金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

29

新聞購読のお申込み

Hexagon MI グループ企業4社を統合【この人に聞く】

計測からソフトまで一貫サポート

今年7月、計測機器やCAD/CAMなどの企業を傘下に持つHexagonグループの4社が統合し、Hexagon Manufacturing Intelligence(以下Hexagon MI)が新たに発足した。「ハードからソフトまで一貫してサポートできる『One Hexagon』として、お客様に付加価値の高い製品を迅速に提供していく」と話す、7月に新会社の社長に就いた池谷望氏に統合の狙いや方針などを聞いた。

いけや・のぞむ
1963年生まれ、静岡県出身。86年早稲田大学理工学部卒業後、リクルート入社。日系グローバル企業数社でアメリカ勤務ののち、複数の外資系製造業の日本法人トップを務める。今年7月Hexagon MI社長に就任。モットーは「Change or Die」で、企業は変わらないと生き残っていけないと変革を進める。

新会社の概要は。

三次元測定機を中心に計測機器を扱うヘキサゴン・メトロジー、Ⅹ線CT解析ソフトなどのボリュームグラフィックス、CAD/CAMのDPテクノロジー・ジャパン、金型向けのCAD/CAM「WORKNC」などを手掛けるHexagon MI(旧ヴェロソフトウェア)の4社が統合し、Hexagon MIを存続会社として新たに発足した。

新会社発足の狙いは。

これまで別会社だった計測機器のハード部門と、CAD/CAM、産業用CTデータ解析ソフトの部門が一緒になったことで、シナジーを生み出す。測定からソフトウェアまでの品質保証までを同じチームで対応できるように、営業やサポートの融合をこれまで以上に進める。もう一つはシナジーによって、品質や生産性向上につながる付加価値の高い製品を迅速に提供することだ。

具体的には。

金型業界に限らないが、製造業では「匠の技術の継承」が課題の一つだと考えている。各社が蓄積した技能者のノウハウや記録をどう生かし、次世代につなげていくか。その一つの手段として、AIの活用は欠かせない。

CAD/CAM「ESPRIT EDGE」にAI機能「ProPlan AI」を新搭載した。AIに加工ノウハウなどを学習させ、最適な設定を自動提案することで業務を効率化させたり、再現性の高いものづくりをサポートしたり、生産性や品質向上に貢献を目指す。

企業統合によってブランドの変更や統合などはあるか。

各社が開発・販売してきた既存の製品群に変更はない。これまでと同じ営業や技術者が担当するので、金型メーカーを始めユーザーにとっては、対外的にはこれまでと変わることはない。

日本の金型業界をどう見るか。

グローバルでのコスト競争が激しくなる一方で、ユーザーから求められる金型は複雑化、高度化している。さらに、人手不足で技能継承が難しくなるなど課題は多い。

計測からソフトウェアまで一貫してサポートできる「One Hexagon」として体制を強化することで、こうしたさまざまな課題を解決できる企業を目指す。

金型しんぶん2025年11月10日号

関連記事

金型補修の技術伝承を支援 岩倉義典氏(岩倉溶接工業所社長)【この人に聞く】

ステンレスを主体にアルミ、チタンなどの金属の溶接加工を手掛ける岩倉溶接工業所(静岡県島田市、0547・37・4585)は今年8月から、金型溶接の受託加工事業と金型溶接・仕上げの技術支援事業を開始した。金型補修における人手…

この人に聞く2015<br>天青会(金型工業会東部支部)<br>小泉 秀樹会長(ペッカー精工社長)

この人に聞く2015
天青会(金型工業会東部支部)
小泉 秀樹会長(ペッカー精工社長)

金型以外にも視野 原点から新たな発見  日本金型工業会東部支部天青会の会長に今年5月、就任した。「原点に立ち返って、色々な視点から根本を見直せるような活動をしていく」と今年度のテーマに「原点回帰」を掲げる。  天青会に入…

「金型業界で働く女性の声や悩みにも耳を傾けて」名古屋精密金型営業部部長・渡邊祐子氏

インターモールド大阪では4月20日、女性雇用のメリットや現場の男女共同参画などを討論する特別イベントが開かれる。労働人口減少により製造業は女性の活躍が課題で、金型業界も働き方改革など取組みが始まっている。日本金型工業会で…

棚澤八光社 岩手工場新設、東北でシボ加工を提供【金型応援隊】

シボ加工などを手掛ける棚澤八光社は今年4月、岩手県一関市に国内10拠点目となる岩手工場を設立した。集積が進む自動車産業を中心に東北地区の顧客に対し、より迅速かつ充実したサービスを提供していく。 岩手工場には10t/10t…

アクスモールディング 押出成形金型の設計簡易化【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

廃棄部分の再利用も可能に 高機能フィルムの製造に適した押出成形金型「Tダイ」などの設計を手掛けるアクスモールディング。同社は、今年の3月にソディックの金属3Dプリンター「LPM325S」を導入。押出成形金型の設計の簡易化…

トピックス

関連サイト