金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

04

新聞購読のお申込み

次世代の匠の技を考える 記者の目

PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」
PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァース
PART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエム
PART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成
PART5:「現代の名工に聞く、次世代の匠に必要なもの」三井ハイテック

記者の目

匠とは高度な技術を持つ人のことを指す。「特集:次世代の匠の技を考える」のアンケートや取材で感じたのは、匠自身がその優れた技能を持つことそのものにそれほど頓着が無いことだ。

金型の性能や品質、生産効率、コスト競争力を高めるために知恵を絞り、腕を磨く。金型づくりは難しく、だからこそ面白く、やりがいを感じ、四六時中考え、挑戦してしまう。

そうするうちにノウハウを蓄積し、感覚が磨かれ、いつしか周りの人に匠を意味する愛称で呼ばれるようになった。匠になろうとしてなったわけではなく匠はその結果、という感じだ。

それより匠の関心はそのプロセスの中で何を身につけてきたかということにあるのではないか。失敗と成功の中で何を学び、感性を養い、技能を自らのものにしてきたか。

次世代の匠の技術として注目される「デジタル技術や自動化」。これらもそうした長年の間に培った金型づくりの知恵や経験、ノウハウが乏しければ使いこなせない。

匠が次代の技術者に求めるのは金型づくりの根源的な技能である「五感による能力や感性を磨くこと」。基礎の技能習得を怠らないこと、そして基礎の技能から多くの技術が発展することは時代を越えて変わらないというメッセージだ。

ただ、案じていたのが技能を身につける環境。スマートワークや効率化の動きが広がる中、以前のように「背中を見て、時間をかけて」指導を受けることができない。分業でそのセクションしか経験できない。生産材の技術革新が早すぎる。

企業が生産性向上や働き方改革を推進する中で今の指導環境は変わりそうにない。となると、次世代には時間や組織に制限がある中で指導できる「教育の匠」が必要かもしれない(中)。

金型新聞 2022年2月10日

関連記事

【特集】リーダーの条件

 昨秋、日本金型工業会は6年ぶりに改訂した「令和時代の金型産業ビジョン」で、金型メーカーはこれまでのように単に言われたものを作るだけの「工場」から、顧客に価値提供する「企業」への変革が必要だと指摘した。これまで続けてきた…

進化への岐路
2020年 日本の金型

 2020年の金型業界はコロナ禍に翻弄された年になった。自動車産業を始めとしたユーザーの生産減や開発遅延などにより、金型需要は減少し、景況は悪化した。一方で、これまでと同じような活動ができないことで、ビデオ会議システムや…

電動車で変わるプレス機械のニーズ 高精度、大型化が加速する[プレス加工技術最前線]

高張力鋼板(ハイテン材)の増加や、自動車の電動化で必要となるプレス部品の精密化などにより、プレス金型は高度化している。金型はプレス機の精度や剛性に倣ってしまうため、これまで以上に金型とプレス機の両方の知見が重要になってい…

工場長に求める条件とは?! 金型メーカー経営者にアンケート【特集:工場長の条件】

チームで業務遂行する力 金型づくりが高度化し、先が読みづらい時代。だからこそ、工場長の役割がより重要になり、また求められることも変化しているのではないか。そう考え、本紙では「経営者が今の工場長に求める条件は何か」を探るた…

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】2.AIの進化

稼働止めない機能や技能支援 人工知能(AI)を活用したさまざまな機能やサービスが登場している。AIの進化に加え、センシング技術の高度化で、従来把握できなかったデータが収集できるようになり、AIに読み込ませるデータ量が増え…

トピックス

関連サイト