金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

03

新聞購読のお申込み

【新春特別インタビュー⑧】オーニック社長・難波 健氏「異なる人材活躍するワンチームとなる」

考え方や能力異なる 人材活躍するワンチーム 時代の変化にしなやかに ~ダイバーシティ~

 1976年生まれ、北海道札幌市出身。99年工学院大学工学部機械工学科を卒業し、オーニックに入社。2013年、社長に就任。経営理念であり創業者(叔父)の意思を受け継ぎ、障がい者が働きやすい職場づくりに日々取り組む。趣味は映画鑑賞、読書。尊敬する人は父・難波功一氏。近ごろのマイブームは靴磨き。

 コロナ禍で需要が減り、一方で脱ガソリン車の動きは産業構造をも揺るがしかねない。日本の金型を取り巻く環境はいま、大きく変化しています。そんな変化の時代を乗り越えるカギの一つが、ダイバーシティ経営だと感じています。

 性別や国籍、身体的能力にこだわらず多様な人が働く。考え方や能力、生い立ちを個性として認め、それぞれの働き方ができる環境をつくる。それは働く人の不便を改善するだけでなく事業全体の改善にもつながるからです。

 オーニックは障がいを持つ人を雇用するために創業した金型部品メーカー。身体的、知的、精神的な様々な障がいを持つ人が働いています。私は1999年に入社し、2013年に叔父の後を継ぎ、働く人が能力を発揮できる職場づくりを続けてきました。

 漢字を読めない知的障がいの人のためにマニュアルの全ての漢字にルビを振る。下半身で温度を感じることが苦手な車イスの人のために作業現場の室温を一定に保つ。

 それはその人たちのためにしたことでした。けれど、ルビを振ったことで他の人もミスが減り、恒温にしたことで金型部品の品質が良くなった。事業全体の改善にもつながったのです。

 それと、ダイバーシティこそいまのような変化の時代に柔軟に対応できるのでは、とも感じています。様々な感性や発想を改善活動や事業展開に取り入れることで、時代の変化にしなやかに対応できると思うのです。

 ものづくりにおいて、人の多様性に合わせるダイバーシティよりも、人の能力や思想が同一的な方が生産性は上がります。けれどそれは市場が一定方向に成長している時の論理で、市場が変化する状態では多様な感性が混在する方が針路を見誤らないと思います。

 ダイバーシティというと障がい者や外国人を雇用することと思われがちですが、私はそうは思いません。成功体験や固定概念の無い新入社員の意見を取り入れる。保育園に子供を送り迎えする社員が参加できる時間に会議を開く。工具は女性が持てる重さにする。

 そうした「多様」な人が活躍できる職場をつくる。そして、「仕事の成果」そのものを尺度として評価する。それがダイバーシティではないでしょうか。ですから、そんなに身構えなくても明日からでもできるんです。やってみればきっと新たな発見や成果につながります。

 それに、全体の成果のために個性を生かす「適材適所」が得意な日本人は、その素養を持っていると思います。それも世界トップクラスの。だから、ダイバーシティでワンチームとなった日本企業はかなり強いと思いますよ。

 オーニックは?。これからはもっと重度の高い障がいを持つ人を受け入れていきます。日本のあらゆる企業でダイバーシティが進んだら、現状のままだと存在価値がなくなりますから。

金型新聞 2021年1月10日

関連記事

鳥羽工産 甦れ!往年の名車たち【金型の底力】

「コロナ禍で航空機など需要が落ち込み、試作車市場も変化している」と語ったのは鳥羽工産の傍島聖雄社長。同社は金型製作(プレスや射出成形)から量産(少ロット)まで一貫生産体制を強みに、これまで自動車の試作型や試作車の製作、航…

久野金属工業 金型・プレス・組立一貫生産【金型の底力】

プレス業界の活性化に ハイテン材など高張力鋼板や難加工材のプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業は、次世代車向けのプレス部品の製造を強化するため、約30億円を投じ、愛知県豊明市に新工場を建設。金型からプレス加工、…

鈴木工業 デジタル技術を駆使し、スピード追求した金型づくり【金型の底力】

自動車用プレス金型を手掛ける鈴木工業は、スピードを追求した金型づくりを進める。これまでにシミュレーションソフトなどのデジタルツールを導入したほか、金型部品の分散加工などに取り組み、金型製作のスピードを向上させてきた。足元…

【金型の底力】チヨダ工業 豊富な資源を活用し、新たな価値を創出

木質流動成形でSDGsに貢献 技術で差別化を図る 「木質流動を世の中に広め、木材が樹脂やアルミに変わる新たな材料として注目され、持続可能な社会作りに貢献したい」と話すのはチヨダ工業の早瀬一明社長。SDGsやカーボンニュー…

【ひと】町工場親善大使・羽田詩織さん イベント通じ、町工場の楽しさ伝える

イベント通じ、町工場の楽しさ伝える 本業の司会業やナレーションのかたわら、町工場に子どもたちを集め、ものづくりの楽しさを伝えるワークショップ「町工場たいけん えんにち!」を企画する。町工場親善大使を名乗る、中小製造業の応…

トピックス

関連サイト