金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

02

新聞購読のお申込み

「計測、CAD/CAM、CAE技術生かし、DX化を推進」Hexagon先端技術開発室・立石源治室長【この人に聞く】

Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション」の開発に注力している。Hexagonの立石源治氏に特長や今後の展開などを聞いた。

データ共有しデジタルツイン

スプリングバックを予測

たていし・もとはる
1957年生まれ、佐賀県出身。83年明治大学理工学部卒業後、日本マーク入社。2003年京都工芸繊維大学で工学博士を取得。17年エムエスシーソフトウエアテクニカルフェロー、現在はHexagon先端技術開発室室長。日本計算工学会フェローも務める。

「Smart Manufacturingソリューション」とは。

Hexagonが持つ計測、CAE、CAD/CAM技術を統合し、顧客のものづくり改革を支援するソリューションだ。手戻り・試作の削減やリードタイムの短縮を実現するために、製造現場で取得したデータを上手く管理、 共有し、 デジタルツイン技術を活用して製造プロセス全体を最適化する仕組みを提案している。

具体的には。

製造プロセス全体を最適化するには、データを上手く共有できる仕組みを作ることが重要だ。当社では設計から生産まで製品のライフサイクルを通したデータの管理が可能なシステム「ViLMa(ビルマ)」を提供している。CAD情報や計測データ、シミュレーションデータを紐づけて管理でき、蓄積したデータは品質管理だけでなく、デジタルツインの構築にも活用できる。

どういうことか。

デジタルツインはこれまで、現実を上手く表現するために、熟練作業者が高度なノウハウを駆使して計測データのばらつきを分析しながら調整し、合わせ込んでいた。「Smart Manufacturingソリューション」では、AIを活用することで、蓄積したデータから高性能なデジタルツインを構築できる。誰でも扱える点がこれまでのデジタルツインとの違いだ。リアルとバーチャルの両方の技術を持っているHexagonだからこそ可能な技術と言える。

金型向けのソリューションは。

現在、板成形に特化した金型設計最適化システム「Smart Press Shop(スマートプレスショップ)」を開発している。性能の高いデジタルツインによって、高精度なスプリングバックの予測や見込みを考慮した型形状の作成、補修時期と部位の推定、仮想検具による全品検査などが可能になる。これにより、実機での試作回数を大幅に減らせ、量産までのコストや工数を削減できる。

今後の展開は。

今後も計測、CAE、CAD/CAM技術を進化させ、ソリューションを拡充させていく。まだまだ日本の製造業は部門間での分断があり、全体での最適化が図れていないという課題がある。部門間をシームレスにつなぐ環境を提供し、ものづくりのさらなる効率化、高精度化に貢献したい。

金型新聞 2022年6月9日

関連記事

ギガでアルミのニーズ高まる 木村鋳造所 木村崇専務インタビュー

薄肉の低圧鋳造技術を強みとするドイツのグルネバルド社と提携し、砂型鋳造で、アルミの試作部品を手掛ける木村鋳造所。同社の木村崇専務は「アルミの大型試作部品は急増している」と話す。試作はいずれ量産に移行するため、金型の動向を…

米山金型製作所が「微細成形ラボ」を設立するワケ

微細成形ラボを設立 量産化までの支援サービスを提供 自動車や医療などの精密プラスチック射出成形用金型を手掛ける米山金型製作所は今年9月、微細成形技術が提供可能な「微細成形ラボ」を設立する。既存設備よりも大型の射出成形機を…

難しい金型<br>日本へUターン

難しい金型
日本へUターン

日本工業大学大学院教授 横田 悦二郎氏に聞く 「ユニット」や「軽量化」がカギ  日本金型工業会で学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は「国内に戻る金型は出て行った時と内容は異なり、高度化して回帰している」…

【ひと】住友電工焼結合金金型開発室長 ・栢野正治さん 技能検定への功労が瑞宝単光章に

技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。 岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を…

社名変更し、再出発 黒田克典氏(プロテリアル 特殊鋼事業部 工具鋼部長)【この人に聞く】

プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…

トピックス

関連サイト