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ユニオン精機 放電を切削に置換し加工時間10日→3日【特集:工法置換で生産性向上】

利益率改善、耐久性も向上

ダイカスト金型を手掛けるユニオン精機が、放電加工を切削加工に置き換えている。テーブルを傾けられる5軸の特長を活かし、深く複雑な形状を切削で加工する。電極製作や放電加工の時間を短縮し、利益改善や金型の耐久性向上につなげている。

手掛けているのは二輪車や自動車などのエンジンやトランスミッションの金型で、その多くに深く複雑な形状がある。例えば油の流れや圧力を制御するバルブボディの金型は迷路のような溝が入り組む。切削工具が届かなかったりビビリが発生したりするため、その殆どを放電で加工していた。

5軸加工機で金型を加工する

放電は粗と仕上げの二度加工するため時間がかかる。バルブボディの金型は放電加工の時間(10日)が全製作時間(35日)の約35%を占めていた。さらに粗と仕上げ用の電極製作の時間もかかる。放電は金型のリードタイム短縮のボトルネックになっていた。

切削への転換は2016年、拡大する需要に対応するためボトルネック解消の方策として取り組み始めた。工具メーカーと連携し工具の突き出し量が多くてもたわまずビビらない加工条件やプログラムを研究。試行錯誤を重ねて直彫りのノウハウを蓄積し、技術レベルを高めた。

2020年には5軸加工機を導入した。深い形状も金型を傾けることで、工具の突き出し量を減らしビビらず加工できる。3軸で培ったノウハウを加工プログラム作成などに活かし5軸の技術を磨いた。23年にはもう1台5軸加工機を導入した。

クランクケースなどダイカスト製品は複雑な溝が多く金型は放電加工することが多い

切削シフトにより放電の加工時間は大幅に削減した。バルブボディの金型は10日が3日に。形状の深さが少ないカバーの金型は放電がゼロに。コンバータハウジングの金型も深く複雑すぎる形状は部分放電で加工しつつ、それ以外は切削に置き換えた。

それによって金型のリードタイムが短くなり、収益性や金型の品質も改善した。加工時間や電極調達費が減ったことで利益率が改善。放電による表面硬化がなくなり金型の耐久性も向上した。成形トライ後の修正加工時間も放電と比べて2分の1に短縮した。

山本正信顧問(左)と松下健一部長(右)

放電→切削への置き換えは、中期経営計画における収益基盤強化活動として取り組む。当初から活動を推進してきた山本正信顧問(元社長)は、「金型を取り巻く経営環境が厳しくなるなかで競争力を高めるための活動として力を入れて取り組みを続けていく」。

いま取り組むのが同時5軸加工技術のレベルアップだ。技術部の松下健一部長は、「割り出し5軸は加工プログラム作成にセンスが要るのに対し、同時5軸は比較的、汎用的に使える。プログラム作成の技術を研究したりデータ最適化ソフトを活用したりすることで同時5軸の加工品質を安定させていきたい」。

会社概要

  • 本社:兵庫県加古川市平岡町山之上170
  • 電話:079・425・0765
  • 代表者:金丸明夫社長
  • 設立:1975年
  • 従業員:75人
  • 事業内容:二輪車や自動車などのダイカスト金型の設計製造。

金型しんぶん2026年6月10日号

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