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愛知溶業 ホールディングスを設立 グループで売上30億円目指す【この人に聞く】

金型溶接などを手掛ける愛知溶業(愛知県一宮市、0586・75・3112)は今年4月、溶接機メーカーや金型メーカーなどを傘下に収める持株会社「GALAXYホールディングス(HD)」を設立した。金型の溶接や製作だけでなく、レーザー溶接機の販売、修理・保守をグループで一貫して提供する。同ホールディングスの代表も務める市川修社長に設立の狙いや今後の展開などを聞いた。

市川 修(いちかわ・おさむ)
1975年生まれ、愛知県出身。試作金型メーカーを経て、2005年に愛知溶業を設立。25年にGALAXYHD設立。HDの他、傘下の愛知溶業、JACKSTELLA、サンテックの社長も兼務する。

5社がグループ傘下に。

愛知溶業に加え、独アルファレーザー社のレーザー溶接機を販売するALPHA LASER JAPAN(ALJ)、溶接機の修理・保守などを手掛けるALPHA LASER ENGINEERING(ALE)、金型溶接を手掛けるJACKSTELLA(旧キューシボ)、鋳造金型メーカーのサンテックをグループ化した。GALAXYHDではグループ各社の経営管理や事業戦略の立案などを担う。

設立の経緯は。

ALJとの連携がきっかけだ。2022年頃から合同で展示会などに出展し、新規顧客の獲得につながった。23年には合弁でALEを設立し、レーザー溶接機の保守や修理、周辺機器の販売などが可能となり、事業の幅が広がった。こうした企業連携によるメリットの大きさを感じたことが、GALAXYHDの設立につながった。

期待するシナジーは。

一つは全国展開。愛知溶業ではこれまで中部地区を中心に事業を展開してきた。九州地区で金型溶接を手掛けるJACKSTELLAや、静岡で鋳造金型を製作するサンテックをグループ化することで、より広いエリアでのサービス提供が可能になる。もう一つは事業領域の拡大だ。金型の溶接や製作だけでなく、レーザー溶接機の販売から修理・保守、周辺機器の販売までをグループで一貫して提供できる。また、サンテックでは鋳造金型の製作も可能。クロスセルによる売上拡大を期待している。

注力するのは。

一つは営業エリアの拡大。特に九州地区は今後、自動車関連などで需要の増加が期待できるため、注力していく。JACKSTELLAでは設備や人材を増強する予定だ。また、新規分野にも注力していく。ギガキャスト関連やエネルギー産業などの需要を深耕する。国内だけでなく、国内外の企業と提携し、海外市場も積極的に開拓していく。

今後の目標は。

30年までにグループ全体の売上高を30億円に引き上げることを目指している。循環型社会の実現に向けた動きが世界的に広がる中、金型溶接の需要は今後も増加していくと考えている。単に作って、使って、捨てるのではなく、高度な溶接補修で再生し、再利用へとつなげることで、循環型金型ライフサイクルを推進していく。

金型しんぶん2025年9月10日号

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