金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

29

新聞購読のお申込み

「計測、CAD/CAM、CAE技術生かし、DX化を推進」Hexagon先端技術開発室・立石源治室長【この人に聞く】

Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション」の開発に注力している。Hexagonの立石源治氏に特長や今後の展開などを聞いた。

データ共有しデジタルツイン

スプリングバックを予測

たていし・もとはる
1957年生まれ、佐賀県出身。83年明治大学理工学部卒業後、日本マーク入社。2003年京都工芸繊維大学で工学博士を取得。17年エムエスシーソフトウエアテクニカルフェロー、現在はHexagon先端技術開発室室長。日本計算工学会フェローも務める。

「Smart Manufacturingソリューション」とは。

Hexagonが持つ計測、CAE、CAD/CAM技術を統合し、顧客のものづくり改革を支援するソリューションだ。手戻り・試作の削減やリードタイムの短縮を実現するために、製造現場で取得したデータを上手く管理、 共有し、 デジタルツイン技術を活用して製造プロセス全体を最適化する仕組みを提案している。

具体的には。

製造プロセス全体を最適化するには、データを上手く共有できる仕組みを作ることが重要だ。当社では設計から生産まで製品のライフサイクルを通したデータの管理が可能なシステム「ViLMa(ビルマ)」を提供している。CAD情報や計測データ、シミュレーションデータを紐づけて管理でき、蓄積したデータは品質管理だけでなく、デジタルツインの構築にも活用できる。

どういうことか。

デジタルツインはこれまで、現実を上手く表現するために、熟練作業者が高度なノウハウを駆使して計測データのばらつきを分析しながら調整し、合わせ込んでいた。「Smart Manufacturingソリューション」では、AIを活用することで、蓄積したデータから高性能なデジタルツインを構築できる。誰でも扱える点がこれまでのデジタルツインとの違いだ。リアルとバーチャルの両方の技術を持っているHexagonだからこそ可能な技術と言える。

金型向けのソリューションは。

現在、板成形に特化した金型設計最適化システム「Smart Press Shop(スマートプレスショップ)」を開発している。性能の高いデジタルツインによって、高精度なスプリングバックの予測や見込みを考慮した型形状の作成、補修時期と部位の推定、仮想検具による全品検査などが可能になる。これにより、実機での試作回数を大幅に減らせ、量産までのコストや工数を削減できる。

今後の展開は。

今後も計測、CAE、CAD/CAM技術を進化させ、ソリューションを拡充させていく。まだまだ日本の製造業は部門間での分断があり、全体での最適化が図れていないという課題がある。部門間をシームレスにつなぐ環境を提供し、ものづくりのさらなる効率化、高精度化に貢献したい。

金型新聞 2022年6月9日

関連記事

金型・プレス加工メーカーと精密板金加工メーカーがロックバンド・ギタリストとコラボし、特注ギターパーツを製作

プレス加工・金型製作を手掛ける新栄ホールディングス(東京都中央区、中村新一社長、以下「新栄HD」)と精密板金加工などを手掛ける浜野製作所(東京都墨田区、浜野慶一CEO)の2社が連携し、4人組ロックバンド「Plastic …

米山金型製作所が「微細成形ラボ」を設立するワケ

微細成形ラボを設立 量産化までの支援サービスを提供 自動車や医療などの精密プラスチック射出成形用金型を手掛ける米山金型製作所は今年9月、微細成形技術が提供可能な「微細成形ラボ」を設立する。既存設備よりも大型の射出成形機を…

【インタビュー】扶桑精工・松山広信社長「攻めの企業を目指す 」

営業改革や自社ブランド開発 まつやま・ひろのぶ1980年生まれ、東京都出身。2004年立教大学卒業後、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、営業、企画などを経験した。19年扶桑精工に入社、20年同社社長に就任し、現在に…

デジタル技術を活用し工法の最適化、人材育成、新製品開発に挑む熱間鍛造金型メーカー【金型の底力】

伊藤製作所(愛知県弥富市)は熱間鍛造金型やダイセットを主力とし、クランクシャフトなどの自動車向けや建機・重機、免振装置、航空機といった幅広い市場で活躍する。特に大型の金型やダイセットが得意で、ダイセットは500~6300…

「選べる工具40万点、金型メーカーにより便利に使ってほしい」さくさく社長・溝口典宏氏

切削工具販売サイト「さくさく」は4月1日、新たに国内外メーカー約40社の商品約40万点の取り扱いを始めた。1年以内をめどに、それらの商品の性能や価格を比較し選べるようにするなど利便性を高めていく。サイトを運営する、さくさ…

トピックス

関連サイト