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中日金型 教育ツール『マナガタ』を発売

金型の内部を見える化

プラスチックやダイカストなど金型を手掛ける中日金型(愛知県春日井市、0568・27・6388)は従来、見えない金型の内部構造を見える化し、体験学習を可能にした教育ツール『マナガタ』を発売。アクリル材で再現した金型の模型と金型に使用されている部品名・機構を静止画や動画を見て、金型の知識を学べるアプリを用意し、これまでのOJTだけでなく、学ぶ環境を整え、金型ユーザーの知識向上や技術者不足に悩む企業向けに販売を強化する。

同ツール開発のきっかけは海外工場の人材育成。毛利満社長は「海外の人材育成の難しさや金型メンテナンスなど技術者の不足で困っているユーザーもあり、金型教育システムの必要性を感じた」と2年前から開発に着手。

金型の模型やアプリ

教育ツール『マナガタ』は3種類のコンテンツを用意しており、アクリル材の金型模型「GEM」はプラスチック金型の構造を忠実に再現。エジェクタ機能や3プレート、傾斜コアなどリアルに動き、透明なため、手で動かしながら動作や構造を体感でき、模型を分解・組付することも可能だ。

ナレッジプラットフォーム「STUDIO」は金型の知識を盛り込んだテキスト教材のアプリ。アクリル模型の分解手順書から各部品の名称・機能の解説、動作する様子(CGアニメーションと静止画)を用意。手順書や動画を見ながら模型を分解し、リアルとデジタル両面から金型の構造を学び、短時間で仕組みを理解できる。営業技術開発部の花井幸平氏は「丸暗記ではなく、楽しみながら金型構造を学べる」と自信を見せる。すでに導入した企業からは「製品設計者の知識不足や偏りを解消できる」や「設計スキルの底上げにつながる」など導入効果を期待する声は多い。

さらに、金型ユーザーが保有する金型メンテンナンスの手順書を、PDFやアニメーションで提供するオーダーメイド手順書「PRO」を立ち上げ、保全者向けのサービスを開始。技術者の減少や海外工場で使用する金型の保全で困っている企業向けに手順をビジュアル化し、誰でも分解、メンテナンスできる環境作りを訴求。言語も英語、スペイン語、中国語、タイ語に対応し、外国人材も活用できる。

販売について、「GEM」は販売、「STUDIO」年間契約のサブスクリプションサービスで提供。毛利社長は「現在はキャンペーンを展開し、活用の機会を探りながら様々なユーザーの声を集めている。将来的にはプレスなど他の型種にも展開したい」と意気込む。

同社は650tまでの中小型のプラスチック金型を主に、ダイカストやプレス金型を手掛け、国内のみならず、アメリカ、メキシコ、中国、タイに進出。「直近はヨーロッパへの進出も検討している」と毛利社長は新たな市場の開拓を視野に入れる。

金型新聞 2025年2月10日

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