金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

29

新聞購読のお申込み

次世代の匠の技を考える 記者の目

PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」
PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァース
PART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエム
PART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成
PART5:「現代の名工に聞く、次世代の匠に必要なもの」三井ハイテック

記者の目

匠とは高度な技術を持つ人のことを指す。「特集:次世代の匠の技を考える」のアンケートや取材で感じたのは、匠自身がその優れた技能を持つことそのものにそれほど頓着が無いことだ。

金型の性能や品質、生産効率、コスト競争力を高めるために知恵を絞り、腕を磨く。金型づくりは難しく、だからこそ面白く、やりがいを感じ、四六時中考え、挑戦してしまう。

そうするうちにノウハウを蓄積し、感覚が磨かれ、いつしか周りの人に匠を意味する愛称で呼ばれるようになった。匠になろうとしてなったわけではなく匠はその結果、という感じだ。

それより匠の関心はそのプロセスの中で何を身につけてきたかということにあるのではないか。失敗と成功の中で何を学び、感性を養い、技能を自らのものにしてきたか。

次世代の匠の技術として注目される「デジタル技術や自動化」。これらもそうした長年の間に培った金型づくりの知恵や経験、ノウハウが乏しければ使いこなせない。

匠が次代の技術者に求めるのは金型づくりの根源的な技能である「五感による能力や感性を磨くこと」。基礎の技能習得を怠らないこと、そして基礎の技能から多くの技術が発展することは時代を越えて変わらないというメッセージだ。

ただ、案じていたのが技能を身につける環境。スマートワークや効率化の動きが広がる中、以前のように「背中を見て、時間をかけて」指導を受けることができない。分業でそのセクションしか経験できない。生産材の技術革新が早すぎる。

企業が生産性向上や働き方改革を推進する中で今の指導環境は変わりそうにない。となると、次世代には時間や組織に制限がある中で指導できる「教育の匠」が必要かもしれない(中)。

金型新聞 2022年2月10日

関連記事

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】3.自動化

プログラム作成やワーク搬送 人手不足への対策だけでなく、品質向上の観点からも自動化ニーズは高まっており、それに対応する技術は進化している。また、プログラム作成やワークの搬送など自動化の領域が多様化している。 金型づくりで…

中辻金型工業 切削工具を自社開発

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

【特集】新時代の金型自動化

現場の生産性向上、人手不足の解消に向けて、多くの金型企業が関心を寄せる自動化。近年の自動化技術は目覚ましい進化を遂げており、ロボットやIoT、AIなどの次世代技術によって、これまで以上に高度な自動化が可能になっている。こ…

自動車金型、2024年秋に需要回復か【特集:自動車金型の未来】

自動車の金型が試練の時を迎えている。半導体不足に端を発する新車開発の相次ぐ延期で受注が減少している。一方、電気自動車(EV)シフトが技術と産業構造に変革を迫る。生き残るカギは変化のうねりを見極め培ったノウハウや強みを生か…

型種や工法の壁無くし、デジタルを活用 【変わるトヨタの型づくり】

モビリティカンパニー目指し、金型づくりを大変革 クルマを造る会社から、多様な移動手段を提供する「モビリティカンパニー」に変化するトヨタ自動車。モノづくりでも変革を進めている。2020年に試作や量産など内製部門を集約した「…

トピックス

関連サイト