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NOVEMBER

29

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年頭所感

※紙面の都合により、主旨が変わらない範囲で一部編集して掲載しています。

PART1:日本金型工業会 小出 悟会長「役立つ仕組みづくり」
PART2:経済産業省 製造産業局素形材産業室 谷 浩室長「環境変化はチャンス」
PART3:日本金型工業会東部支部 鈴木 教義支部長「果敢にチャレンジし続ける」
PART4:日本金型工業会中部支部 山田 徹志支部長「対面、リモート織り交ぜて」
PART5:日本金型工業会西部支部 山中 雅仁支部長「ボケ防止と創造性の発揮」
PART6:素形材センター 青木 宏道会長「最大限の機能活用を」
PART7:岐阜県金型工業組合 加藤  丈詞理事長「才知を研ぎ澄ます」
PART8:日本金属プレス工業協会 高木 龍一会長「日本経済が成長を取り戻す」
PART9:日本ダイカスト協会 浦上 彰会長「かけがえのないパートナー」

PART1

日本金型工業会 小出 悟会長「役立つ仕組みづくり」

経済環境がどのように変化していくのか、今までは考えなかったことや予想もしていない状況も引き起こされて来るでしょう。だからこそポジティブなものの見方が必要であり、しっかりと地に足を付け考えて出来ることを一つ一つ実行していく行動こそが未来につながって行くものだと言えるのではないでしょうか。

カーボンニュートラル社会への移行に的確に反応することもその一つで、我々の環境を一番変化させる取り組みになるのかもしれません。もう一つが様々な場面がネットに繋がる社会の到来で、サイバーセキュリティーをはじめ、顧客や自社の技術情報をいかに管理し守りながら有効に生かすかにあります。将来の成功の二文字は出来ることから積極的に行動するか否かにかかっていると思います。今年は会員の皆様に積極的に情報発信を行い、個社の環境を変えていくためのアイデアなどのご提供をしていきたいと考えております。

また、改めて考え及ぶことが「人」に関わることです。如何に少数でも精鋭なる部隊を整えるかが社会にも組織にも必要であり、努力と費やす時間は計り知れないものを感じますが、金型マスター認定制度と、各種の教育にかかわる取り組みを整理整頓し、時代に要求される事柄を、タイムリーに連絡したり経験させたりすることをプラスさせていくことが出来ればと考えております。

お役に立てる仕組みづくりを、トライ&エラーの繰り返しの中から整えて、優先順位の高いものから順次進められればと思います。

PART2

経済産業省 製造産業局素形材産業室 谷 浩室長「環境変化はチャンス」

素形材産業を取り巻く環境は変化しています。皆様におかれましては、カーボンニュートラルやCASE等の潮流をチャンスと捉え、取り組んで頂きたいと思います。

素形材産業発展のため、当室では以下の取組を進めてまいります。

取引適正化への取組として、昨年は「素形材産業取引ガイドライン」の改訂、「知的財産取引に関するガイドライン」および契約書ひな型を策定しました。

また、「価格交渉促進月間」にて講習会、相談対応などを実施しました。今年も価格交渉を促進してまいります。

本年は、人材育成と素形材産業の魅力向上への取組として、教育機関との連携を通じて、技術系人材の充実・強化を目指します。

昨年は、埼玉県の工業高校に講師を派遣し、素形材産業に関する授業を開催しました。

工場見学や事業者による授業など、魅力を伝える体験機会を増やし、人材確保を進めたいと考えております。

皆様におかれましては、今後とも様々な御意見を頂ければ幸甚です。

PART3

日本金型工業会東部支部 鈴木 教義支部長「果敢にチャレンジし続ける」

昨年は、一昨年に続き新型コロナウイルスへの対応に翻弄された一年だったように思います。新型コロナウイルスと共生する新しい生活様式へとまた一歩前進した年であったとも言えます。

環境問題に関する話題が大きく取り上げられました。世界各国が相次いでカーボンニュートラル達成目標を公表し、国内でも気候変動・SDGsへの取組みがより本格化した年となりました。

サプライチェーンリスクが世界中を席巻。感染拡大の影響によるアジア諸国の工場稼働停止、自動車・家電製品の特需等による半導体不足、急激な経済活動再開に伴う原油高騰など、今まで当たり前に調達できたものが入手困難に陥りました。

世界が大きく変動する中、私達は極めて厳しい経営を迫られています。環境に配慮した金型づくり、次世代製品への生産シフト、デジタル社会への対応、若手人材の採用・育成と、やるべき事は枚挙に暇がありません。これら多様化する課題に対し、果敢にチャレンジし続けることによって、必ずチャンスが訪れ成長できる、と考えます。

各社の成長・発展へと繋がる研修会や工場見学会の開催など、皆様が参加しやすい方法で計画してまいります。

PART4

日本金型工業会中部支部 山田 徹志支部長「対面、リモート織り交ぜて」

世の中がこの様な状態になって2年の年月が流れてしまいました。未だ、先が見えにくい状態が続いているのではないでしょうか。中々終息が見えてこないことに「人の業」を感じずにはいられません。ただ、ワクチン接種率もかなり上がり、感染率も劇的に減少している所など日本人の勤勉さが象徴されており、その勤勉さが「ものづくり」にもつながっていると感じるのは私だけでしょうか。

さて、この2年ほどの間、リモートによる事業を行ってまいりました。リモートならではの良さもあり、今後もリモートを活かした事業は継続すべきと考えております。遠方の方でも気軽に参加が出来、モニター越しではありますが皆さんのお顔が拝見でき、少なからず親近感をもって出来ると思いますし、リモートだからこそ成り立つ事業を見つけ出すことも出来ました。

しかし、逆に、対面の必要性、利点を改めて感じることの出来た2年間ではありました。本年も対面、リモート織り交ぜながら事業を進めてまいります。

本部は国とのパイプをより太くしつつ会員の皆様がその恩恵を受けることが出来る事業を行い、支部は会員の皆様同士の交流が出来るような事業を行なえるように致します。

PART5

日本金型工業会西部支部 山中 雅仁支部長「ボケ防止と創造性の発揮」

令和に入って早や3年が経ちます。この間、社会全体としては、多様な価値観を受け入れ、創造性を高める必要性が急速に高まったように思います。

昨年、「脳トレ」で知られる東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太氏の講演を聴く機会がありました。川島氏曰く(私の理解ですが)、ボケ防止と創造性を高めるには、脳の「前頭前野」を鍛えなさいとの内容で、具体的には、スマホを止めて読書をしましょうとの話です。リアルに人に会い、コミュニケーションをとることも、実は「前頭前野」を鍛えることとしては重要と指摘されています。

当支部では、大好評でありますオンライン形式のセミナー(勉強会)を今後もさらに充実したものにしていきます。

今年も不易なテーマである「人材育成」は勿論、皆様のご意見を頂きながら、顧客提供価値の拡大の一助になる企画を仕立てたいと思います。

本稿が掲載の翌月は、対面形式の金型シンポジウムが大阪で開催されます。多くの皆様と五感で感じ、「前頭前野」が鍛えられるコミュニケーションができることを今から楽しみにしております。

PART6

素形材センター 青木 宏道会長「最大限の機能活用を」

昨年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」は、電力部門に対して脱炭素化を求める一方、我が国の総温室効果ガスの32%を排出する産業部門に対しては、非化石エネルギーの導入拡大を促す規制体系への見直しが検討されるほか、石油危機後20年間で達成したエネルギー効率を更に上回る野心的な省エネルギーの深掘を2030年までに実現することを求めています。

素形材産業は製造業の中でもエネルギ—原単位が相対的に高く、また、我が国においては中小企業が多いことから、このような急激かつ甚大な影響が生じる環境変化に対応するための経営資源や情報が必ずしも十分ではありません。

素形材産業の皆様が現下の厳しい経済状況を一刻も早く克服されるとともに、更に中長期の課題に取り組まれますよう、より多くの方々にご参加頂けるようにオンライン化した素形材技術セミナーや技術研修講座、経営セミナーや研究会等を展開するなど、今後とも素形材産業の人材育成、普及啓発、交流促進などの各種事業を一層充実して、皆様を積極的にご支援して参る所存ですので、是非とも当センターの機能を最大限に活用して頂きたいと願っております。

PART7

岐阜県金型工業組合 加藤  丈詞理事長「才知を研ぎ澄ます」

「虎」は、毛皮の模様から前身が夜空に輝く星と考えられていた存在で『決断力と才知』の象徴としての意味もあるそうです。新しい年明けとともに「新たな光」が差し込む1年となることを祈らずにいられません。

材料・鋼材を含めて諸価格の値上げ、円安、コロナ再燃不安…経済活動の再開を阻むように大きな課題が遮る中、その波と抗いながら私ども金型業界は幸運にも忙しい年明けを迎えさせて頂いております。

傘下企業は、それぞれに国や県市町からの各種補助金、助成金等をフルに活用し、設備投資、新規事業への進出、ITC、DX化などに取り組んでいると推察します。

金型の付加価値を高める努力、新たな技術開発、商品化への挑戦、まさに才知を研ぎ澄ましております。一方、昨年5月に現職を引き継いだものの、組合活動は低空飛行状態で申し訳なく思っております。

徐々にではありますが、組合員に求められる組合事業の展開を続ける年にしてまいります。

PART8

日本金属プレス工業協会 高木 龍一会長「日本経済が成長を取り戻す」

新型コロナ災禍も2年目を迎え、ワクチン接種等の対策も進み、経済活動を正常にもどす努力が各業種・業態で行われております。しかし完全復活には遠い実態の様に見受けられます。我々の業界も資材の高騰・半導体不足などに見舞われ、正常な生産活動が難しい局面が続いています。

今年は寅年で、動物の虎からも発想できるように勇猛果敢であり、周りを見渡す力がある事から問題などが明確になりやすい年という意味があるそうです。長年、世界経済の成長からひとり取り残された日本経済も構造にメスが入り、過去の成長軌道を取り戻せる機会の年になればと切に希望しております。

PART9

日本ダイカスト協会 浦上 彰会長「かけがえのないパートナー」

環境問題について、COP26において、成果文書が採択され、この10年間での行動を加速する必要があるとしました。ダイカスト業界におきましても、製造工程におけるCO2排出量削減のみならず、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減は業界全体の課題であると捉えています。省エネルギー生産設備の導入や再生可能エネルギーへの転換等、将来を見据えたCO2削減への取り組みは業界全体で継続的な検討が必要な課題です。自動車産業もカーボンニュートラルに向けて、自動車の電動化やEV化などのZEV(ゼロエミッションヴィークル)の開発などを加速させると思われます。

こうした動きに対して、クルマの軽量化などを通じた電費や燃費の向上など航続距離延伸への貢献や複雑形状の一体成形による部品点数の削減、リサイクル性の高さを活かしたCO2削減への寄与など、これまで以上の貢献が期待で
きるものと考えています。

昨年8月に「素形材産業取引ガイドライン」が改定されました。サプライチェーン全体における適正な取引の実現に向け推進して参ります。

ダイカスト産業は、自動車産業をはじめとしたものづくりの基盤を支える重要な産業です。時代の変革に対応し、「ユーザーにとってかけがえのないビジネスパートナー」として安定した製品供給を果たしていく必要があります。

今後も情報収集と情報発信を協会活動の柱とし、日本のダイカスト産業の発展に引き続き貢
献したいと考えています。

金型新聞 2022年1月10日

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