セラミックスや焼結機械部品、超硬合金の刃先交換用チップ。これらは粉末にした材料を金型に入れ、成形機で押し固めた後に焼結する「粉末冶金」によって出来上がる。 従来の粉末成形は、成形体の外周に凹凸がついた形状の成形が難しく、…
「微細加工分野に注力」GFマシニングソリューションズ社長・ローラン・キャステラ氏
放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛けるスイス・GFマシニングソリューションズ。今年1月、日本法人(東京都品川区、03-5769-5010)の社長にローラン・キャステラ氏が就任した。今後、金型メーカーを始めとした日本の加工現場にどんなソリューションを提供していくのか。キャステラ社長に日本市場について、注力する取り組みなどを聞いた。

ローラン・キャステラ氏
1966年生まれ、スイス・フリブール州出身。1990年フリブール大学卒業後、シャルミー(現GFマシニングソリューションズ)に入社。1991年に来日し、7年ほどサービスや消耗品販売に従事。台湾や中国の現地法人の責任者を経て、2019年に再来日、22年1月日本法人社長に就任。
自動化を積極的に提案
日本の市場について
昔に比べて日本の市場規模は縮小した。大量生産のための工場が減ったことが要因だろう。一方日本は技術レベルが高く、微細金型などハイエンドな金型を作ることができる。今後はこうした日本でしかできない金型が残っていくと思う。
日本の課題は。
スピードだ。他のアジアの国は常に最新の機械を導入し、自動化を進め、日本よりも早くものを作ることができる。日本はまだまだ人手に頼っているところが大きく、いまだに古い機械と古いプロセスでものづくりを行っている現場が少なくない。機械は常に進化し、能率も向上している。新しい設備への設資は競争力の強化につながるはずだ。
注力することは。
微細加工分野に注力したい。今後、医療や電子、半導体関連など、小さくて難しい部品の需要が増えていくとみている。こうした付加価値の高い分野を探して提案していきたい。
どんな機械があるか。
微細レーザー加工機「マイクロルーション」がその一つ。フェムト秒レーザーで±0・1μmの加工精度を実現する。微細な穴あけ加工や複雑で精密なテクスチャリング加工が可能だ。また、レーザー技術を使った金属3Dプリンタもこれから伸びる技術だと考えている。その他5軸MC「ミクロン」も微細加工分野で実績を重ねており、今後も提案していく。
微細加工以外には。
自動化提案だ。日本で自動化を導入している現場はまだ少ないと感じる。当社の強みは機械、自動化システム、ツーリングをワンストップで提供できることと、どのメーカーの機械でもつなぐことができること。自動化システムやツーリングのブランド「システム3R」の製品を中心に、今後もっと日本の金型メーカーに自動化ソリューションを紹介したい。
海外メーカーはサービスが課題とされている。
今年からサービスパートナーと協力して新たなサービス体制を構築する。これまで以上に迅速な対応が可能になるはずだ。サービスパートナーは今後、徐々に各地区に展開していく。
自身のミッションは。
日本市場で差別化を図るには、加工難度の高い分野や高度な加工技術など、日本の機械メーカーの一歩先を行くようなソリューションを提案していかなければならない。私の役割はそのための戦略を会社にもたらし、チームを引っ張っていくことだと考えている。
金型新聞 2022年8月10日
関連記事
樹脂部品の金型から成形、組み立てまでを手掛けるムトー精工は金属3Dプリンタによる金型づくりを進めている。成形サイクルを上げ、コストダウンや成形機の設備削減などを狙う。さらに、他の技術と組み合わせ、付加価値の向上にもつなげ…
ダイカスト金型メーカーの日本精機は金属3Dプリンタを活用した金型づくりに本格的に乗り出す。7月に金属3Dプリンタ2台を導入した。きっかけはSKD61相当材で造形が可能になり、金型への適用領域の可能性が広がってきたこと。ま…
限界を作りたくない生産工程を見える化 「様々な顧客ニーズに応えられる会社にしたい」と話すのは、山善金型の山下和也社長。同社は精密なプラスチック金型を武器に、日用品から自動車部品、医療機器など幅広い顧客を獲得。モットーは『…
コストダウン、納期短縮図る 自動車用アルミダイカスト部品メーカーの美濃工業(岐阜県中津川市、0573-66-1025)は2021年3月、埼玉県熊谷市に「熊谷金型センター」を設立し、金型製造を開始した。20年10月には静岡…
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 