プレス金型から加工までを手掛ける昭芝製作所は「金型スマート棚卸・探索システム」を自社で開発し、2019年に導入。同システムは、無線自動識別(RFID)を活用し、簡単に金型の探索や棚卸ができる。 同社では約4000型を管理…
年間500型以上を生産する工場長が実践する現場のスケジュール管理、最適化術【特集:工場長の条件】
時には経営者、時には教え諭す教育者—。工場長には多様な役割が必要だ。こうしたマルチタスクをこなすために、どのようなことを意識しながら、責務を果たしているのか。現役工場長に、工場長としての哲学を聞いた。
工程管理の見える化
黒田製作所 常務 安藤 進氏

あんどう・すすむ
1992年に入社し電算課へ配属。2008年に3D型設計と自動穴CAMの確立、大連工場の立ち上げを経て、20年に常務取締役に就任。1969年生まれ、岐阜県出身。
現場のモチベーション向上
当社は車用スピーカーやドアトリムなど内装品、グリルなど外装品、レジスタなど小物から2000tクラスの大物金型まで手掛け、昨年度は533型を製作しました。中国大連や台湾・韓国でも製作し、国内工場は新型製作と同時に海外で製作した金型の設変・玉成も行うため、現場のスケジュールが目まぐるしく変化します。その管理や最適化を図るのが工場長の大きな役割です。
当社も長年、工程管理の難しさを痛感しており、『現場の情報共有化』をテーマに、情報の見える化を進めています。まずは、SQL基幹サーバ(KUROP)を立ち上げ、仕入・販売・購買情報、金型出入りに関連するトラック日程管理、客先指示書の配布管理、社員の勤怠管理等、全てを一元化しセキュアな環境で誰でもアクセスできる仕組みを整備する事で効率化を図りました。
続けて、もともと工程立案業務に携わっていた一部のCAM課メンバーと共に「製造管理課」を立ち上げ、現場近くで調整役を担う部署としました。以前は営業が直接現場へ指示・依頼していましたが、海外工場での型製作が増加し、混乱することがありました。そこで、「製造管理課」が設計モデルから玉成履歴まですべての金型の情報を集約管理。部品手配の識別、工程の立案や調整を担うことで情報を整理し、営業から最終工程までが混乱しない仕組みを構築しました。
目標はいつも『管理しなくても管理できている状態にすること』。そのため、現在、工程管理システムを自社開発しており、来年2月に稼働予定です。完成すれば、今手書きの職人さんの管理表もオンライン化でき、全工程の情報の集約と共有化が実現できます。金型製作の工程は予定通り進まないのがほとんど。システムの稼働で現場の予定と実績を把握でき、次の課題に取り組めます。
当社は来年、新工場を立ち上げ、3000tのトライ用成形機も導入し、大型金型を強化します。新たな挑戦を進める一方で、現場の人材育成やモチベーション向上は課題です。現場の自動化も進め、残業時間の削減も実現していますが、若手の定着率など課題が残ります。定着率を上げるには金型の仕事の魅力作りが必要で、業界全体の課題でもあります。私も金型職人を絶やさないように人材育成に取り組みたい。
金型新聞 2022年10月10日
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