かつて世界一の生産額を誇り、“金型大国”と呼ばれていた日本の金型産業。ピーク時には、年間で2兆円近い金型を日本で生産していた。しかし2000年以降、自動車や電機といったセットメーカーの相次ぐ海外移転による国内需要の減少…
機械振興協会 『金型産業の未来』を講演会
転換期で何を考える
一般財団法人機械振興協会(東京都港区)は自動車部品向けなど金型の集積地である岐阜県岐阜市で『中部から考える金型産業の未来—日本の金型のブランド構築に向けて—』(後援:岐阜県金型工業組合)をテーマに講演会を開き、トランプ関税や経済の構造変化で転換期を迎えている金型産業の未来や方向性を聴講者と共に考えた。
講演では法政大学経済学部の馬場敏幸教授をはじめ、地元のプラスチック金型メーカーである岐阜多田精機の多田憲生社長が登壇し、日本の金型の強みやグローバルで通用する金型のブランド化について取り組みなどを紹介した。

馬場教授はかつて世界トップクラスだった日本の金型産業の歴史を振り返りつつ、現在は金型需要の低迷や少子高齢化、人手不足などで苦しい状況にあると説明。その中、中部圏は金型産地として首位をキープしながらも、金型産業の新たなビジネスモデル確立、企業ブランドが重要になるとした。
岐阜県でプラスチック金型を手掛ける岐阜多田精機の多田社長は『差別化からブランド化へ—金型メーカーの新しい価値創造—』をテーマに、差別化時代からブランド化時代への変遷と同社の取り組みを紹介。金型や精密な加工技術をコア技術としながら、成形時のバリ低減や成形後の後加工レス、立体的な加飾を施す多色成形、IoT活用、直近では型内塗装技術やVRFB2次電池の開発など、顧客や社会の課題解決につながる技術開発で企業のブランド価値を高めている。
講演会の後半はパネルディスカッションを実施。馬場教授や多田社長と、直近、『真説・日本の金型産業論 甦れ!世界が憧れるMade in Japan』を発刊した日本金型工業会・学術顧問の横田悦二郎氏を交え、トランプ関税等への対応や若手人材の獲得や育成など聴講者からの質問に答え、金型を知らない一般人へのPRや産学連携の重要性を説いた。
金型しんぶん2025年12月10日号
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