金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

12

新聞購読のお申込み

-混沌の時代を切り拓く- 金型メーカーの連携

金型広がる協力の輪

 金型メーカー同士や異業種、加工技術などを軸とした様々な形での連携や協業の重要性が高まっている。ユーザーの海外展開に伴うサポートや需要開拓、技術の複合化や高度化などによって、金型メーカー単独では顧客の要望に応えきれないことが増えているためだ。こうした要望に応えるため、金型メーカー同士で連携したり、異業種でネットワークを構築したり、業界団体を立ち上げたりするなど、様々な形で連携が進んでいる。

海外対応や技術の高度化
タッグ組み対応の幅広げる

埼玉県の金型メーカーなど異業種5社でつくるチーム入間のメンバー。今年で発足から11年目を迎えた

 共同受注などの連携や協業はこれまでもあったが、その重要性が増している。人や設備など経営資本に限りのある金型メーカー単独では、対応しづらいことが増えていることが背景にある。

 その一つが加速する市場のグローバル化だ。昨年の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は2755万台。そのうち海外が1834万台なのだから、海外での金型需要はもとより、補修などの対応も増えるのは当然だ。

 18年に業務提携した、プラスチック金型の伊勢金型工業と名古屋精密金型、ゴム型のエムエス製作所の3社もこの動きに対応する。相互の海外拠点を活用し、保守・メンテナンスで協力。グローバル化が進む顧客対応を最小投資で支援する。

 海外の需要開拓も単独では難しい。企業間の連携ではないが、18年に発足した、金型メーカーも参画する「微細加工工業会」は、2月にアメリカで開かれる医療系の展示会に共同出展し、海外での需要開拓を目指す。

 マルチマテリアル化に代表される技術の複合化や高度化への対応でも連携が重要になっている。アルミや樹脂、ハイテン材など複合的な知見が必要になることが多いからだ。ある鉄鋼メーカーの技術者は「どんなに優れた材料でも『使える』形にして初めて採用となる。他の材料や、接合、加工技術など、他分野の知見がより必要になっている」とし、加工メーカーと協業しているという。連携ではないが、三井化学による共和工業やアークのグループ化、東洋鋼鈑による富士テクニカ宮津の子会社化なども、素材から加工までといったこうした流れを反映しているのだろう。

 樹脂や金属など複数の発注先をまとめたいという動きも増えている。管理コスト低減や品質の安定につながるからだ。

 10年以上埼玉県の入間市周辺の加工受託集団「チーム入間」はまさにこの要求に対応する。プレス、プラスチック、ダイカストなどそれぞれ強みを持つ5社で、試作から量産を一括で請け負う提案をする。20年近い協業の歴史を持つ「京都試作ネット」も機械、金属、樹脂、ゴムなどの試作加工に特化したサービスを提供する。

 日本金型工業会の学術顧問の横田悦二郎氏「金型は設備や人が制約条件になってしまうことが多い。日本の金型業界を一つの金型メーカーと捉えれば設備も人もそろっていてもっと色んな事ことができるはずだ」と連携の重要性を話している。

金型新聞 2020年2月10日

関連記事

デジタルとアナログ融合し、型づくりの構想力鍛える 八光技研【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

技術者育成、生産性向上に貢献 開発試作プレス部品の金型、プレス、レーザー加工まで一貫して手掛ける八光技研。アナログとデジタルを融合させる解析ソフトの活用術で、育成や大幅な生産性向上に役立てている。 同社はレーザー加工技術…

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】3.デジタル

管理、調達を効率化 近年の金型工場では人手不足が深刻化しており、デジタル技術の導入による製造工程や管理工程などの効率化に向けた取り組みが加速している。多くの企業がセンシング技術を活用した見える化をはじめ、ITツール導入に…

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

掛け金率選択制に 税控除など利点大きく 社員の第2の人生豊かに 日本金型工業厚生年金基金は昨年11月2日、いったん解散し「日本金型工業企業年金基金」として生まれ変わった。高い予定利率などの旧制度の課題を解決するとともに、…

日本特殊光学樹脂 高精度・高品質の樹脂レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

支える3つのコア技術、大型機導入、 新分野の提案も フレネルレンズをはじめとする特殊なプラスチックレンズの金型製造から成形までを手掛ける日本特殊光学樹脂。同社は分解能10ピコメートル(1000億分の1メートル)の加工機を…

電極工程の自動化で9割のコスト削減に成功 キャノンモールド【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 電極の測定プログラム自動作成 精密プラスチック金型を…

トピックス

関連サイト