PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァースPART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエムPART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成PART5:「現代の名…
加速する高硬度直彫り
工程短縮、精度安定に利点
超高張力鋼板やガラス繊維など成形材料が高度化していることから、HRC60を超える焼入れ鋼や超硬材を使うなど金型の高硬度化が進んでいる。こうしたニーズに合わせて、高硬度材料を効率よく高精度に加工できる方法の一つとして、直彫りする動きが加速している。最近では、工具メーカーや機械メーカーの技術革新も進み、超硬を切削したり、鏡面加工できたりとその領域もますます広がっている。
直彫りで磨きレス
高硬度材を直彫りするメリットには「工程短縮」、「複雑化・高度化する金型への対応」、「最終精度の安定化」の大きく3つが挙げられる。これらの利点は、直彫りで磨きが不要になる「磨きレス」によるところが大きい。
まず「工程短縮」では、磨き工程が省けるため、単純に1工程少なくて済む。特に人の手が不可欠で、手間やコストが多くかかる磨き工程を削減できれば、全体の生産性向上につながるのは当然だ。
2つ目の「複雑化・高度化する金型への対応」は、手仕上げが難しい複雑な金型や、手磨きでは不可能な金型など、技術的に機械化せざるを得ない金型が増えてきたことが背景にある。最近では自動車のヘッドライトのような面粗度の高い金型のほか、長寿命化、離型性の向上のために「鏡面ピカピカ」に加工するニーズも高い。
最後の「最終精度の安定化」では、切削することで手仕上げによる加工精度のバラつきを抑えることができ、安定した精度が得られる。実際にこうした利点を活かして、金型づくりに取り組む企業も増えている。
ある電機メーカーの金型内製部門では、手磨きで不可能なナノオーダーの金型を要求され、直彫り化に着手。超精密加工を実現したのに加え「切削一発で鏡面に加工できるため、大幅な工程短縮、生産コストの低減につながった」と話す。
また、ある自動車部品メーカーの金型部門は、手磨きによる加工精度のバラつきをなくすために、直彫り化を進めている。技能差に加え、電極の加工誤差も反映されないため、より安定した精度での高品質な金型づくりを実現している。
こうした高硬度材の直彫りが可能となったのは、機械や工具メーカーの研究開発の賜物といえる。フレや振動の少ない高速加工機、PCD(多結晶焼結ダイヤモンド)やCBN(単結晶ダイヤモンド)工具、刃数を増やした工具など、高硬度材切削を支える加工技術も日々進化し続けている。
金型新聞 平成28年(2016年)7月4日号
関連記事
多品種少量の金型を加工 2024年、金型づくりにおける自動化の技術で最も革新的だったのは、多品種少量の金型を自動で切削加工する技術ではないだろうか。形状も大きさも数量も異なる金型の部品を無人運転で加工する。人手不足に直面…
課題多き働き方改革 働き方改革関連法案の施行から4年。金型業界でも労働時間短縮や生産性の向上など、働き方改革は進んでいるのか。現状を調べるため、本紙ではアンケートを実施した。調査からは、改革には前向きに取り組んでいるもの…
多くの製造現場がDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性を認識する一方で、DX導入に苦労している企業や製造現場も少なくない。そうした中、「製造DXソリューションカンパニー」を掲げるKMC(川崎市高津区)は、工作機…
▶︎▶︎採用目指す動き広がる ▶︎▶︎金沢大学古本達明教授に聞く 金属3Dプリンタの未来「将来不可欠なツールに」 ▶︎▶︎事例①日産自動車 ダイカスト部品で活用探る ▶︎▶︎事例②J・3D ハイブリッド構造でコスト抑制 …





