金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

17

新聞購読のお申込み

ムトウ 中国ベースを日本品質で提供

日本語対応など取引しやすく

プラスチック金型メーカーのムトウ(東京都江戸川区、03-3656-8651)は、中国製の低価格なモールドベースを日本品質で提供する事業に乗り出す。加工は実績のある中国の協力先に依頼し、打ち合わせなどは現地法人の日本人社員が対応する。日本にいながら、中国製のコストメリットを最大限に得られる体制を構築した。

ムトウは2008年に上海に現地法人「上海武嘉模具商貿有限公司」を設立。以来モールドベースを含め、協力先を開拓してきた。今回はそのネットワークを活用する。月産100型以上の生産能力を持ち、海外企業と取引経験の豊富な現地先に加工を依頼する。

ムトウが作成した数十項目にわたるチェックリストに基づき、出荷前には品質チェックを行うなど、日本と同等の品質を担保した。必要に応じ鋼材のミルシートの提出も可能だ。また、言葉のストレスをなくすため、打ち合わせなどは全て上海に常駐する現地法人の日本人社員が対応する。電話も日本から転送するので、日本にかければ現地社員と話せるようにした。

サイズは成形機で150t~1000tまでで、3次元データだけで全加工モールドベースに対応し、必要であれば2次元図面も無償で提供する。納期は輸送期間も含め25日から対応できる。

価格はサイズで異なるが「当社の実績では最大3割程度のコストダウンにつながったケースもある」(武藤嘉行社長)という。このコストメリットを高めるため、ムトウは間に入らず、現地法人と直接取引するようにした。武藤社長は「モールドベースのコスト削減は協調領域だと思う。できる限り安く提供できるようにしたかった」と話している。

金型新聞 2021年10月10日

関連記事

イチグチ 簡単交換で手軽に研磨作業を 【金型応援隊】

研削・研磨工具を手掛けるイチグチは、顧客のニーズに合わせた多種多様な製品を揃える。金型の修正やメンテナンス作業にも活用できる。簡単に扱えて汎用性が高いのが特長だ。 「マイクロフラップホイル」は、3㎜の細い軸径で凹凸面や曲…

ミスミ 売上高過去最高 22年3月期

自動車関連需要が回復 ミスミグループ本社(東京都千代田区、03-5805-7050)の2022年3月期売上高は、17.8%増の3661億6000万円と過去最高を更新した。営業利益も92%増の522億1000万円と過去最高…

電極工程の自動化で9割のコスト削減に成功 キャノンモールド【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 電極の測定プログラム自動作成 精密プラスチック金型を…

厚地鉄工 樹脂金型・スクリュー向けブラスト装置【金型応援隊】

厚地鉄工はゴムやプラスチック金型、射出成型機用スクリューのクリーニングに特化したブラスト装置「バスロ」を2019年から販売している。基材に付着した樹脂汚れをスピーディーにムレなく除去でき金型メンテナンスの効率化を提案する…

ムトー精工 新工場向け用地を落札 電動車部品を増産

ムトー精工はこのほど、岐阜県各務原市の本社工場の近くに新工場向けの用地を落札したと発表した。増加する電動車向けの受注増加に対応する。工場の着工や規模などは今後詰める。 岐阜県各務原市が進めている工業団地の用地2万2724…

トピックス

関連サイト