金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

04

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】ニチダイ・伊藤直紀社長「技術営業の強化に力 」

今年4月、冷間鍛造金型メーカーのニチダイは伊藤直紀氏が新社長に就任し、新たな体制で臨む。昨年、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響で金型受注が低迷したが、足元の景気は回復傾向にあり、事業の成長に向けて動き始めた。そこで、同社の強みである冷間鍛造金型の技術開発や新市場開拓など、同社の将来ビジョンについて同氏に聞いた。

いとう・なおき
2006年大阪大学経済学部卒、16年同社入社。17年執行役員兼経営企画室長、19年取締役副社長執行役員兼経営企画室長、20年取締役副社長執行役員兼管理統括本部長兼経営企画室長。1982年生まれ、大阪府出身。

IoTなど開発を推進
価値提供できる企業へ

昨年を振り返って。

自動車産業の停滞で金型を含むネットシェイプ事業は厳しい状況だったが、前年度の下半期から自動車生産の回復に伴い、金型の受注も戻ってきた。この流れは継続するとみている。

今期の取り組みは。

コロナ禍は当社の強み、弱みを見つめ直す機会になり、改めて、技術力で顧客の課題解決に取り組むことが当社の使命。今年は昨年より強化している技術営業に力を入れ、顧客との信頼関係を強固にしたい。EV化など自動車部品の変化に伴い、冷間鍛造金型に要求される精度や形状の難易度も高度になっており、これまで以上に顧客と密に連携し開発することが重要。それには技術営業を強化し、営業の判断力を高め、早いレスポンスで顧客の信頼を獲得したいと思っている。営業社員の技術提案のスキルアップにも取り組んでいく。

技術開発では。

これからは、間違いなく様々な現場でセンシング技術が求められ、金型からもデータが取得できるのが当たり前になると思う。だが、センシング技術はすぐに実用化できるものではなく、金型の予知保全やエラー検知につながるなど本当に価値のあるデータを、どのように取得するべきかといった長期展望が必要だ。そこで、新事業開発部を立ち上げ、センシング技術を含む将来の柱となる事業の開発を進めている。完成すれば、従来のダイセットから置き換えるだけで、最新プレス機並みのセンシング機能を持つことができ、新たな価値を顧客に提供できる。今は試行錯誤の段階だが、タイミングを見ながら発表していく予定だ。

新市場の開拓は。

やはりEV向けの部品に注目している。その1つがバッテリーケースで、鍛造技術と圧延技術を応用し、深絞りではできない特殊な形状にすることができるなど、従来工法では不可能な工法の開発を進め、ケースの付加価値向上につなげたい。ハードルは高いが、挑戦する価値はある。

将来の企業像は。

最終的にどんな価値を顧客に提供できるか、そこに企業価値がある。我々は技術で価値を提供し続ける企業でありたい。顧客である自動車メーカーや部品メーカーがあってこそ当社があり、絶えず技術を磨き続けることがニチダイのあるべき姿だと思っている。

金型新聞 2021年7月10日

関連記事

【ひと】住友電工焼結合金金型開発室長 ・栢野正治さん 技能検定への功労が瑞宝単光章に

技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。 岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を…

「大型レーザーや自動化に注力し、生産性向上、現場改善を提案する」 木元武一氏(ALPHA LASER JAPAN取締役COO)【この人に聞く】

独・アルファレーザー社は1994年に設立されたレーザーシステムメーカー。世界で初めて移動式レーザー溶接機を開発し、肉盛溶接現場に革新をもたらしてきた。近年では高出力モデルの開発や、3Dプリンタ事業などにも注力する。日本市…

この人に聞く2015 <br>製造業コンサルティング <br>O2(オーツー)松本 晋一社長

この人に聞く2015
製造業コンサルティング
O2(オーツー)松本 晋一社長

潜在する魅力引き出す 製造×サービスで価値を創造  プラスチック金型メーカーの安田製作所は今春、社名を「IBUKI」に変更した。昨年9月、同社を傘下に収めた、製造業向けのコンサルティング会社O2(東京都港区)の松本晋一社…

高精度、省人化ニーズが高まる国内市場で注力すること 田代勝氏(三菱電機 産業メカトロニクス事業部長)【この人に聞く】

三菱電機は50年以上に渡って、高精度、高性能な放電加工機を開発し、付加価値の高い金型づくりに貢献してきた。近年では省人化ニーズへの対応に注力する他、金属3Dプリンタを開発するなど技術領域を広げている。同社は今後、金型業界…

【インタビュー】プロトラブズ ・今井 歩社長「当日出荷を開始」

オンデマンド受託製造を手掛けるプロトラブズ(神奈川県座間市、046-203-9100)は今年6月から、CNC切削加工サービスで「当日出荷オプション」の提供を開始した。これまで標準3日、最短翌日だった出荷をさらに短縮する。…

トピックス

関連サイト