自動車業界の脱炭素化や、安全性向上に欠かせない高強度鋼板による軽量化。近年では980Mpa超のウルトラハイテン(超高張力鋼板)や、2・0GPa級のホットスタンプ材など高強度化が加速している。こうした鋼板の進化で、金型づく…
【この人に聞く】日本金型工業会 西部支部長・山中 雅仁氏「ビジネスの種見つける場」
2月17日、ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)で、2年ぶりに金型シンポジウムが開催される。「新たな社会環境・新たなステージ・新たな価値を創造 関西からの発信」をテーマに、自動車部品メーカーによる基調講演や、金型メーカーの若手経営者によるパネルディスカッション、小神パーティーを実施する。パネルディスカッションのモデレーターも務める日本金型工業界西部支部長の山中雅仁氏(ヤマナカゴーキン社長)に、開催の意義や意気込みを聞いた。

やまなか・まさひと
1994年米国オハイオ州立大学機械工学科修士課程修了。同年ヤマナカゴーキン入社。1997年に常務取締役に就任。2010年に代表取締役社長に就任、現在に至る。
若手経営者の意識を知る
2年ぶりの金型シンポジウムです。
EVやカーボンニュートラルといった新しい社会環境への対応は、これから必要というよりも当たり前のものになる。EV化の流れにあって、当然ながら金型メーカーに求められることは従来と異なってきている。自動車メーカーはカーボンニュートラルに対する目標を策定しており、金型メーカーを含む多くの関連企業は対応が必須。
基調講演やパネルディスカッションを通して、自動車部品メーカーから期待される、金型メーカーの役割や、金型メーカーが取り組むべき課題とは何かを明確にし、今後に活かせる情報を持って帰って頂きたい。
パネルディスカッションでは、モデレーターを務めます。
今回のパネルディスカッションでは、若手経営者の意識を知る、ということに重点を置き、40代前後の若手経営者4人にパネラーになってもらった。
若い人はベテランの話を聞く機会が多いはずだが、ベテランが若手の考えを聞く機会は意外と少ないので、それぞれの世代の考え方を知る良い機会になるのではないかと思う。
議題は「カーボンニュートラルへの対応」。パネラーの方にはもちろん、それぞれの事例を語ってもらうつもりだ。ただしそれ以上に、若手経営者がどうやってカーボンニュートラルやEVと絡めたビジネスの種を見つけるのか、といった「How」の部分をしっかりと聞き出していきたい。
「How」を聞き出すとは。
単に個別の事例、「What」を聞き出きだしただけでは、あまり意味はないと考えている。事例を紹介しただけでは、結局のところパイの取り合いや価格競争になってしまう。それよりも、どうやってその事例を見つけてきたか、どのように動いたか、といった、ビジネスの種を見つける手法を聞き出していきたい。
若手の経営者たちの「How」を知ることで、ベテラン経営者たちも新しい考え方を取り込み、新しい社会環境に対応するための新しいビジネスを見つけられる。新たな価値を生み出すための、ヒントを得られる場にしたい。
金型新聞 2022年1月10日
関連記事
技術者の教育には考えさせることが重要DXで一層必要になる 分かっているものに取り組んでいても技術者としての成長はありません。自らで調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦していくことこそが技術者の根幹であり、何よりも重要なこ…
自動車の電動化(EV化)に伴い、ものづくりも大きな変革期を迎えている。従来のエンジン車には搭載されなかった電動化部品の需要が高まり、新規需要の取り込みが部品メーカー各社の大きな課題となっている。その中、ハイテン材加工の車…
プラモデル事業をプロデュースした 前職は旅行代理店の添乗員。ものづくりとは無縁の出身だが、持ち前のフットワークの軽さを生かし、近未来型お手伝いロボットのプラモデル「カデンナ」をプロデュースした。 プラモデル参入のきっかけ…
トライ後の改修減らし生産性アップ 自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短…


