金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

14

新聞購読のお申込み

牧野フライス製作所 形彫放電加工時間を半分に【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

噴流制御と細穴加工機活用、ノージャンプ加工で「倍速放電」

牧野フライス製作所は電極内部に設けた細穴からオイルを供給し、加工液内に噴流を発生させ、スラッジを効率的に排出することで、形彫放電の加工時間を大幅に短縮する「倍速放電」を提案している。大型の金型の形彫放電加工時間が半分程度になるという。

大型の深いリブ形状などの金型の形彫放電では導電性の高いグラファイトを電極に使うことが多い。それでも数日の加工時間を要することがある。

電極内の微細な穴からオイル供給し、高速で噴流を発生させる

理由の一つがスラッジを排出するためのジャンプ加工。「底面に溜ったスラッジを適切に排出しなければ二次放電が起きる。それを防ぐため、電極をジャンプさせることで清浄な加工液を流し込み、スラッジを排出する。このジャンプ加工に時間が掛かっていた」(EDM事業部の根本政典シニアスペシャリスト)。

昨秋に開発したサンプル電極では独自技術を活用し、ジャンプを行わない「ノージャンプ加工」を実現。大幅な加工時間短縮を可能にした。

噴流を最適制御し、適切にスラッジを除去

まず、同社の細穴加工機「EDBV8」で、先端部が1㎜のリブ形状の電極に0・6㎜の多数の細穴を加工。その穴からオイルを供給(写真)し、自動で高速の噴流を発生させることで、ジャンプ加工を不要にした。

燃費の向上や環境負荷の低減に直結する車体の「軽量化」を推進するには、目に触れないリブを薄くして強度を上げる高度な手法が用いられる。

通常噴流用の穴は電極に垂直(加工方法)に開けているが、この状態では加工後の金型に突起物が残ってしまう。ロータリーテーブルを使用し、斜めに開けることで突起物を小さくすることが可能となった。

さらに噴流の圧力や加工条件をワークに合わせて最適化する技術を開発。大型型彫放電加工機「EDNC6」にこの技術を実装し、先の電極で加工した。

この制御技術は「EDNC6」など大型加工機への実装がメイン。今後は「より緻密に制御できるようにして、小型や精密分野での活用に広げたい」(根本氏)。

金型しんぶん2025年12月10日号

関連記事

ナガセインテグレックス 超精密加工を自動で、軽く強い機械だから可能に【特集:金型づくりを自動化する】

スマートシステム ナガセインテグレックスは、超精密化・省人化を実現する各種加工ソフト「スマートシステム」をオプションで提供している。「IGTARP DESIGN(イグタープデザイン)」をコンセプトに製作したSGDシリーズ…

精密、高精度 ニーズに応える型材・部品特集

 超精密、高精度、短納期、長寿命化—。こうした高度化する金型へのニーズに対応するには、あらゆる加工技術や素材技術が必要だ。中でも、鏡面性が得られるのか、離型性が高いのか、長寿命化が図れるのかなど、金型の本質的な機能に直結…

小出製作所 大型化へ対応し、持続可能な企業体目指す【Innovation〜革新に挑む〜vol.4】

自動車の電動化によって、手掛ける金型が変化している金型メーカーは少なくない。ダイカスト金型メーカーの小出製作所(静岡県磐田市、0538・37・1147)もその1社。これまで主力だったエンジン関連の需要が減り、モータやバッ…

金型メーカー新春座談会(第2部)<br>5氏が語る〜中核人材どう育てる〜

金型メーカー新春座談会(第2部)
5氏が語る〜中核人材どう育てる〜

 第1部では、必要な人材像や育成について方法について議論してもらい「顧客の要望に合わせて柔軟に考えられる人」、「社長を補佐する中核的人材」などが求められていることがわかった。一方、育成では「外部からの刺激」や「任せて、考…

大同特殊鋼が工具鋼5~20%値上げ

大同特殊鋼は全ての工具鋼を対象に、3月契約分から5~20%値上げすると発表した。エネルギーコストが高騰し、安定供給には値上げが必要と判断した。 対象となるのは全ての鋼種。鋼種によって価格に差はあるが、トン当たり5%~20…

トピックス

関連サイト