金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

17

新聞購読のお申込み

ポートフォリオを再構築 畠山英之氏(キヤノンモールド社長)【この人に聞く】

「金型づくりへのパッションが強い」—。今年4月、キヤノンモールドの社長に就いた畠山英之氏が抱いた同社への第一印象だ。その情熱を武器に、超精密金型など同社でしかできない型づくりを進める一方、海外拡大や外販強化など「事業ポートフォリオの再構築」を進めるという。同時に「業務フローを見直し、リードタイムを短くすることにも取り組む」と話す畠山新社長に強みや課題、目指すべき企業像などを聞いた。

はたけやま・ひでゆき 1990年キヤノン入社、13年キヤノン生産技術本部生産技術研究所、21年生産技術本部成形技術開発センター所長、25年キヤノンモールド社長。

パッションの高さ強み

 キヤノンモールドの第一印象は。

金型づくりにかけるパッションが非常に強いと感じた。現在幹部を中心に面談しているが「金型づくりが楽しい」と言う社員が本当に多い。50年以上金型づくりを積み重ねてきたことに加え、この情熱は強みだと思う。

ほかの強みは。

キヤノングループということもそうだろう。キヤノンのさまざまな資産を活用できるうえ、金型ユーザーであるキヤノンと「こんな機能の金型を作りたい」という情報を共有できるメリットは大きい。この強みを生かしながら、型内組み立てやダイスライドインジェクション(DSI)など、当社にしかできない「超」のつく型づくりに注力する。一方で課題やすべきこともある。

どういう点でしょう。

規模(従業員476人)は強みでもあるが、弱みにもなっている。規模のおかげで、業種の幅を広げたり、開発に注力できたりする。一方、規模が大きいがゆえに情報の伝達が難しい。加工データなどの伝達だけでなく、「この加工終わったよ」とか、「この機械空いてるよ」といった工程間のやり取りもスムーズに進まなかったりする。また、規模に応じた仕事量確保のため、営業の強化も必要だ。

業務フロー見直しリードタイム短縮

どう改善するか。

情報の伝達については、まずは業務フローを見直しているところだ。情報を見える化し、情報の流れを整流化することで、リードタイムを短くしようと声をかけている。

営業は、国内だけでなく海外展開、キヤノン以外の外販強化、業種の幅を広げようと指示している。70台以上あるマシニングセンタを活用して、部品加工したっていいと思う。とにかく幅を広げることで、ポートフォリオの再構築を急ぐ。

目指す企業像は。

社長就任に際し「金型づくりに誇りを持ち、精密加工技術の進化と革新により、お客様に価値を提供し続けよう」とビジョンを設定した。

これを実現するために、まず自らの金型づくりに「自信を持とうよ」と。立ち止まらず、技術を進化させ、新しい技術と融合し続けようと呼びかけている。そして、変化や環境に敏感でいることで、お客様に価値を提供し続ける会社にしたい。

金型しんぶん2025年7月10日号 

関連記事

変化対応できる体質への転換 春田善和氏(冨士ダイス社長)【この人に聞く】

今年1月、超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03・3759・7181)の新社長に春田善和氏が就任した。同氏は管理畑を歩み、財務部長や企画部長を歴任。海外拠点の立ち上げや、事業戦略の策定などに…

【ひと】ケーワールドism社長・澤井健司さん(55) 金型技術生かし自社商品をヒットさせた

金型技術活かし自社商品をヒットさせた  『日本一の金型職人になりたい』と、金型製作に没頭した若き日の澤井健司社長。町工場が集積する大阪・八尾で金型作りに励む日々だったが、ひょんなことから独立し、ケーワールドismを設立。…

リーダーの条件[part1] 経営のカリスマが心掛けていること

サイベックコーポレーション 顧問 平林 健吾氏  1944年生まれ、長野県出身。工作機械メーカー、プレス部品メーカーを経て、73年に信友工業(現サイベックコーポレーション)を設立。2009年顧問。18年旭日単光章を受賞。…

「金型台帳」を データベース化
打田製作所

 「金型メーカーが情報管理をするのは、自社の知的財産を守るためと顧客情報を守るための2つの意味で重要だ」と話すのは、飲料や化粧品などのプラスチック金型を手掛ける打田製作所の打田尚道社長。同社は15年ほど前に社内で情報シス…

日新精機 社長 中村 稔さん
〜ひと〜

ユーチューブでものづくりの魅力伝える  「皆さん、どうもこんにちは」。動画投稿サイト「ユーチューブ」で、自身を模したキャラクターとアニメーションにのせてものづくりの基礎知識を解説する。話題は自身が手掛ける冷間圧造金型に関…

トピックス

関連サイト