2020年の金型業界はコロナ禍に翻弄された年になった。自動車産業を始めとしたユーザーの生産減や開発遅延などにより、金型需要は減少し、景況は悪化した。一方で、これまでと同じような活動ができないことで、ビデオ会議システムや…
ナガセインテグレックス 超精密加工を自動で、軽く強い機械だから可能に【特集:金型づくりを自動化する】
スマートシステム
ナガセインテグレックスは、超精密化・省人化を実現する各種加工ソフト「スマートシステム」をオプションで提供している。「IGTARP DESIGN(イグタープデザイン)」をコンセプトに製作したSGDシリーズのような運動特性や繰り返し再現性、S/N比が高い超精密研削盤だからこそ実現できる。

まず「スマートサーフアップ」。真直・平面・テーパ・凹凸などの任意形状を、自在に創成することができる。
「スマートアングルアップ」は、専用治具を用いることなく3面の直角面加工が可能。機上計測の結果に基づき、直角加工を完成させる。
そして「スマートアンジュレーションアップ」。これも専用治具を用いることなく、ワークの歪み取り加工ができる。脱磁状態と励磁状態でワークを機上計測し、その差分を逆補正して研削加工すれば歪み取りが完成する。
「スマートエフィシェンシー」は、形状測定し、取り代の少ない箇所は送りを速く、取り代が大きい所は送り速度を抑えて加工することで省人化と高能率加工を可能にする。
さらに、「旋回砥石軸」は、大型ワークの端面や傾斜部の加工を段取り替えせずに加工できる。

これらを組み合わせることで、さらなる自動化も可能になる。例えば、ワーク面を機上計測し、砥石をドレスし、非接触センサで砥石径を測定。切込み量を導き出して自動で切り込めば、自動鏡面研削が可能になる。
新藤良太常務は「繰り返し再現性が高く、振動や温度など外的影響を受けにくい当社のマシンだからこそ可能な超高精度化・鏡面加工であり、省人化であり、高能率化だ。現在も、驚くような加工ができて、お客様のお困りごとを解決する新機能を開発中なので楽しみにして頂きたい」と自信を見せた。
「IGTARP DESIGN」は、革新的な発想で解析技術を駆使し、究極のコンパクト・軽量と、高い静剛性・動剛性を実現し、いわゆる軽くて強い研削盤を生み出した。機種によって違いはあるが、SGDでは、設置面積は、従来機比50%、機械本体の静剛性・動剛性は2倍、各軸の移動速度も1.2~4倍にアップした。
金型しんぶん 2025年6月10日号
関連記事
持ち運びしやすく レーザ機の開発・販売や金型のレーザ肉盛りなどを手掛けるPCL(京都府久御山町、0774-45-2199)は、制御装置や発振器、操作パネルを分離できるレーザクリーナー「CLZ-100」を発売した。 制御装…
金型・部品加工の見積作成における最大の課題は、相応の専門知識がないと見積作成が困難であるという点だ。そのため、熟練者の経験への依存度が高く、さらに加工業者間での金額差異の問題も発生している。これらの課題に対して、半自動化…
ダイカスト市場に参入 「始まりはプラスチック成形向けの3D冷却水管だった」と話すのはKOEI TOOL(旧ケイプラスモールドジャパン、今年4月に社名変更)のAM課の石井陽部長。同社は日本、シンガポール、マレーシア、ベトナ…
ギガキャストで需要広がる 大型ダイカストマシンで自動車の構造部品を一体鋳造する「ギガキャスト」が注目を集めている。国内のダイカストマシンメーカーは型締力9000tのマシンを開発。海外では1万3000tで試作が行われるなど…