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インターモールド2021[4つの見どころ]

インターモールドが、ついに帰ってくる。

 最先端の金型加工技術が集結する専門展。金型メーカー、ユーザー、そして機械・工具メーカー多くの人たちが、その開催を待ち望んだ。 2年ぶりとなる今年。果たしてどんな技術が披露されるのか。

4つの見どころを紹介する。

1.金型産業に迫る5GやCASEの波

 昨年は新型コロナウイルスの影響で、リアル展としては2年ぶりの開催となるインターモールド2021。

 その間、世の中は少しずつ変化を始め、テレワークなど新しい働き方を模索し、製造業も自動化、デジタル化の投資が高まっている。 さらに、今後の金型産業に大きく関係すると言われているのが5Gや自動車のCASEに対する新たな波だ。

 数年前からIoTなどデジタル化が進み、微細加工や複雑形状な部品の製作が増えてきたが、5Gでさらに進化する。また、それに伴い、自動車のCASEに対する動きも活発化してきた。特に、EV車向けのモータやバッテリーなどの部品や排ガス規制向けの金型の需要が増加しており、これらの波を捉えるには、新たな素材、超精密な加工技術、デジタル化の挑戦が不可欠。これらの要素 がインターモールドに集結している。

求められる超精密・微細加工技術が集結

 5Gや電気自動車など新しいものづくりで、金型製作に求められているのが、超精密な加工技術が挙げられる。従来の加工技術では、機械または工具といった1要素で実現できたかもしれない。

 しかし、超精密な加工では、工作機械はもちろん、切削工具、加工条件、治具、測定技術など様々な要素が揃って実現できるレベルに達した。

 また、5Gや電気自動車の開発は、材料開発も激しさを増しており、超硬合金やセラミックといった難削材の加工が増えつつある。展示会場では、これらに対応する機械、工具、CAD/CAM/CAE、測定機が揃っており、ソリューション提案も含め最新技術の動向を伺うことができるのもリアル展の良さ。普段抱えている加工課題を解決できるヒントがきっと見つ かるはずだ。

生産工程や管理もデジタル化を進めよう

 加工に関する技術提案だけが見どころではない。むしろ、加工の周辺技術が盛りだくさん。金型製作は加工が中心で、そこに目がいきがちだが、展示会場では、工程を管理する生産管理システムや金型の補修、洗浄、搬送装置や器具が揃っており、金型製作を支えるツールを見ることができる。

 さらに、これらのツールはデジタル化を進める上で不可欠なツールや、製造現場の安全性や効率化を図るために重要な役割を持っている。近年は工場環境の改善もユーザーから求められており、3K時代から脱却しクリーンな現場作りを行う金型メーカーも多い。3S活動や5S活動も 一般化しており、生産性を上げるためにも、ぜひ見ておきたい。

2.世界最高峰の加工技術金型やプレスの課題を解決

未知の金型技術に出会える場

 CASEに代表されるように自動車業界が変革期にある中、軽量化や複雑化、超精密化など金型の高度化が進む。

 今回の金型展では65社の金型メーカーが、こうした高度なニーズに対応した金型技術を披露する。

 その内容は多彩だ。セルロースファイバーを含んだ成形品、炭素繊維プラスチック(CFRP)の成形技術、異材種の複合成形、3Dプリンタを活用したダイカスト型、型内組付けで量産性を高める金型、セラミック成形用の金型など、課題を解決できる世界最高峰の新たな金型技術に出会える。

軽量化や複雑形状の最新のプレス技術

 27社のプレス部品メーカーが出展する金属プレス加工技術展はプレス部品の課題解決の宝庫だ。

 ステンレスやチタンなど難削材の深絞り、ファインブランキング(FB)や切削部品からプレス加工への転換による原価低減提案、高張力鋼板の深絞り、CFRPの打ち抜き加工など、様々な プレス加工に関連する技術が出そろう。

3.技術情報や電動化のトレンドを学ぶセミナー、学生金型グランプリも開催

万全のコロナ対策でセミナー

インターモールドの醍醐味の一つが特別講演や技術セミナー。今年はコロナ禍で何百人が聴講できるような講演はないが、徹底したコロナウイルス感染対策を図りながら、1日3件ほどのテクニカルワークショップや特別講演は開かれる。特別講演では、日本自動車部品工業会の技術担当顧問が「エレクトロニクス化が及ぼす自動車産業の技術や生産への影響」をテーマに話をする。日本金型工業会の特別セミナーでは、昨秋に発表した「令和時代の金型産業ビジョン」をテーマに金型マスターがパネルディスカッションを行う。事前登録が必要なセミナーも多いので要チェックだ。

オンラインで学生金型グランプリ開く

 金型人材の底上げにつなげるために長年開かれてきた学生金型グランプリ。13回目となる今年の課題はプラスチック型が「名刺ケース」で、プレスが「モータコア」。コロナ禍の影響で実物の出展はないが、ビデオ 会議システムを活用し、6校の学生がプレゼンテーションを行う。

4.アフターインターモールドオンラインで開催

5月18日から28日まで

 コロナ禍によって面談が難しくなり、打ち合わせが進まないなどマイナスが大きかった一方で、オンラインの活用が大きく進化した。インターモールドでも、リアル展に加え、オンラインの強みを活かした新たなイベントを行う予定だ。 まず、4月の開催期間後の5月18日から28日まで、アフターインターモールドをオンラインで開催する。そこでは、オンデマンドの配信セミナーや出展製品の紹介などを行う。来場が難しかった人や、製品やセミナーを見逃した人はそちらをチェックしたい。

オンラインで継続的な専門展も

 また、オンラインという物理的な制約がないメリットを生かし、インターモールド振興会では、継続的なオンラインイベントを開催する予定だ。既に2月にはオンラインで「最新放電加工技術」を開催。今後も時期は未定ながら「仕上げ加工技術」、「微細精密加工技術」、「次世代加工技術」、「生分解性プラ加工技術展」などを開く予定で、継続的に金型づくりの最新情報提供する。

◎インターモールド2021 全体の概要はこちらから

◎注目13社の出展製品はこちらから

金型新聞 インターモールド特設ページ

 

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