金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

30

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】2.脱炭素化

求められるスコープ3への対応

2050年の温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(CN)」の実現を目指す動きが活発化している。これまで直接的あるいは間接的なCO2排出量を示す「スコープ1・2』への対応に加え、自動車メーカーなどサプライチェーン全体を示す「スコープ3」への対応が求められている。また、今年は電気料金の高騰が相次いだことで企業経営を圧迫し、スコープ3への対応と同時に省エネによるコスト削減で経営体質の強化が課題となっている。

政府が「カーボンニュートラル」の目標を示した2020年以降、金型業界も脱炭素化(省エネ)に取り組む企業が増えた。代表的なものは「太陽光パネル導入」「コンプレッサや空調機器の刷新」「LEDライト導入」など。金型工場で電力消費の大きいコンプレッサや空調機器など大型設備を刷新すると、消費電力を大幅に削減できたという声も多い。加えて、太陽光パネルや風力発電機など再生可能エネルギーを活用し、工場内の消費電力を賄う動きも活発だ。

上石津工場太陽光パネル(J-MAX提供)

次にCO2削減でテーマになっているのが「機械加工」と「物流」だ。切削工具のリサイクルや再研磨など利活用をはじめ、機械加工の自動化で週末や夜間など電力負荷の低い時間帯に加工するなど機械加工現場の取り組みも出てきた。ある金型メーカー経営者は「電力消費の削減には(投資に対する)イニシャルコストはかかるが、長期的にコストダウンにつながる」と、設備毎の電力使用量の見える化を進める。

来年から喫緊の課題となるのが「物流の2024年問題」で、遠方へ金型を輸送することはCO2排出を含め大きな負荷となる。そのため、自社の輸送ルートを見直し、客先近くへ工場を建設する企業や、自社内にトライ機を導入し、客先で行っていたトライを内製し、金型の往復を減らす動きも出ており、物流に対する取り組みも重要だ。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

【特集:新春金型座談会】広がる世界市場をどう開拓する(Part2)

次の成長市場はどこだ インド、ブラジル、メキシコ、トルコに期待 本紙 山本さんは今後金型需要が伸びる市場はどこだとみていますか。 山本 松野さんが指摘されたようにインドは間違いなく拡大します。松野さんの提携先がある地域は…

日本流のギガ確立へ【特集:ギガキャストの現在地】

自動車の構造部品を大型のダイカストマシンで一体鋳造する「ギガキャスト」。部品点数の減少など、金型づくりに大きく影響する可能性があることから注目を集めている。すでにトヨタ自動車を始め、複数の自動車や部品メーカーらが参入を表…

黒田製作所 工場新設、大型成形機導入 【特集:進む設備の大型化】

大型金型の需要に対応 プラスチック金型を手掛ける黒田製作所(岐阜県羽島郡岐南町、058・247・7423)は自動車向けの大型プラスチック金型に対応するため、本社そばに新工場を立ち上げ、UBEマシナリーの大型射出成形機「3…

明星金属が残業時間を減らすために徹底した2つのこと

金型の品質高めトライ減らす 明星金属工業が手掛けるのは、ボンネットやドアなど自動車ボディー部品のプレス金型。トライ&エラーを重ねて品質を高めていくため完成までの時間が予測しにくい。受注は新車開発の時期に集中するな…

金型メーカー、自動車メーカーが図面データ標準化に向け語り合う【特集:図面データの標準化へ】

型技術者会議2025特別セッション1 で講演 金型のサプライチェーンには3次元や2次元、紙など様々な形式の図面が行き交っている。それが金型設計の時間、コスト、人材育成の手間がかかる原因になっている。サプライチェーン全体で…

トピックス

関連サイト