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武林製作所 山中慎也さん なにわの名工受賞
歯ブラシの金型手磨き
独自の発想力で新しい加工方法を生み出す。これまでに培ったノウハウや経験を後輩に伝える。『金型磨き』のそうした取り組みが認められ、2025年の「なにわの名工」(大阪府優秀技能者表彰)に選ばれた。

歯ブラシの金型は両面合わせ。パーティングラインのバリは口を傷つける。そのため合わせ目はエッジを保ち、段差ゼロの鏡面に。それを指先に伝わる感覚を頼りに砥石で仕上げていく。
この技能で11年前、「なにわの名工若葉賞」(35歳以下が対象)を受賞した。それからも弛まず、磨きの技能のレベルアップと次世代への技能の継承に取り組んできた。
スキルアップで特に挑戦しているのが時間短縮だ。展示会やインターネットで調べ、様々なメーカーの砥粒、粒度の違う砥石を取り寄せた。磨きのプロセスにおける組み合わせを工夫し、SNSの磨きの動画も参考にした。それにより歯ブラシの凹の形状×両面を磨く時間を2割ほど短縮した。

磨きの品質向上も追求する。どんな材料でも表面粗さを均一に。探究するうちNAKやHPM38など様々な硬度の異なる材質も表面粗さはほぼ同じ。光の反射角が似ているため同じ色合いに見えるようになった。
そうした超越した技能を次世代に継承するため、磨きのマニュアルづくりに力を入れる。長年の間に導き出した自らの熟練の知恵や知識と、磨きを体験してもらった後輩の率直な感想を掛け合わせて作り込む。
「磨きにはブラックボックスになっている技と、磨き過ぎると金型を台無しにするという恐さがある。それらを払拭できる仕組みをつくり、次の世代に磨きの技能を伝えていきたい」。
金型しんぶん2026年1月10日号
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