特殊鋼材料の販売や金型のメンテナンスを手掛ける商社の南海モルディ(22年9月に南海鋼材から社名変更)は、オリジナル製品「予熱くん」や「肉盛りくん」を開発、販売し好評を得ている。 「予熱くん」は、製造前の金型予熱、焼き嵌め…
松村 浩史さん 鋳造技術で自動車づくり支える【ひと】

今春の勲章で旭日単光章を受章した。世界中で安定して内燃機関向けの金型やダイカスト部品を供給し、自動車産業を支えてきたことなどが認められた。
松村精型への入社は1978年。当時では珍しいCAD/CAMの導入や解析ソフトの開発に携わるなど、デジタル化を推進。木型一本だった同社をダイカスト金型や部品メーカーに転換させ、2000年代以降は海外展開を加速させるなど改革を進めた。
デジタル畑が長かったことと、海外を開拓した経験から「世界中のユーザーが欲しいのは金型ではなく良品。何十万ショットと同じ製品を生み出せる再現性の高い金型づくりにはデジタル技術が不可欠」という。
また、「金型はツールでしかない。本当の価値は安定した品質の製品を供給できる金型と、それを使って価値の高い製品を作るエンジニアにある」が持論。そうした考えから、ダイカスト金型メーカーでは珍しく、早い段階で試作用の鋳造機を導入し、鋳造技術を高めてきた。
足元では自動車の内燃機関の減少が懸念されている。ただ「電動化とEV化は違う」と冷静に分析。「安全性を高めるためにセンサを取り付けるなど自動車の電動化は進むが、駆動は全てEVにはならず、エンジンはなくならない」とし、今後も高い金型と鋳造技術で製造業を支え続ける。
金型しんぶん2025年11月10日号
関連記事
この人に聞く 金型の社会的価値訴え 「日本の金型業界にとって今は変化の時期だが、チャンスでもある」と話すのは、日本金型工業会の東部支部長に就いた鈴木の鈴木教義社長。好機なのは、金型の高度化が進み日本のメーカーしかできな…
パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎えた。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」の特殊部品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・ケンタッキー…
「金型づくりへのパッションが強い」—。今年4月、キヤノンモールドの社長に就いた畠山英之氏が抱いた同社への第一印象だ。その情熱を武器に、超精密金型など同社でしかできない型づくりを進める一方、海外拡大や外販強化など「事業ポー…
自動車を中心に高精度かつ複雑形状な部品の開発、金型製造、量産まで手掛ける久野金属工業。EVなど次世代自動車の部品を生産する一方、ITを活用した改善活動など社内改革も積極的に行っている。その改革を推進してきたのが入社19年…


