金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

15

新聞購読のお申込み

【新春特別インタビュー⑧】オーニック社長・難波 健氏「異なる人材活躍するワンチームとなる」

考え方や能力異なる 人材活躍するワンチーム 時代の変化にしなやかに ~ダイバーシティ~

 1976年生まれ、北海道札幌市出身。99年工学院大学工学部機械工学科を卒業し、オーニックに入社。2013年、社長に就任。経営理念であり創業者(叔父)の意思を受け継ぎ、障がい者が働きやすい職場づくりに日々取り組む。趣味は映画鑑賞、読書。尊敬する人は父・難波功一氏。近ごろのマイブームは靴磨き。

 コロナ禍で需要が減り、一方で脱ガソリン車の動きは産業構造をも揺るがしかねない。日本の金型を取り巻く環境はいま、大きく変化しています。そんな変化の時代を乗り越えるカギの一つが、ダイバーシティ経営だと感じています。

 性別や国籍、身体的能力にこだわらず多様な人が働く。考え方や能力、生い立ちを個性として認め、それぞれの働き方ができる環境をつくる。それは働く人の不便を改善するだけでなく事業全体の改善にもつながるからです。

 オーニックは障がいを持つ人を雇用するために創業した金型部品メーカー。身体的、知的、精神的な様々な障がいを持つ人が働いています。私は1999年に入社し、2013年に叔父の後を継ぎ、働く人が能力を発揮できる職場づくりを続けてきました。

 漢字を読めない知的障がいの人のためにマニュアルの全ての漢字にルビを振る。下半身で温度を感じることが苦手な車イスの人のために作業現場の室温を一定に保つ。

 それはその人たちのためにしたことでした。けれど、ルビを振ったことで他の人もミスが減り、恒温にしたことで金型部品の品質が良くなった。事業全体の改善にもつながったのです。

 それと、ダイバーシティこそいまのような変化の時代に柔軟に対応できるのでは、とも感じています。様々な感性や発想を改善活動や事業展開に取り入れることで、時代の変化にしなやかに対応できると思うのです。

 ものづくりにおいて、人の多様性に合わせるダイバーシティよりも、人の能力や思想が同一的な方が生産性は上がります。けれどそれは市場が一定方向に成長している時の論理で、市場が変化する状態では多様な感性が混在する方が針路を見誤らないと思います。

 ダイバーシティというと障がい者や外国人を雇用することと思われがちですが、私はそうは思いません。成功体験や固定概念の無い新入社員の意見を取り入れる。保育園に子供を送り迎えする社員が参加できる時間に会議を開く。工具は女性が持てる重さにする。

 そうした「多様」な人が活躍できる職場をつくる。そして、「仕事の成果」そのものを尺度として評価する。それがダイバーシティではないでしょうか。ですから、そんなに身構えなくても明日からでもできるんです。やってみればきっと新たな発見や成果につながります。

 それに、全体の成果のために個性を生かす「適材適所」が得意な日本人は、その素養を持っていると思います。それも世界トップクラスの。だから、ダイバーシティでワンチームとなった日本企業はかなり強いと思いますよ。

 オーニックは?。これからはもっと重度の高い障がいを持つ人を受け入れていきます。日本のあらゆる企業でダイバーシティが進んだら、現状のままだと存在価値がなくなりますから。

金型新聞 2021年1月10日

関連記事

難しい金型<br>日本へUターン

難しい金型
日本へUターン

日本工業大学大学院教授 横田 悦二郎氏に聞く 「ユニット」や「軽量化」がカギ  日本金型工業会で学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は「国内に戻る金型は出て行った時と内容は異なり、高度化して回帰している」…

スペシャリスト
シブヤハイテクノ 渋谷公良 社長

 自らの強みを活かし、他分野に事業を広げていくことは経営においては常套(じょうとう)手段だ。シブヤハイテクノは創業以来、磨き続けてきた放電技術を武器に、この戦略を地で行く。形彫りやワイヤ放電の受託加工から始め、電極や、金…

石井洋平さん ユーチューブに動画投稿【ひと】

「どうも、石井精工のユーチューブチャンネルです」。2021年から動画投稿サイト「ユーチューブ」に自社の紹介動画や、使用した工具のレビュー動画などを投稿する。約2年で動画本数は100本を超え、登録者数は1000人を突破した…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

日本発条がササヤマと資本提携する理由【ササヤマ challenge!Next50】

自動車のシートなどを手掛ける日本発条は2015年、ササヤマと資本提携した。日本発条にとって技術連携のパートナーであるササヤマはどんな存在なのか。魅力、期待すること、今後取り組みたいことは。シート生産部の岡井広行氏と安田雅…

トピックス

関連サイト