金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

04

新聞購読のお申込み

武林製作所 山中慎也さん なにわの名工受賞

歯ブラシの金型手磨き

独自の発想力で新しい加工方法を生み出す。これまでに培ったノウハウや経験を後輩に伝える。『金型磨き』のそうした取り組みが認められ、2025年の「なにわの名工」(大阪府優秀技能者表彰)に選ばれた。

山中慎也さん

歯ブラシの金型は両面合わせ。パーティングラインのバリは口を傷つける。そのため合わせ目はエッジを保ち、段差ゼロの鏡面に。それを指先に伝わる感覚を頼りに砥石で仕上げていく。

この技能で11年前、「なにわの名工若葉賞」(35歳以下が対象)を受賞した。それからも弛まず、磨きの技能のレベルアップと次世代への技能の継承に取り組んできた。

スキルアップで特に挑戦しているのが時間短縮だ。展示会やインターネットで調べ、様々なメーカーの砥粒、粒度の違う砥石を取り寄せた。磨きのプロセスにおける組み合わせを工夫し、SNSの磨きの動画も参考にした。それにより歯ブラシの凹の形状×両面を磨く時間を2割ほど短縮した。

歯ブラシの金型

磨きの品質向上も追求する。どんな材料でも表面粗さを均一に。探究するうちNAKやHPM38など様々な硬度の異なる材質も表面粗さはほぼ同じ。光の反射角が似ているため同じ色合いに見えるようになった。

そうした超越した技能を次世代に継承するため、磨きのマニュアルづくりに力を入れる。長年の間に導き出した自らの熟練の知恵や知識と、磨きを体験してもらった後輩の率直な感想を掛け合わせて作り込む。

「磨きにはブラックボックスになっている技と、磨き過ぎると金型を台無しにするという恐さがある。それらを払拭できる仕組みをつくり、次の世代に磨きの技能を伝えていきたい」。

金型しんぶん2026年1月10日号

関連記事

ALPHA LASER ENGINEERING 市川修社長インタビュー

研削力高いセラミック砥石 ALPHA LASER ENGINEERINGは昨年11月、独自ブランドの金型用セラミック砥石を発売した。優れた研削能力や耐熱性が特長で、広がる金型リユースの需要に応えていくという。市川社長に開…

丸順 東証二部に上場

丸順は、3月12日、東京証券取引所市場第二部に上場した。これにより、同取引所と名古屋証券取引所の2市場で同社株式の売買が可能となった。 同社は、超ハイテン材の金型技術およびプレス加工で先行しており、自動車の軽量化・電動化…

岐阜で型技術ワークショップ 参加申し込み10月30日まで

岐阜で11月17~18日 金型技術の講演会、工場見学も 型技術協会(横浜市中区、045-224-6081)は11月17~18日、じゅうろくプラザ(岐阜市橋本町)で、「型技術ワークショップinぎふ」を開催する。参加費は同会…

金型メーカーが考える次世代の匠とは?

金型メーカーアンケート  次世代の匠に必要な技は? 熟練の金型職人が持つ「匠の技」を機械に行わせたり数値化したりする取り組みは広がり続けている。新技術が登場する中、「匠」に求められる能力に変化はあるのか。それを…

武林製作所 自社商品「カトラリーレスト」発売<br>金型の加工技術生かし

武林製作所 自社商品「カトラリーレスト」発売
金型の加工技術生かし

富士山と花をデザイン 「カトラリーレスト」 料亭やギフトに 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)が、富士山をモチーフにした高級感のある金属製カトラリーレスト(写真)を発…

トピックス

関連サイト