金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

20

新聞購読のお申込み

インターモールド2024総集編 -金型展2024-

付加価値高める高機能な金型

金型展2024では、付加価値を高める高機能な金型を展示する企業が随所に見られた。

キヤノンモールドは、中空体を作る樹脂接合金型を展示した。同社が製作した小型射出装置「BOX INJECTOR」と組み合わせることにより、中空体の中に2色のロゴマークが入ったダブルウォールカップを成形できる。接合の手間を省き、仕掛品の削減に貢献。軽量化や断熱、意匠性向上などのニーズに応える。

坂本金型工作所はダイスライドインジェクション(DSI)で製作したオカリナのモデルサンプルや、樹脂部品を遮音材として使う製品を披露した。DSIは金型内で組み立て工程が完結するため、製造コスト削減や人手不足解消に貢献する。また、組み立てが不要になるだけでなく、外観のつなぎの部分の形状がスムーズなため、オフィスなどの外観の遮音材として使うにも最適という。

アイテックは、現在開発中のバリの出ない「バリレス金型」を紹介した。バリによる傷やプレス時の打ち痕をなくすことで、後工程の削減に貢献する。

中空体を作る樹脂接合金型(キヤノンモールド)
DSIで製作したオカリナのモデルサンプル(坂本金型工作所)

金型以外の多様な提案や展示も

金型以外の多様な提案や展示も目立った。七宝金型工業は、開発した精密ジャッキ「EASYG(イージグ)」を展示。六角レンチ一本で、0.01mm精度の高さ調整が可能だ。ベテラン作業者でもクレーンで、30分以上かかるような水平出し作業を簡易化し、段取り時間の短縮に貢献する。

中辻金型工業.は、自社開発の複合型業務効率化システム「製造業プラス」を出展した。人事や労務、経理、顧客情報などのあらゆるデータをクラウド上で一元管理可能し、シンプルかつ簡単な情報管理を製造業者に提案。また、導入企業の業務フローにあわせたシステムのカスタマイズにも対応可能だ。

開発した精密ジャッキ「EASYG(イージグ)」(七宝金型工業)
フェムト秒レーザー加工機で加工した展示物(池上金型工業)

池上金型工業は昨年導入したフェムト秒レーザー加工機による加工製品を披露した。材料の表面にレーザー加工を行うことで、撥水や光の無反射構造などの機能を持たせることができる。

ムツミ工業は、同社の産業合理化事業部が手掛ける「製造支援サービス」を紹介した。金型づくりで培ったノウハウをもとに、金型の設計製作や試作、工法の開発に加え、プレス機や協働ロボットを組み合わせた生産ラインの設計などを同社が代わりに請け負うサービスだ。

金型新聞WEB限定

関連記事

太陽光発電導入し、CO²排出量を削減 J-MAXが取り組むCNに向けた取り組み

脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2…

【Breakthrough!】平面研削加工

平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…

メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

高硬度綱の高能率加工
オーエスジー

Aブランド高硬度鋼用超硬ボールエンドミルシリーズ 現場の課題  金型加工で特に増えている高硬度材の加工を高効率化したい。 提案・効果  Aブランド新製品の高硬度鋼用超硬ボールエンドミル高能率型4刃「AE-BM-H」と高精…

【INTERMOLD・金型展・金属プレス加工技術展 総集編】
金型展編

自動化や離型の新技術 センサや工具の自社製品も  金型展では金型メーカーの独自技術を披露する場となっている。今回は特に自動化や離型性向上につながる提案が多く見られた。また、自社製品の開発や量産も含めた一貫生産体制で新たな…

関連サイト