ソディックと共同開発、大型3Dプリンタを導入 AM技術を武器にギガキャスト向け金型で需要開拓を狙うのが、ダイカスト金型メーカーの日本精機だ。まずは、高い熱交換機能が求められるギガ向け金型で、AMで造形した入れ子部品の採用…
【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】2.AIの進化
稼働止めない機能や技能支援
人工知能(AI)を活用したさまざまな機能やサービスが登場している。AIの進化に加え、センシング技術の高度化で、従来把握できなかったデータが収集できるようになり、AIに読み込ませるデータ量が増えてきたことも背景にある。活用の広がるAIだが、金型づくりや成形をサポートする機能はいくつかに分類できる。
まずは「機械や成形を止めない」機能。プレス機では荷重などのデータをAIで分析し、金型の寿命を予測する機能が登場。金型の交換時期を明確にすることで、急なトラブルを防止する。射出成形機でもさまざまなデータをAIに読み込ませ、成形不良の検知や予兆保全に活かすサービスが出始めている。


工作機械では、工具負荷をAIで分析し、摩耗状態を把握することで、適切なタイミングで工具交換できるようになる機能もある。機械のトラブル防止だけでなく、加工面品位の向上に役立つ。
属人化しがちだった「技能をサポート」する機能も増加している。電極消耗を考慮し加工条件をAIで最適化する放電加工機や、AIを搭載した研削盤もある。材料などの情報を入力するだけで、最適な研削加工システムを推奨する。他にも切削工具や被削材質などのデータをAIに読み込ませることで、最適な工具選定を支援するツールなどもある。
「作業の効率化」をAIが支援するサービスも登場している。その一つが類似図面の検索。ぼう大な過去の図面データを入力することで、AIによって類似図面を素早く検出。加工の参考にしたり、見積もり精度の向上につなげたりする動きが広がっている。また、簡易なプログラム作成をAIが自動で作成するなど機能を実装したCAMも登場している。
金型新聞 2024年12月10日
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