金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

26

新聞購読のお申込み

「計測、CAD/CAM、CAE技術生かし、DX化を推進」Hexagon先端技術開発室・立石源治室長【この人に聞く】

Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション」の開発に注力している。Hexagonの立石源治氏に特長や今後の展開などを聞いた。

データ共有しデジタルツイン

スプリングバックを予測

たていし・もとはる
1957年生まれ、佐賀県出身。83年明治大学理工学部卒業後、日本マーク入社。2003年京都工芸繊維大学で工学博士を取得。17年エムエスシーソフトウエアテクニカルフェロー、現在はHexagon先端技術開発室室長。日本計算工学会フェローも務める。

「Smart Manufacturingソリューション」とは。

Hexagonが持つ計測、CAE、CAD/CAM技術を統合し、顧客のものづくり改革を支援するソリューションだ。手戻り・試作の削減やリードタイムの短縮を実現するために、製造現場で取得したデータを上手く管理、 共有し、 デジタルツイン技術を活用して製造プロセス全体を最適化する仕組みを提案している。

具体的には。

製造プロセス全体を最適化するには、データを上手く共有できる仕組みを作ることが重要だ。当社では設計から生産まで製品のライフサイクルを通したデータの管理が可能なシステム「ViLMa(ビルマ)」を提供している。CAD情報や計測データ、シミュレーションデータを紐づけて管理でき、蓄積したデータは品質管理だけでなく、デジタルツインの構築にも活用できる。

どういうことか。

デジタルツインはこれまで、現実を上手く表現するために、熟練作業者が高度なノウハウを駆使して計測データのばらつきを分析しながら調整し、合わせ込んでいた。「Smart Manufacturingソリューション」では、AIを活用することで、蓄積したデータから高性能なデジタルツインを構築できる。誰でも扱える点がこれまでのデジタルツインとの違いだ。リアルとバーチャルの両方の技術を持っているHexagonだからこそ可能な技術と言える。

金型向けのソリューションは。

現在、板成形に特化した金型設計最適化システム「Smart Press Shop(スマートプレスショップ)」を開発している。性能の高いデジタルツインによって、高精度なスプリングバックの予測や見込みを考慮した型形状の作成、補修時期と部位の推定、仮想検具による全品検査などが可能になる。これにより、実機での試作回数を大幅に減らせ、量産までのコストや工数を削減できる。

今後の展開は。

今後も計測、CAE、CAD/CAM技術を進化させ、ソリューションを拡充させていく。まだまだ日本の製造業は部門間での分断があり、全体での最適化が図れていないという課題がある。部門間をシームレスにつなぐ環境を提供し、ものづくりのさらなる効率化、高精度化に貢献したい。

金型新聞 2022年6月9日

関連記事

日新精機 社長 中村 稔さん
〜ひと〜

ユーチューブでものづくりの魅力伝える  「皆さん、どうもこんにちは」。動画投稿サイト「ユーチューブ」で、自身を模したキャラクターとアニメーションにのせてものづくりの基礎知識を解説する。話題は自身が手掛ける冷間圧造金型に関…

学生教育でCAEを活用 岩手大学【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

CAEを活用しているのは企業だけではない。岩手大学では、樹脂流動解析ソフト「3DTimon」(東レエンジニアリングDソリューションズ)を学生の教育で利用している。樹脂を流す際、最適なゲート位置などを自らの勘や経験から教え…

倉敷機械 1台で複数加工がこなせる機械、金型加工の効率化を実現

工作機械メーカーの倉敷機械は、金型加工の効率化を実現する機械の提案を強化している。 今年1月には5軸マシニングセンタ(MC)に横中ぐり機能を搭載した「KTR‐1200」を発売。この新型は中ぐり主軸を繰り出すことで、特殊工…

日本金型工業会 市場拡大WGリーダー 大場総一郎氏に聞く【特集:日本金型工業会第14回定時総会】

営業力強化し、海外市場開拓 日本国内の市場が縮小傾向にあり、受注を待っているだけでは、金型メーカーは厳しい状況が続きます。現状を打破するためには、金型メーカーが自立して仕事を受注し、市場拡大を自ら成し遂げるのが理想です。…

ALPHA LASER ENGINEERING 市川修社長インタビュー

研削力高いセラミック砥石 ALPHA LASER ENGINEERINGは昨年11月、独自ブランドの金型用セラミック砥石を発売した。優れた研削能力や耐熱性が特長で、広がる金型リユースの需要に応えていくという。市川社長に開…

トピックス

関連サイト