注目を集めている。国内のダイカストマシンメーカーは型締力9000tのマシンを開発。海外では1万3000tで試作が行われるなど…

研削盤3機種を発表 長島精工 

研削盤3機種を発表 長島精工 

省スペース設計・自動化も対応  研削盤メーカーである長島精工(京都府宇治市、0774・45・3611)は先日開かれたJIMTOF2018で新製品の精密小型ネジ研削盤2機種(内径ネジ及び外径ネジ)と、超精密高効率円筒研削盤…

フクハラ 圧縮空気中のオイルミスト測定、新型検知器発売

コンプレッサー周辺機器メーカーのフクハラ(横浜市瀬谷区、福原廣社長、045-363-7373)は、圧縮空気中に混入するオイルミストの濃度を検査する「オイルミスト検知器」の販売を開始した。低価格で簡単に取り付けでき、短時間…

トピックス

関連サイト