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太陽光発電導入し、CO²排出量を削減 J-MAXが取り組むCNに向けた取り組み

脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2 を削減すること。そしてもう一つは、顧客のCO2 削減に貢献する金型の開発や提案だ。カーボンニュートラルの達成に向け、積極的に取り組む金型メーカーを取材した。

太陽光発電設備を導入

屋根に設置した太陽光パネル

AGVやトラック便、 工場塗装にも工夫

熱反射塗装で断熱

J‐MAX(旧丸順、岐阜県大垣市、0584-46-3191)は、カーボンニュートラルに向けた取組みを加速している。

昨年10月にサステナビリティ方針を作成し、プロジェクトを始動。CO2排出量削減など重要課題とKPIを設定した。今期はサステナビリティ推進室を新設し、活動を加速させている。

まず太陽光発電設備の導入。すでに国内外の3拠点で導入しており、タイ・マルジュンでは消費電力量の30%を賄う太陽光発電設備が7月に完成する。本社工場も現設備の倍増に今年着工し、同20%をカバーする計画だ。さらに、発表したばかりの岡山新工場(2024年3月竣工予定)にも設置し、同50%をカバーする計画。今後も追加導入を検討していく。

また、岡山新工場にはエンジンフォークリフトに代わりAGV(無人搬送車)を導入することでCO2 排出量を削減する。材料ピックアップから機械へのセットまでをAGVを使って自動化対応する。既存工場へのAGV導入については、機械の改造も必要となるため、今後の検討課題となる。

さらに、トラック輸送だ。積載効率の改善や便数の削減を推進しており、得意先も含めたサプライチェーン全体で効率的なトラック便の運用、減便のプランを作成し、トラック輸送による化石燃料の消費・CO2 排出量を2/3まで削減する考え。岡山工場を新設することにより、岡山地域の得意先に納入するためのトラック便を減らすことが可能になり、ひいては化石燃料の消費・CO2 排出量削減に繋がる。

同社では、2019年、本社工場敷地内に3000㌧トランスファープレスを擁した新工場を建設した際、熱反射塗装による断熱構造の採用や、採光を考慮した設計による照明電力の削減、フルLED照明の採用など、従来から消費電力削減に取り組んできた。サステナビリティ推進室を核に世界全拠点で、カーボンニュートラルに向けた取組みを強化していく。

金型新聞 2022年7月1日

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